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17-4 グレコくんと、お友達3

 今日の『研究会』での魔力制御練習も終わって。

 次は、夜の『猫のパン』のお仕事が始まる。


 配達を順調に終えて、店内のお仕事をしていると。

「こんばんは、レンガさん!」

 この声は……

「グレコさん。それに、ディエゴさんと、ハルメンスさんも!

 ご来店、ありがとうございます!」

 たしか、昨日も来てくれていたはずだ。

 毎日来てくれるなんて、嬉しいなぁ!

 思わずこぼれた笑顔のまま、挨拶する。


「あ、あの。

 昨日のサンドイッチセットが美味しかったから、今日はもっとサンドイッチが欲しいと思って」

 グレコくんが顔を赤くしながら言う。

 そんなに期待してくれているのかと思うと、こちらも嬉しくなる。

 それに、選んで渡したものが気に入ってもらえたみたいなのも、ますます嬉しいですね!


「レンガさん、ジャムとかの取り扱いはありますか?」

 ハルメンスくんに聞かれて、案内する。

「こちらがジャムのコーナーです。

 私はこのミルクジャムが好きですね。

 よろしければ、試食されますか?」

「え?

 食べられるんですか?」

「はい、どうぞ!」


 そう、本日から始まった『猫のパン』の新サービス。

 マリオさんとリンクさんがいうには、海の向こうではよく使われる売り方らしい。

 たしかに、百聞は一見にしかず。

 自慢の商品を試してもらえれば、きっと気に入ってもらえるに違いないです!

 もう、朝のサービス開始から大人気だったと聞いている。

 でも、そんなサービスをすぐに取り入れる、マリオさんのフットワークの軽さって、やっぱり凄いですね。


「はい、どうぞ」

 試供品用にとあけてあるいくつかのジャムを小さな棒の先にとって、グレコくんたちに手渡しする。

 戸惑った様子だったので、

「こんなふうに、食べちゃっていいですよ」

 私も棒を1つ取ると、ミルクジャムをつけて口に入れる。

 これは試食の仕方の説明だから、私がちょっと口に入れるのも許して欲しい。


「おいしい!」

「このママレード、酸味が生きていていいな!」

「僕は、レンガさんおすすめのミルクジャムがほしい。妹なんか、特に好きそうな味だから」


 いくつかのジャムを試してもらえば、全員が気に入ったものを1本買ってくれるみたいだ。

 試食、大成功みたいです!


「あの、私達もひとくちいただけませんか?」

「オレも、試してみたい!」

「ぼくも、ぼくも!ぼくもたべたい!」

 そのあと、私は他のお客様からも次々と試食を希望され、順番にジャムのついた棒を手渡ししていく。

 うーん、ジャムはたくさん売れましたけれど、試食の希望でそこだけ混雑してしまうのは対策できたらいいかもしれません。

 後で、マリオさんに報告しておきましょう。


「レンガさん、俺たち、これもらったよ」

 試食の対応も手が空いた頃、グレコくんたちが来てそう教えてくれた。

 わざわざ報告しなくてもいいですよ?

 でも、私も好きな『猫のパン』の品物を、気に入って買ってくれるの、嬉しいですね!


「それで、……」

 グレコくんは続けてなにか言おうとしたようだったけれど、それをディエゴくんが肘で制したと思ったら、

「それじゃ、また来ますね!」

 3人は笑顔で挨拶をすると、帰っていった。

 なんだったんだろう?

 少し、気になります。


 扉から出ていくグレコくんたちを見送って、空になったバスケットを片付ける。

 そのままもう少し仕事を頑張って、無事に会計も合えば、明日からは2日間のお休みだ。

「お疲れ、レンガちゃん!」

「ありがとうございました!」

 マリオさんと挨拶を交わして、家に帰る。


「ただいまです!」

 家の扉を開けたら、いつもの流れで、最後にベッド。

「明日はお休み。

『銀月』の皆さんのところでも、訪ねることにしましょうか。

 でも、『ヤキトリ』のことは、なんて説明しましょうかねぇ。

 パパ、ママ、良い知恵を教えて下さい……」

 そうすれば夢で会えないかなんて思いながら、私は目を閉じた。


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