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狂った聖少年は力を抑制する

村を出るに当たって金はすでに持ち出しており、あとは村を出るだけだが、それだけでは僕の気持が治まらないのでついでに村を人間ごと消し飛ばしておこうと思い、妹を連れて村全体が見渡せる丘に登る。

途中で妹が足を挫いてしまったので、お姫様抱っこをしてあげる。そのとき、妹が恥ずかしそうに顔を赤くしていたのが、普段の無表情っぷりと重なってとても可愛かった。


丘の上に着くと妹をおろして話しかける、


「今からちょっとこの村を消すけどいいかな?」


「え?・・・うん、べつにいい」


「そう」


十年間暮らしてきた村だが愛着は無かったらしい、虐待されていたので当然と言えば当然だが。

さて、妹の確認も取れたので、さっさとやろう。


「≪炎よ、我が怒りの炎よ、今此処に集い、我が怒りの薪を燃やし尽くせ。『怒りの豪炎《アンガー・フレイム》』≫」


呪文を唱え終わると、僕の周りに拳サイズの真紅の火の玉が五つ浮かび上がる、真紅の火の玉は火の輪を作りながら進み、村の中心に辿り着いた瞬間、轟と燃え上がり村の端から端までを炎で覆いつくした。


「すごい」


妹から感嘆の声が漏れる、実際、僕自身もここまでの威力があるとは思って無かった。【怒りの豪炎《アンガー・フレイム》】は炎属性の特級魔法だ、特級でこの威力となると超級や神級はどれほどの・・・ちゃんと確認しといて良かった。ちなみに、無詠唱で魔法を使える僕が何故詠唱したかと言うと、慣れるためである。上級以上の魔法を無詠唱で使える者は現在皆無なため、知られると厄介事に巻き込まれる可能性が高い、なので、今後中級位以上の魔法はなるべく詠唱するようにする。


「さあ、行こうか」


「うん」


僕は妹の手を握って、町に向かって歩き出す。



**********************************:


イリアside


兄さんの魔法はすごい。

兄さんが魔法を使うと、村のあった場所は一瞬で綺麗な赤い炎に包まれた。

私を苦しめてきた場所が無くなっていくのには、少しだけいい気分になった。

私も兄さんみたいな魔法が使えたら、少しは役に立てるかな?



****************************


僕達は森の中で野宿をしている、野宿と言っても、僕が魔法で作り出した簡素な土の家でだ。辺りは真っ暗で、いつ、獣が襲ってくるかも分からないような処に妹を置いておく訳にはいかないので、速攻で作り上げた。

その妹だが、僕の隣ですうすうと寝息をたてて眠っている。もちろん、魔法で柔らかくした土の上で。

村を消したあと、町に向かって森を移動していると妹が突然「私に魔法を教えて」と言いだした。どうしてか聞いてみたところ「少しでも兄さんの役に立ちたい」とのこと、もう可愛すぎて、気がつくと二つ返事で承知していた。

練習を始めて思ったが、この子、覚えがいい上に魔力量がすごい、魔力量は生まれてから変わることなく、魔術師は技術で魔法に使う魔力量を操作して魔法を使う、その為、腕のいい魔術師でも大概上級を五、六発で魔力切れを起こすが、妹は特級を三発は撃てる、そのため覚えの良さも相まって、今日だけで初級と中級を七つずずと、上級を三つも覚えてしまった。これは並の魔法使いが聞くと卒倒するレベルである。そのため、魔力切れを起こして妹は眠ってしまったが。ちなみに、妹は氷と闇の二属性だ。

でだ、そこで僕は思った、僕、別に魔法使わなくてもよくない?と、考えてみれば、僕の武力は人間を超越してるし、妹が魔法を使えるのであれば、僕が魔法を使うのは本当に危ない時だけにして、普段は体を張って戦えばいい。思い立ったら行動、早速僕の分の武器を作る、どうせなら凄く強くて洒落た武器がいい、今から使うのは僕のオリジナルの魔法、分類では【固有魔法】に入るが、僕の場合イメージが大切だ、そのことを頭にいれて呪文を構成する。先ずはミスリルから、


