表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

70/316

18-1 リャナに『ヤキトリ』の相談

「おはようございます、お嬢様」

「おはよう、リャナ」

「最近、マメに呼び出してくださって嬉しいですよ!

 それで、今度はどんな困りごとですか?」

 リャナはすました顔で、そんなふうに聞いてくる。


 前は帰るところを見ていなかったので、少し心配しながら喚び出した。

 だから、いつもどおりのリャナが現れてくれて、私は安心していたんだけれども。


 いつも困ってリャナを喚んでばかり、みたいな言われようだ。

 そして、それなりに当たっているので、私が返答に困っていると。

「ほら。

 そんな変な顔してちゃ、男の子にモテないぞ?」

 リャナは両手を伸ばして、私の頬を軽くつねった。


「べつに、男の子の知り合いだっていますよ。

 それに、難しい話だから、どう話そうか少し考えただけです」

「そう?

 そういえば、こないだ一緒に冒険した男の子たちは、なかなかいい男が揃ってたわよね。

 ガーランくんと、ジャックくんと、グラントくん、だっけ?」

『銀月』の皆さんですね。

 したかった相談に関係ないわけじゃないので、こちらも当たらずしも遠からずですか。

 まったく、リャナは勘が鋭いんですかね。


「全く関係ないわけじゃないですけど、とりあえず先にこの前の『怪鳥』の話です」

「『怪鳥?』

 ああ、この前戦った、大きな鳥?

 なにかわかったのなら、力になるよ」

 リャナは真剣な顔になって、私の方を見た。

 私は、これまでのあらましを、正直にリャナに伝える。


「なるほどね。

 妖精は他の妖精を取り込んだり、他のもっと強い存在に取り込まれたりすることもあるから、レンガちゃんにもそれが起きたのかな」

「人間では、あまりそういう話は聞きませんね」

「ほら、あのとき一緒にいた、サファイアさんだっけ?

 あの人もどうも龍あたりと関係が深いみたいだったけど、レンガちゃんと似たような状態なのかも」


 そういえば、リャナは倒れたサファイア様の姿を見てるんでしたね。

 封印のこともすぐわかったみたいでしたし、妖精特有の感覚でもあるんでしょうか?


「なるほど。

 そういえば、あれからサファイア様にはお会いしていませんけれど、なにか関係があるのかもしれませんね」

「いちど、相談してみたら?」

「でも、そんなに簡単に会える方じゃないですよ。

 なんといっても公爵令嬢様ですし。

 たしかに同じ学院生ですけれど、なかなか声をかけることも難しいです」

「あら、そうなんだ。

 じゃあ、他にどこか出会えるところとかは、ないのかな?」

「うーん、お宅は無理でしょうし、貴族の方なら王宮やどこかのパーティとかなら会えるかもですが、私に行くアテがないですし。

 街で偶然出会うなんで、狙ってできるものじゃないですよね。

 あ、でも、サファイア様は、アカデミーの……

 それなら、たしかになんとかならないこともなさそうですかね?」

「ふふふ。レンガちゃん、なんだか悪いことひらめいた顔してる!」

「そんなこと、ないですよ!

 ちゃんと、きちんと問題のない方法で訪ねてみようかと思っただけです」

「はいはい。レンガちゃんは、品行方正ですこと」

 リャナに笑われている。


「いちど今その『ヤキトリ』さん、喚んでみる?」

「うーん……

 魔力制御の練習は、始めたばかりですし、まだ手応えもありません。

 まんがいち暴走なんてことになったら洒落になりませんし、今はやめておきたいと思います」

「私の魔石みたいに封じるとか、できないのかな?」

「私の知る限り、妖精を魔石に封じるなんて例は他にないです。

 さすが、神殿騎士の中でも最高位だったママの技術、なんでしょうか。

 それに、それ以前にリャナの魔石と同じサイズのものなんて、どこでいくら出せば買えるかもわかりませんよ」

「ふぅ……ん。

 それじゃ、ちょっと打つ手が思いつかないね」

「私もです。

 とりあえず、いまはユーリ様のアドバイス通り、黙って続けてみようかと思っています」

「そのユーリさんって、信用できるの?」

「掴みどころのない方ですけれど、信用できると思ってます。

 ママのいた『神殿』の偉い人でもあるみたいですし」

「そか。

 お嬢様がそうお考えなら、私は精一杯お手伝いしますよ」

 リャナはそう言うと、優しく微笑んでくれたのだった。


「それで、ギルドへの報告なんかでもお世話になってますし、『銀月』さんにも相談に行こうと思っているんですけれど」

「ふぅん。

 どこまで話すつもり?」

「中途半端に話すと、却ってややこしいことになりそうな気がします。

 もう『ヤキトリ』との戦いを誤魔化すのを手伝ってもらっちゃいましたから、全部話して最後までつきあってもらえないかと」

「なるほどね。

 まあ、良いと思うよ。

 私も、野営の夜や帰りの馬の上で話した感じじゃ、いい人たちだと思ったし、

 レンガちゃんもけっこう人を選ぶ方だと思うから、レンガちゃんがそう思うなら、たぶん大丈夫でしょ」

「私って、そんなに人を選んだりします?」

「私は、レンガちゃんに厳しく選ばれた自信持ってるけどね?

 大丈夫。レンガちゃんも、もっと自信持ちなよ」

 リャナはそう言うと、私を優しく両腕で包んでくれたのだった。


興味を持っていただけたり、応援をいただけるようでしたら、ぜひブックマーク・評価・感想などをいただけますと幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