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がくぶるです

情けなく蒼白になった俺にさすがに同情したのか、会長が珍しく慰めるように言ってきた。


「まぁ、イベントに強制力があると言っても一字一句言動が変えられないほどではない。現にオレも、家族に出会わせるような部分は些末だからか回避できたしな。だから、舞台に沿いながらも自分に都合がいい結果になるよう立ち回ることは可能だ」


「どこまで回避出来るんだろう…」


「ヒロインが狙うものにもよるが…すでにエンディングは迎えているからな。ヒロインの希望次第でエンディングスチルは実現させられるかもしれないが、台詞はなかったから言動でなんとでもなる。個人的に狙われたら、まぁ頑張れ」

「頑張れって!俺は会長みたいに女慣れしてないんだよ…」


俺は前世では全くモテなかったし、今世ではテニス三昧で、しかも早いうちからファンクラブが出来て女性陣をまとめていてくれたから、直接相手をすることはほとんどなかった。たまにテニス教室みたいなことをするとかで関わることはあったけど、ルールがしっかりしていて本当に単なるファンって感じの人たちばかりだった。


他の攻略者みたいにプレゼントを持って待ち伏せされたり、告白されたりしたことはないのだ。


なのにそんな怖い女に狙われたら、どう頑張ればいいんだろう…


「誰にでも初めてはある。ファンクラブが解散したから、今後は無秩序に狙われることが多くなるぞ。ヒロインで慣れておけ。裏があるとわかっている分、対処もしやすいはずだ」


「対処しきれなくてうっかり結婚とかなりそうで怖いんだけど!」


「そのときは祝福してやるよ。生徒会一同そろってな」



結局、魔王様の助けは得られなかった。


ふらふらになりながら生徒会室を辞して帰宅する。


悩みが増えてしまった。


せめて会長が言ってたみたいに、メールと着信は拒否にしておこうかな。

うっかり操作ミスしたってことで。


他のやつらに気が向いてたら、きっと返信がないことにも気がつかないはずだ。会長達の方が絶対魅力的だし、続編なんて知識がないならそっちを選ぶはずだ。気がつかない、よな?


そんで、テニス大会の予定を伝えなければ応援にもこれないはずだ。


優勝は、そもそも出来るかわからないし。というか全力を出しても難しいんじゃないのか?俺はそこそこ強いし部内では負けなしだけど、他にも強いやつなんかゴロゴロいる。全員に勝てるとは思えない。


そう考えると少し気が楽になってきた。


とりあえず、ヒロインは気にしないことにして俺は全力でテニスをしていよう。


これは逃げるわけじゃないぞ。

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