「≪我求るは、高貴にして至高なる銀、純粋なる白銀の輝きは邪悪なる魔を退け、鋼をも両断する真なる銀。『武器創造《クリエイト》ミスリルブレード』≫うわっ!?」


瞬間、右手の手元が光ったかと思うと、そこには銀色に輝く刀が握られていた、成功したみたいだ、


「はあ、びっくりした、でもまあ上手くいったし、この調子でどんどん作っていこう~♪≪我求るは、永遠の輝き、聖なる光を凝縮した其の輝きは、永久に色あせる事無く世を照らし続ける。『武器創造《クリエイト》オリハルコンブレード』≫」



*************************************


もうすぐ夜が明ける、僕は目の前に並べられた数々の武器や防具を眺め、満足感に浸る。ただ、銃は作っていない、はっきり言って銃なんて弾を避ければいいし、僕が前世で殺り合った奴の中には、全方向からマシンガンで撃たれて、全ての弾を三節昆で捌いた猛者もいた。

そんなわけで、作った装備を合成して、さらに魔力付与を加えた結果こうなった。


武器

名称:【天】 タイプ:【刀】 性能:【炎属性付加】【雷属性付加】【光属性付加】【劣化無効】【破損無効】【体力吸収】 武器スキル:【火炎地獄】【雷鳴狂狂】【閃光断罪】 天・地・人使用時限定スキル:【刀幻郷】 


名称:【地】 タイプ:【刀】 性能:【氷属性付加】【岩属性付加】【闇属性付加】【劣化無効】【破損無効】【魔力吸収】 武器スキル:【絶対零度】【岩硬石化】【常闇世界】 天・地・人使用時限定スキル:【刀幻郷】 


名称:【人】 タイプ:【小刀】 性能:【無属性付加】【時間属性付加】【空間属性付加】【劣化無効】【破損無効】【防御無効】 武器スキル:【多重時差】【空間超越】 天・地・人使用時限定スキル:【刀幻郷】


名称:【朱雀】 タイプ:【双剣】 性能:【火属性付加】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【連火】 


名称:【鳳凰】 タイプ:【双剣】 性能:【炎属性付加】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【連炎】


名称:【玄武】 タイプ:【大太刀】 性能:【水属性付加】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【斬水】


名称:【応竜】 タイプ:【大太刀】 性能:【氷属性付加】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【斬氷】


名称:【白虎】 タイプ:【弓】 性能:【風属性付加】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【風矢】


名称:【麒麟】 タイプ:【弓】 性能:【雷属性付加】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【雷矢】


名称:【青龍】 タイプ:【扇】 性能:【土属性付加】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【土型】


名称:【霊亀】 タイプ:【扇】 性能:【岩属性付加】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【岩型」


名称:【陽日】 タイプ:【守り刀】 性能:【光属性付与】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【日光】 


名称:【陰月】 タイプ:【守り刀】 性能:【闇属性付加】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【月闇】


防具

名称:【封魔の仮面】 タイプ:仮面 性能:【魔法使用不可】【自動修復】


名称:【呪い烏】 タイプ:ローブ 性能:【基本能力低下・大】【自動修復】


名称:【呪い蟷螂】 タイプ:指貫グローブ 性能:【装備効果無効】【装備スキル使用不可】【自動修復】


名称:【呪い蟋蟀】 タイプ:ブーツ 性能:【状態異常耐性低下・大】【自動修復】


これが僕の装備、人前に立つ時は常にフードを被り、見た目はは上から下まで黒一色、唯一白色の仮面も三日月に開いた目と口が、より一層不気味さを際立たせる。武器を装備する場合、【呪い烏】の背中に【玄武】【応竜】を背負い、【朱雀】【鳳凰】を後ろ腰に左右一本ずつ、【白虎】【麒麟】を右前腰に、【青龍】【霊亀】を左前腰にそれぞれ装備して、【陽日】【陰月】を袖の中に入れる、【天】【地】【人】は、マントの内側の右腰に【地】、左腰に【天】、【人】は鞘に紐をつけて首からかける。【呪い烏】は外側に、密着している無機物を引きつける魔法を掛けていて、武器を固定しなくてもいいため傍から見ると武器が勝手にくっついているように見える。

