たすけてかいちょうさま
「そんな裏がわかっていて、よくヒロインの相手ができたな…」
実にフラットに過ごしていた生徒会の様子を思い返すが、みんなヒロインに親しげに接していたと思う。
俺ならドン引きだ。
副会長のざっくりとした腹黒と違って、粘りつくような女の醜さを感じる。
その相手に、笑顔を向け、恋のやり取りをする?うわぁ…
つくづく、エンディングを迎えてから記憶が蘇ってよかったと思う。
一人だけ知らされなかったことは、副会長の正しい判断だった。今度あったらしっかり礼を言っておこう。
「副会長からも聞いたはずだ。利益があるなら拒む理由はない。大体連れ歩く程度の女に内面なんてものはどうでもいいんだ。見目がよく、騒ぎを起こさなければな。だから丁度よかった」
「でもそのために、甘い台詞を吐きながら好きでもない女に迫るとか」
「本気でないからこそ、いくらでも演技出来るものなんだ」
ふふん。とふんぞり返る姿は魔王のようだ。
あぁ。やっぱりこの人も普通の女子高生の手にはおえないよ。まぁ、じゃなきゃ会長だの大企業の後継者候補だのにならないよな、普通。
「で、会長はこの後、ヒロインをどうするつもりなんだ?」
怪談はもう充分だ。話題を変える意味でも、参考にする意味でもこれは聞いておきたい。
「とりあえずはこのままだな。妻にするには思慮が足りないし、信頼がおけない。だから家に関わらせる気はないが、今の関係なら続けてもいい。どうでもいい夜会に連れていくくらい簡単だしな」
「でも、もし本命として選ばれたら?結婚すれば後継者になれるんだろ?」
「このオレが、自分の力では後継者になれないとでも?」
ひぃ。薄笑いから冷気が出てる気がする。
「それに、もし一人に絞るならお前を狙ってくるはずだぞ」
嫌な笑いを浮かべながら、魔王様…違った、会長様が俺を指差す。
て。
「俺!?」
「あぁ。これは副会長にも言ってないが。テニスの試合で優勝した選手が、カメラの前でヒロインに抱きつく。それを見ていたプロデューサーの一人が、ヒロインを気に入ってアイドルにならないかと誘う。それが始まりとなるゲームが同じ会社から出ていてな。実質、続編のようなものだろう。もしヒロインが気付いていたら、そのイベントは何がなんでも狙ってくるはずだ」
特大のホラーが来たぁ!!




