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唐揚げ三人前

 カラオケの部屋は、入った瞬間から三人組の空気だった。


 ソファの席順も、飲み物の注文も、機械の操作も、全部あっという間に決まっていく。


 翔子は入り口に近い端の席へ小さく座り、膝の上で手を重ねていた。


 さっきまでブティック帰りの通りで、あれだけ近くにいたのに。


 友だちが合流した途端、また少し遠くなる。


 隆史はその隣に腰を下ろした。


「何飲む?」


 メニューを渡しながら聞くと、翔子は少しだけ驚いたように顔を上げた。


「え……オレンジで」


「了解」


 代わりに注文用の端末を触る。


 友だちの一人が、興味津々の顔でこっちを見ていた。


「ねえ、ほんとに翔子が服選んだの?」


「うん」


「意外ー」


「意外って何」


「だって翔子、自分のことになると全然決めないし」


「そ、そんなことない……」


 小さな反論は、すぐにかき消えそうになる。


 隆史はそのまま言った。


「でも今日、店でめちゃくちゃ頼りになったよ。俺一人だったら何も買ってない」


 今度は三人だけじゃなく、翔子もこっちを見た。


「へえ」

「そこまで?」

「翔子、やるじゃん」


 さっきより、ほんの少しだけ空気がやわらぐ。


 このくらいでいいのだと思った。


 大げさに守る必要はない。


 ただ、場の中から消えそうになったこいつを、少しだけ見える位置へ戻してやればいい。


 最初の曲が入る。


 三人組の一人が慣れた感じで歌い出し、部屋の空気が一気に軽くなる。


 もう一人が手拍子をし、残りの一人がマイクを奪う。


 その明るさを見ながら、隆史は横目で翔子を見た。


 翔子は笑ってはいる。


 でも、その笑い方はどこか借り物っぽい。


 輪の中にいるのに、少し外にいる顔だ。


 自分も昔、あんなふうに座っていた。


 楽しんでいないわけじゃない。


 でも、上手く入れない。


「高田さん」


 小さく呼ぶと、翔子が振り向く。


「次、入れれば」


「え」


「服選んでくれた礼。優先権」


「そ、そんなのないです」


「ある」


 隆史はリモコンを渡した。


「何でもいいから」


 翔子は明らかに困った顔をした。


 だが、断るより先に、友だちの一人が言った。


「いいじゃん翔子、歌いなよ」

「聞きたい聞きたい」

「高校のとき、アニソン歌ってたよね?」


「そ、それは……」


 また縮みかけた翔子を見て、隆史は少しだけ笑った。


「じゃあ、俺も歌うから」


「え」


「一人だと嫌だろ」


 翔子は目を丸くした。


 それから、ほんの少し迷って、画面を見下ろす。


 指先がゆっくり動く。


 曲名を入れるまでに時間はかかったが、最終的に選んだのは、今の流行りより少し前の、やさしいテンポの曲だった。


「それにするの?」


「……はい」


「じゃ、俺その次」


 そう言うと、翔子は少しだけ息をついた。


 曲が流れ始める。


 最初の一フレーズは小さかった。


 消えそうなくらい頼りない。


 けれど二行目、三行目と進むうちに、少しずつ声が出るようになる。


 うまいわけではない。


 でも真面目に歌う声だった。


 部屋の中が、ほんの少し静かになる。


 歌い終わったあと、一拍遅れて拍手が起きた。


「え、翔子普通にいいじゃん」

「もっと歌えばいいのに」

「声かわいいね」


 翔子は戸惑いながら、小さく頭を下げた。


 その横顔を見て、隆史は思った。


 やっぱり、何かしてやりたいと思ったのは間違いじゃなかった。


 別に大したことじゃなくていい。


 この子が、黙ったまま端に消えていかないように。


 せっかく勇気を出して前に来たなら、そのぶんくらいは報われてほしい。


 曲の間奏が終わり、次の画面に切り替わる。


「ほら、次おまえだよ」


 翔子が小さな声で言った。


「ほんとに歌うんですか」


「言っただろ」


 隆史はマイクを受け取る。


 部屋の中の視線が集まる。


 前なら気まずかったかもしれない。


 けれど今は、それを少しだけ受け止められる気がした。


 隣では翔子が、さっきより少しだけ肩の力を抜いて座っている。


 そのことが、妙にうれしかった。



 二曲目を歌い終え、マイクを戻す。


「うまっ」

「ずるい。見た目だけじゃなくて普通に歌えるんだ」

「翔子、どういう知り合いなの、その人」


 矢継ぎ早に飛んでくる言葉に、翔子はまた少し肩をすぼめた。


「お、同じ大学で……」


 そこまで言って、口が止まる。


 さっきブティックでは、もう少しだけ話せていた。


