16-3 『魔導騎士』って、なんですか?
2021年1月22日、誤字修正しました
「『魔導騎士団』ですか。
とても強いですよ」
『研究会』にきたら、ミズナ様がひとり、何やら本を読んでおられた。
私は挨拶をすると、しばらく魔力制御の練習に取り組む。
1時間ほど頑張ったら、もうフラフラだ。
その場に座り込んだ私に、ミズナ様が飲み物を差し出してくださった。
そのまま隣に座られたミズナ様となんとなく話していたら、お昼にしていたアジィ様やメリーダ様との話題を思い出して。
ミズナ様は騎士だし、お詳しいかと思って聞いてみると。
「『魔導騎士団』の存在で、以前は小国のひとつにすぎなかったレクトが、聖王国と肩を並べるほどの軍事力を手に入れましたから。
日輪騎士団なら10人でかかっても、レクトの魔導騎士1人に勝てないでしょうね」
「……え?」
思った以上に圧倒的だった。
「そんな騎士が騎士団を組めるくらいいるんですか?
すごいですね!」
「基本的に、強力な魔法やスキルを使える人材はそんなにいませんから、普通は数が揃わないのですけれど」
「魔法やスキルの育成になにか秘密があるとか?」
「まあ、そうです。
なければつくればいい、話は単純です。
でも、魔法で動物や魔物の体を人に植え付けるのは、なかなか実現されない手法ですね」
「……えぇ??」
「レクト魔導王国では、一定の年齢になると適性検査があって、それに合格すると強制的に魔導騎士に登用されるそうですよ。
適性検査の合格は、必ずしも喜ばれるものではないようですが。
それも当然かもしれませんね」
「『廃公』が、始めたのですか?」
「あの方は、『求める者に力を与えた』といったところでしょうか。
それも賛否はあるでしょうけれど、それが強制されるようになったのは追放の後からです。
聞く限りでは、使われている『強化』の形もだいぶ改められているようですし。
具体的にどう改められたのかは承知していませんが」
なるほどです。
『廃公』の起こした混乱からレクトを建て直して大国と互するほどに繁栄させたと絶賛される現政権ですけど、実際のところは綺麗事だけではないみたいですね。
「それに対抗できるように、聖王国でいま新型魔導具を研究中なのよ~」
いつの間に来られていたのか、ユーリ様の声がかけられた。
みんなで挨拶を交わす。
「今回連合国から購入することになった動力騎士鎧にアイデアをもらって、魔石で動く類似品を開発するでしょう?
それを最近アカデミーがつくったっていう魔石頭脳に支援させることで、『魔導騎士』にも対抗できるようにするつもり、なんだよね?」
「結局、兵器開発になるのですね」
「火から何を得て、包丁で何を切るかじゃないかな?
その使い方で、神にも悪魔にもなるのよ」
「扱いの問題ですか」
「だから、きちんと扱えるものにしなくちゃね?
ミズナちゃんが最初の使い手になるんだし」
「私は開発担当になっただけですよ。
完成したあとは、別の方が使うのでは?」
「まあ、そうかもね。
でも、なかなか思いきった人選だね。驚いたのよ!」
「そうかもしれませんね。突然でしたし。
ところで、神殿の神はどう扱われているのですか?」
「うちの神様も、色々できるし、色々するよ。
それを『扱える』から、私が『巫女』なのよ?
どうせなら、その効果に方向性を与えておければいいのにね。めんどくさいのよー」
「本当に、あなたの本心はどこにあるのでしょうね」
動のユーリ様と静のミズナ様の会話が面白い。
「レンガちゃんも、早く『扱える』ように、なってね!」
お2人の話を聞いていたら、突然ユーリ様がそう言って、私はユーリ様とミズナ様にじっと見つめられたのだった。
……魔力制御の練習、がんばります。
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