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19-2 家庭教師の3回目

 学院から帰宅して。

 私の机に借りてきた本を置くと、今度はレオくんのためにまとめた問題を手に、隣家へ。


「おはようございます!」

 ノックした扉を開けてくれたルチアさんと挨拶すると、私はレオくんの部屋に通された。


「おはようございます、レンガ先生!」

「おはようございます、レオくん」

 挨拶を交わすと、ちょっと世間話。


「ほら、そこの地図さ。勉強で出てきたのがこの辺の話かと思ったら、見るのが楽しくなった!」

「友達に、最近なんでいきなり成績が良くなったか、不思議がられた!」

「こんど、うちの学校でイベントがあってさ!」

「友達の妹が、魔力を使えるようになったんだって!」

「『英雄カード』にお小遣い使いすぎちゃってさ……」

 レオくんは、いろんなことを楽しそうに話す。

 いいですねぇ。私まで、なんだか楽しくなってきます。ニコニコ。


 そのあと、向かい合って椅子に座り、前に出した宿題をチェックしながら、口頭で問題を出す。


 質問。回答。

 それじゃ、関連事項を。

 質問。回答。

 なるほど、ちょっとひねってみる。

 質問。回答。

 よくできました。これは?

 質問。回答……は、ない。

 ここはまだ押さえられていないかんじですか。


 そんなかんじで、しばらく遣り取り。

 足を組んだり組み替えたりしつつ質問を続けていると、レオくんはなんだかソワソワしてきた様子。

 ちょっと、のんびり続けすぎましたかね?

「レオくん、トイレですか?

 それじゃ、戻ってきたら、知識の確認をしていきましょうか」


 レオくんのいない部屋で、少しの間、ひとり。

 ……そういえば、この机の下に、何か隠しものをしてた様子でしたよね。

 まあ。調べたりなんかはしませんけれど。

 なんて思いながら目線を下げれば、あれ?カードが1枚。

 手にとって、見てみると。


 英雄カード・スーパーレア『殲滅の戦乙女』……!?

 なんですか、これ!!?

 なるほど、特殊攻撃で場に出ている全てのカードにダメージですか。強いんでしょうか?

 あぁ、イラストまでついてますよ。こちらは、戯曲の登場人物をモチーフにしたみたいですね。


 ガチャリ。

 扉の開く音がして、レオくんが入ってくる。

「レンガ先生、おまたせしま……それっ!」

 レオくんが私の持っているカードを指差して、大声を上げる。

 しまった、勝手にとって、悪いことをしちゃいましたかね?

「床に1枚だけ落ちてたので、なにかなって拾ってみたんです。

 有名な人なんですか?」

 そう言いながらレオくんの方に差し出すと、レオくんは恥ずかしそうにしながら受け取って。

「さあ?

 聖都の有名な冒険者らしいけど、僕はよく知らない。

 この前、友達に僕の持ってたカードと交換してもらったんだ。

 べつに、レンガおねえさんに似てたからとかじゃないよ」

 まあ、流石に私もイラストみたいに可愛いとかは、言うつもりはないですよ。

「なんで、1枚だけそんなところに落ちたのかな。

 こっちにまとめておいておいたのに」

 ブツブツ言いながら、本棚においてあった箱の中にしまう。

 箱を開けたときに見えたたくさんのカード、もしかして全部『英雄カード』というやつなんでしょうか?

 それは、お小遣いもなくなってしまいそうです。


「レンガ先生、続きをお願いします!」

 レオくんの熱意のこもった要望に。私達は勉強を再開する。

 机に2人並んで、基本書を見ながらあれこれ確認していったら、いつの間にかお昼になっていた。


 居間で、ルチアさんに昼食をいただく。


「そういえば、今度『学院公開』がありますけれど、レオくんはどうされますか?」

「『学院公開』って、なにかしら?」

 ルチアさんは『学院公開』をご存じなかったようだ。

「外部の方も学院の中に入って、施設や設備なんかを見ることができます。

 クラスごとに紹介展示なんかもするので、普段どんなことをしててどんな雰囲気なのかもわかって、面白いと思います」

 私がそう説明すると、レオくんが期待の目でルチアさんの方を見た。

 レオくんは興味津々のようだ。

「そうね。パパと相談して、行ってみましょうか」

 ルチアさんは微笑みながら、レオくんと私に答えた。

「私も、時間があるようでしたら、ご案内しますよ」

「そんな、悪いわ。

 無理しなくていいし、自分の予定を優先してね?」

「ええ、本当に時間が取れればで申し訳ないですけれど」

 私も本科生として『学院公開』を迎えるのは始めてだから、どれだけ時間が取れるかもわからない。

 なので、とりあえずそんな、ちょっと中途半端な約束をすることになった。


「それじゃ、またお願いね」

「レンガ先生、今日もありがとう!」

 そして私は、お腹いっぱいになって、2人に見送られながらレオくんの家をお暇したのだった。


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