 でも人数が増えて、友だちの調子が前に出ると、翔子はすぐに声が小さくなる。


 隆史はその横顔を見て、また変な既視感を覚えた。


 少し前までの自分だ、と思う。


 目立つやつが前に出て、話の速いやつが場を回して、気づけば自分は笑って合わせるか、黙るしかなくなる。


 何か言おうとしても、その隙がない。


 入るきっかけを逃して、結局そのまま座っているだけになる。


 男同士でも、大学でも、高校でも、何度もあった。


 翔子はいま、そこにいる。


 何か言ってやろうかと思った、そのときだった。


 腹の奥が、ぐっと縮んだ。


「……っ」


 来た、と思った。


 昼のマックは食った。


 さっきまで普通に歩いて、普通にしゃべっていた。


 なのに急に、体の内側だけ別の生き物みたいに騒ぎ始める。


 原因は分かっている。


 朝からずっと宝塚の姿でいる。


 顔だけじゃない。首も肩も、全体の見え方までいじってある。


 そのぶん、燃料が切れかけると体が露骨に肉を欲しがる。


 喉が渇くのとは違う。


 腹が減るのとも違う。


 もっと奥の、骨の近くみたいな場所が、肉を寄こせと騒ぐ。


 画面の下に出ていたフードメニューへ、思わず目がいった。


 ポテト。

 枝豆。

 たこ焼き。

 焼きそば。


 違う。


 その下に、唐揚げの写真があった。


 茶色い衣。

 油の照り。

 肉の厚み。


 それを見た瞬間、腹の奥がさらにうずいた。


「何か頼む?」

 友だちの一人がデンモクを見ながら言う。

「ポテトくらいなら食べるけど」


 隆史は、ほとんど反射で口を開いていた。


「唐揚げ」


「え?」


「唐揚げ、三人前」


 部屋が一瞬、静かになった。


「……三人前?」

「ちょっと待って。さっきマック食べたよね?」

「一人で?」

「え、こわ」


 最後の一言はたぶん冗談だ。


 でも少しだけ本音も混じっていた。


 しまった、と思ったときにはもう遅かった。


 隆史は咳払いをしてごまかす。


「いや、今日けっこう動いたし。腹減って」


「それにしても三人前?」

「男子ってそんな食べる?」

「いやでも、見たいかも」


 笑いが起きる。


 空気が悪くなったわけではない。


 けれど、普通じゃないことは伝わってしまった気がした。


 そのとき、隣で翔子が小さく口を開いた。


「……みんなで食べれば、なくなるし」


 全員の視線がそっちへ向く。


 翔子は自分でもそれに驚いたみたいに肩を揺らしたが、言葉を続けた。


「だ、だから……三人前でも、いいんじゃないかなって」


「翔子が言うなら頼む?」

「じゃあ、ネタとしてもありか」

「いいよいいよ、見たい」


 友だちが笑って、結局、本当に唐揚げ三人前が入ることになった。


 注文が通っただけで、腹の奥の騒ぎが少しだけおさまる。


 肉が来る。


 それだけで体が納得する。


 隆史は小さく息を吐いた。


 ふと横を見ると、翔子がこちらを見ていた。


 メガネの奥の目が、少しだけ揺れている。


 あれはたぶん、心配しているときの顔だ。


 さっきまで友だちに押されていたのに、こういうときだけちゃんとこっちを見る。


 変な子だな、と隆史は思った。



 唐揚げは思ったより早く来た。


 大きめの皿が三つ。


 レモンとキャベツが添えられている。


 揚げたての匂いが立ちのぼった瞬間、隆史の体はあからさまにそれへ反応した。


「うわ、ほんとに三皿来た」

「頼んだの自分だけど、ちょっと笑う」

「はい、主役どうぞ」


 茶化すみたいに皿が寄せられる。


 隆史は「いただきます」とだけ言って、一つつまんだ。


 熱い。


 衣がかたくて、中はやわらかい。


 噛んだ瞬間、腹の奥がようやくこれだと納得する。


「……うま」


 思わず出た声に、三人が笑う。


「そんな顔する?」

「さっきまで王子様っぽかったのに、急に生活感」

「肉で生き返るタイプ?」


「まあ、だいたいそんな感じ」


 冗談めかして返しながら、二つ目、三つ目と手が伸びる。


 さすがにやばいと思って途中で少し速度を落としたが、もう遅かった。


 気づけば一皿目は空で、二皿目も半分近くまで減っていた。


「ちょっとほんとに食べるじゃん」

「え、引くんだけど」

「その顔でそれはギャップが強すぎる」


「褒めてる?」

「褒めてない」

「だよね」


 笑いが起きる。


 空気は悪くない。


 でも普通じゃないのは確かだ。


 翔子は自分の分として取った唐揚げをしばらく持ったまま、食べずにいた。


 それから、小皿ごとそっと隆史の方へ寄せる。


「……いる?」


 声が小さい。


