ヒロインこわい
「てことでどうすれば穏便にヒロインと距離をとれるか、相談しに来た」
会長は全てを知ってるんだから何も隠すことはない。そう思って部活後に生徒会室で会長を捕まえて相談を持ちかけたら…爆笑された。
「すごいな!前世の記憶が蘇っても全く性格変わってないとは!そんなくだらないことで悩むとは、さすがヘタレワンコ!」
「じゃあ会長ならどうやって距離をとるんだよ」
「そんなもん、鬱陶しくなったら着信拒否、存在無視、理由を聞かれたら『飽きた』とでも言っておけばいい」
そういうところが俺様なんだよ!金と権力とコネをしっかり持ってるやつはこれだから…
「さすがにそれは相手に悪いだろ。告白までした手前、いくらいろいろ演技だったからって、手のひらをかえすようなことをするのも…」
「甘いな。ヒロインの本性を調べていないのか?」
会長が腕組みして言ってくる。
「本性?」
「あぁ。入学前からヒロインの行動や言動は逐一見張らせてあるんだがな」
「ちょ、それって犯罪?ストーカー!?」
「危険人物の監視だ」
何事もなくさらっと流して会長は続ける。
「幼い頃から大体のことはある程度努力するだけですぐに身に付く能力を持っていた。料理とスタイル維持は特に力をいれたようだな。中学のときには練習のつもりか、年上の男に声をかけては両手の数を越える男達に貢がせていたぞ。それも同じアクセサリーを指定して」
「同じアクセサリー?」
「一つだけ残して売り払っていた。一つつけていれば誰に会ってもそいつからもらったものだと思われるからな」
「まじで!?」
怖い。ヒロイン超怖い。
「他にもあるぞ。疑問に思わなかったか?ヒロインが学校であまりにも自由に動いている理由に」
「いや、授業があるはずの日にも試合の応援や見舞いに来てくれてたなと思ったけど、単に休んだ訳じゃなかったのか?」
「医者に病弱で定期的に診察を受ける必要があると虚偽の診断書を書かせ、学校へ提出してあるそうだ。試験で一定の成績をとれば休みたい日は休めるように特例を認めさせている」
「そんなことできるのか!?」
「私学だから融通が聞く。もちろんコネも必要だが。問題なのはそれがほぼ全て、色仕掛けで行われていることだな。発覚しないのは世界の補整効果だろうが」
他にもヒロインの発言「嫉妬されるのって最高だわぁ」とか俺らの写真を並べて「ど・れ・に・し・よ・う・か・な」と笑っていたとか、怪談にしか聞こえないような話をいくつも聞かされた。
女性恐怖症になりそうだ…




