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おれがあまかった

ヒロインからのメールを着信拒否して5日目。


二月に入ったし、そろそろ魔のイベント、バレンタインに向けて本気の対策を練らなくてはと考えて焦ってはいたが。


朝練後、ヒロインに部室前で待ち伏せされていた。



通らなきゃシャワーも着替えも出来ない。部員は茶化してくるが助けてはくれない。



「久しぶり」


困ったが、とりあえず声をかけるとヒロインがぱぁっと笑顔になり、話しかけてくる。


「翔君!元気だった?メールに返事がなかったから、心配してたの。もしかしたら風邪でもひいたんじゃないかって」


ヒロインは少しうつむきがちになり、うるうるした目で見つめてくる。


やばい。罪悪感がハンパない。こいつは悪女、俺は騙されていると心の中で唱えながらなんとか平静をたもつ。


「ごめん、気がつかなかった。最近は大会に向けて熱が入ってて。」


罪悪感からしっかりと目が合わせられない。


すると、ヒロインに手を握られた。


「よかったぁ。実は、嫌われちゃったのかなとも思ってちょっと不安だったんだよ。でも信じてるから。翔は、私のこと好きって言ってくれたもんね!」


部員や通りすがりの生徒が聞き耳を立ててる中で、ヒロインの高めの声はよく響いた。


周りからどよめきや悲鳴が聞こえる。


なんだ、この空気。


自分は手を振り払わないよう必死で抑えているのに、ヒロインからはキラキラした目。周りからは「ついに告ったか」「何、あの二人つきあってるの?」とざわざわ噂されている。


逃げられない。


俺の様子は気にしないまま、ヒロインだけがにこやかに続ける。


「すぐにお返事できなくてごめんね。でも私も、翔君のこと好きだよ。一番好き」


そういって抱きついてくるヒロイン。


そして俺が反応出来ないでいるうちに。


「いけない、授業始まっちゃう!じゃあ、大会頑張ってね!絶対応援に行くから!」


綺麗な笑顔を残し、ヒロインは去っていった。


周りもざわめきながら、遅刻しないようにと去っていく。


部員たちは話を聞きたそうにいろいろ話しかけてきたが、何も返事を出来ない俺に諦めたのか「とりあえず、おめでとう!」と言いながら離れていった。


残されたのはひたすら混乱した俺。



これ、もしかして。

つきあうことになっちゃった?

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