 学食のときと同じ言い方だった。


 隆史は一瞬だけ翔子を見た。


 向こうは友だちに聞こえないくらいの声で言っている。


「助かる」


 同じくらい小さく返すと、翔子はほんの少しだけ口元をゆるめた。


「また?」

「翔子、やさし」

「餌付けしてない?」


 友だちに突っ込まれて、翔子はびくっとした。


「ち、違っ……私、そんなに食べないので」


「でもさっきから一番この人見てるよ?」

「やめてよ」


 翔子は耳まで赤くなった。


 その様子を見て、隆史は少しだけ肩の力が抜けた。


 さっきまで暴れていた体の奥も、だいぶ静かになっている。



 結局、唐揚げはほとんど隆史が片づけた。


 最後の一つを食べ終えたころには、さっきまでの飢えはようやく人並みの空腹まで落ちていた。


「すご……」

「うち、ちょっと尊敬した」

「唐揚げ三人前いけるの、才能では?」


「そんな才能いらないだろ」


 水を飲みながら言うと、また笑いが起きる。


 さっきまでの変な空気が少し薄れたところで、友だちの一人が立ち上がった。


「私、トイレ行ってくる」

「じゃあ私も」

「飲み物追加したいし、ついでに持ってくる」


 三人の視線が翔子へ向く。


「翔子、何飲む?」


「……あ、じゃあオレンジ」


「了解。すぐ戻る」


 三人がばたばたと部屋を出ていく。


 ドアが閉まると、急に静かになった。


 モニターには次の曲の待機画面が出ている。


 さっきまであれだけうるさかったのに、今は機械の待機音だけが妙に大きく聞こえた。


 翔子はストローの袋を指で折っている。


 隆史はテーブルの上のリモコンを意味もなく持ち直した。


「……さっき」


 先に口を開いたのは隆史だった。


「助かった。唐揚げ」


「い、いえ」


「またくれたな」


 翔子は目を伏せる。


「……必要そうだったので」


 それはつまり、見て分かったということだ。


 何が、とまでは聞かない。


 でも翔子は、さっきの自分の様子がおかしかったと感じていたらしい。


「そんなに分かりやすかった?」


 聞くと、翔子は少しだけ迷ってから言った。


「……少しだけ、こわかったです」


「うわ」


「す、すみません」


「いや、正直でいいけど」


 隆史は笑った。


 そのあと、また間ができる。


 さっきまで三人がいたせいでごまかされていたが、二人きりになるとまた話し方が分からなくなる。


 言いたいことはある。


 今日は服も選んでもらった。

 街も一緒に歩いた。

 カラオケにも来た。


 ここで終わるのが惜しい、という気持ちだけははっきりしている。


 でも、何と切り出せばいいのか分からない。


 迷った末に、隆史はかなり不格好な言い方をした。


「……高田さん」


「は、はい」


「また服、見てもらいたい」


 翔子が顔を上げる。


「今日みたいに。高田さんいると助かるし」


 翔子は数秒黙って、それから小さくうなずいた。


「……はい」


 そこで終わってもよかった。


 でも隆史は、今日ここで終わらせたくなかった。


 せっかく勇気を出して話しかけてきて、せっかく二人で街を歩いて、やっと少しだけ距離が縮んだ気がしているのに、このまま別れて、また偶然を待つのは嫌だった。


「そのさ」


「え」


「よかったら、SMS教えてくれない?」


 翔子の目が丸くなる。


「……え」


「いや、嫌ならいいけど」


「い、いやでは、ないです」


 答えるまでに少し時間がかかった。


 でも断る気配はなかった。


「じゃあ……」


 翔子は慌ててバッグからスマホを出した。


 指先が少し震えている。


「これ……です」


 二人はテーブルの下みたいな低い位置で、友だちに見られないようにそっと画面を寄せた。


 翔子が出したQRコードを隆史が読み取る。


 登録完了の表示が出た瞬間、胸の奥が少し熱くなった。


「送っとく」


「……はい」


 すぐに翔子のスマホが震える。


 画面を見た翔子が、ほんの少しだけ笑った。


 それだけのことなのに、妙にうれしい。


「名前……宝塚さんで入ってます」


「ほんとだ」


「……ちゃんと来てます」


「よかった」


 また変な間が落ちる。


 でも今度の沈黙は、さっきまでより少しだけやわらかい。


 そのとき、廊下の向こうから友だちの声が近づいてきた。


「戻るよー」

「オレンジ持ったー?」

「店員さんいなかったんだけど」


 翔子は慌ててスマホをしまう。


 隆史も画面を伏せる。


 二人の間にだけできた小さな秘密が、ぎりぎりのところで隠れた。



 三人が戻ってくると、部屋の空気はまたにぎやかになった。


