いたずらふたご
二時限目、どうやら俺はしばらく寝ていたらしい。
いろいろあったからな、本当。
そう思いながら寝返りを打つと、正面に同じ顔が二つ並んでいて吃驚した。
「うわぁっ!」
叫んで飛び起きると、書記の双子が並んでクスクスと笑っていた。
やられた。こいつらはいつも人を驚かして遊ぶんだ。
「何してんだよ、書記兄、書記弟」
驚いたのをごまかすように、二人を順に軽く睨み付ける。
「「陣中見舞い」」
双子はわざわざ同時にしゃべる。相変わらず仲がいい。
双子弟が楽しげに話し出す。
「聞いたよ、朝の告白!部室前で抱き合ってたって?」
「それに『君だけだよ』とかって叫んでらぶらぶだったとか」
双子兄も面白そうに続ける。
「違うんだ!いろいろ違う!」
蒼白になって叫ぶと、双子が声を揃えて返してくる。
「「うん、知ってる」」
「だろ!?って、え?」
「「だってこっそり見てたもん」」
軽く言われた言葉に目を見開く。
なんか今日、驚きっぱなしだな、俺。
固まってる俺に、双子兄が話を続ける。
「会長から、そろそろヒロインが本命を絞って動き出すぞって言われてて。交代でヒロインを観察してたんだ」
「誰を選ぶかも予想してたんだけどね。反応の面白さから言ったら緑羽だよなぁって目をつけてたんだ。大正解!」
純粋に喜んでいる双子弟。うん、こいつはこういうやつだ。
「でも、お前らも相当気に入ってたんじゃなかったのか、ヒロインのこと」
疑問に思ってふと聞いてみる。すると。
「「まっさかぁ」」
即答された。
「だって、あの娘驚くのとか全部演技してんだもん。つまんない」
双子弟が言うと双子兄も
「それにボクらのこと、全く見分けついてなかったしね!」
と言う。
見分けがつかない?こんなに個性が違うのに?
双子弟がより幼くて快楽的なのに対し、双子兄はフォローに回ることが多い。それが顔つきにもにじみ出ていて、生徒会全員間違えることはない。
さすがにクラスが同じ程度では見分けられないが、一年近くも行動を共にして、デートまでしておいて見分けられないなんてことあるのか?
「あの娘は、ゲームの知識で見分けようとしてるからねぇ」
「ボクらの髪の毛のハネ方で見分けてるらしいよ。試しに逆にセットしてみたら、思った通り間違えてくれたよ」
「『合ってるはずよ、イタズラしないで』とか自信満々で、笑わせてもらったよ」
本当に楽しそうに笑う双子弟。
この調子で一年ずっとヒロインで遊んできたんだな。