 曲が入り、拍手が起き、次は誰が歌うかでわいわい揉める。


 さっきまでの二人きりの静けさは、何事もなかったみたいに流されていく。


 けれど、隆史の中では流れていなかった。


 ポケットに入れたスマホが、ただの機械じゃなくなっている気がする。


「次、翔子入れなよ」

「さっきのよかったし」

「今度はもうちょい明るいの歌って」


 友だちが騒ぐ。


 翔子は困った顔をして、それでもさっきよりは完全に黙らなかった。


「……じゃ、じゃあ、短いの」


「お、いいじゃん」


 リモコンを受け取る指はまだ少しおぼつかない。


 でも、さっきみたいにそのまま消えそうにはなっていない。


 隆史はその横顔を見て、少しだけほっとした。


 何かしてやりたいと思ったのは、たぶん間違いじゃなかった。


 大げさに助けるんじゃなくていい。


 この子が端に消えていかないように、少しだけ戻してやる。


 それくらいなら、自分にもできる。


 翔子が次に入れた曲は、前より少し明るかった。


 歌い出しはやっぱり小さい。


 でも途中でちゃんと声が乗ってくる。


 歌い終わったあと、友だちが普通に拍手した。


「やっぱ翔子、声かわいいじゃん」

「もっと歌えばいいのに」

「普段しゃべるときもそれくらい出しなよ」


「む、無理……」


 翔子は困りながらも、さっきよりはちゃんと笑っていた。


 その後、隆史ももう一曲だけ歌った。


 三人は相変わらず騒がしかったが、さっきより少しだけ、翔子をちゃんと真ん中へ入れている感じがした。



 帰り道、駅までの途中で解散になった。


 三人組は最後まで明るかったが、思ったよりやさしかった。


 翔子に対しても、途中からは「さっきの曲よかったじゃん」とか、「服選びほんとすごいんだね」とか、前より少しちゃんと声をかけていた。


 それはたぶん、隆史が何度か翔子に話を返したからでもあるし、翔子自身が一度歌ってからほんの少し空気に入れたからでもある。


 別れ際、翔子は友だちの少し後ろに立ちながら、小さく頭を下げた。


「……今日は、ありがとうございました」


「こっちこそ」


 それだけの会話だった。


 でも、そのあと友だちに連れていかれるみたいに歩き出した翔子が、一度だけ振り返る。


 そして、ほんの少しだけスマホを持った手を見せた。


 見せただけ。


 でも意味は分かった。


 隆史は笑って、ポケットの上から自分のスマホを軽く叩いた。



 家に帰って風呂に入る前、隆史はベッドに腰を下ろしてスマホを開いた。


 送ろうかどうしようか、少し迷う。


 でも、自分から聞いたのだから、自分から送るべきだと思った。


 画面を開いて、短く打つ。


宝塚


今日はありがとう

服、ほんと助かった


 送信。


 すぐに既読がついた。


 はやいな、と思った次の瞬間、返事が来る。


高田翔子


こちらこそ、ありがとうございました

あの服、ちゃんと似合ってたので安心しました


 隆史は思わず笑った。


 最初の一通が、それか。


 やっぱり先生みたいだなと思う。


宝塚


厳しいな


 送ると、少し間があってから返ってくる。


高田翔子


でも本当です

前の服は少し危なかったです


宝塚


危なかったって何だよ


高田翔子


もったいなかったです


 その一文を見て、隆史は少し黙った。


 もったいない。


 翔子は昼にも似たようなことを言っていた。


 きれいなものが変な形で置かれているのが嫌なのだろう。


 たぶんそれは、服でも、石膏でも、人でも同じだ。


 画面がまた震える。


高田翔子


あと

唐揚げ、足りましたか


 そこを聞くのか、と思う。


 でも、らしいとも思う。


宝塚


かなり助かった

高田さんがくれた分も


 送ったあと、少しだけ言いすぎたかと思った。


 だが返ってきたのは短い文だった。


高田翔子


よかったです


 その四文字が、妙にやわらかく見えた。


 女の子と街を歩いて、カラオケに行って、連絡先を聞いて、今こうしてやり取りをしている。


 少し前まで、そんな日が自分に来るとは思っていなかった。


 スマホがまた震える。


高田翔子


また

服、見ます


 短い文だった。


 でも、それで十分だった。


 隆史は画面を見たまま、思わず口元を押さえる。


「……やばいな、これ」


 誰に聞かせるでもなく、そう言う。


 もう一度だけ返信を打つ。


宝塚


じゃあ、また頼む


 送信。


 既読。


 その小さなやり取りだけで、今日は少し眠れそうになかった。

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