武器は、性能もさることながら、外見も一級の美術品に劣らないが、その優美さが不気味な服と、低い身長とのちぐはぐさに追い打ちを掛けている。

防具の性能はマイナス効果ばかりだが、力を制限するリミッター代りになってもらうことで、「うっかり町を消し飛ばしちゃいました」の様な事態を防ぐ、今の僕の力は普段の20%に満たない、魔法が使えないことも含めれば。1/1000以下だ。まあ、それでも本気で蹴り飛ばせば木をへし折れるし、武器を使えば下級の地竜種位とならやり合えるので問題はない。

武器は、リミッターを付けているときはどれを使っても変わらないのだが、地竜より強い奴と戦う時は【呪い蟷螂】を外して、比較的弱い敵には【朱雀】【白虎】【玄武】【青龍】、比較的強い敵には【鳳凰】【応竜】【麒麟】【霊亀】と、相手の強さに応じて使う武器を変えて戦う、【天】【地】【人】は、【呪い蟷螂】以外も外さないと、先の八つじゃ勝てない時に使う切り札のようなものだ。もっとも、仮面外して魔法使えば早い話ではあるが。

ちなみに、僕は髪を切った、いや、正確に言うと、できたばかりの武器を試し切りしようと思って、外に出て振ってみたら勢いがありすぎて鎌鼬が発生し、前髪を切られた。

魔法を封じる装備を仮面にしたのも顔を隠すためだ、なぜ顔を隠すのかという話はまた次の機会に。

さて、そろそろ妹を起こさなければ、実は妹の分の装備も作っているのだ。


「きっとすごく似合うんだろうな♪」


高ぶる気持ちを抑えながら、僕は妹を起こす。



***********************************


僕の作った装備を、妹は喜んで着てくれた。僕が妹に作ってあげた装備は、


武器

名称:【氷吹雪】 タイプ:【扇】 性能:【氷属性付加】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【氷雨】


名称:【闇陽炎】 タイプ:【和傘】 性能:【闇属性付加】【劣化無効】【破損無効】 武器スキル:【影楼】


防具

名称:【花鳥風月】 タイプ:【着物】 性能:【全属性耐性】【物理完全耐性】


名称:【明鏡止水】 タイプ:【高下駄】 性能:【状態異常完全耐性】


最初に着物の着付けを教えて、【花鳥風月】を着てもらう、本来着物はその下に何もつけないのが正しい着方なため、妹は着物の下には何もつけていない。【明鏡止水】を履いて、【氷吹雪】を帯に差し、【闇影楼】を差して装備完了だ。

その外見は、僕の真逆という言葉が相応しく、普通、十歳前後の子が着れば、逆に着られてしまう様な格好にも拘らず、妹は着物と高下駄、蛇の目傘という格好が凄まじく似合っていた。背中あたりまである紫の髪が、風に吹かれてサラサラと揺れる姿は一層魅力的だ。


「すごく似合ってる、綺麗だよ」


思ったことをそのまま言った僕の言葉には、「そう」と、そっけない返事が返ってきたが、よく見ると耳の辺りが少し赤くなっている、照れているのだろう。


「兄さんこれどうしたの?」


「創ったんだよ、魔法でね」


「私にもできる様になる?」


「いいや、残念だけど、これは僕のスキルが関係してるからね、こんな事が出来るのは世界で僕だけ」


「兄さんだけ?」


「そう、だから落ち込まなくてもいい、君は十分優秀だよ」


それから僕は、二人の装備の説明をして、自分はあまり魔法を使わない事、普段は肉体能力を大幅に減らしている事、その理由を伝えた。

妹は装備の効果がよく分かってないので、あまり反応は良くないが、凄い物と言う認識におさっまた。


「だから、普段は君が僕を守ってね」


「私が兄さんを守る?」


「そう、お願いだよ?頼りにしてるからね?」


「・・・分かった、私が兄さんを守る」


妹は若干嬉しそうに答えた。


「そう、ありがとう」


僕は軽くお礼を言って妹を抱き寄せる。

実はこれが力を制限するもう一つの目的、妹に、自分が頼りにされている、必要にされていると思わせることで、見捨てられるんじゃないかという不安を払いのけさせる。


「じゃあ、行こうか」


妹を離して、僕達はまた街を目指して歩き出す。



***********************************


イリアside


兄さんが私に服を作ってくれた、すごく綺麗な服。

それだけじゃ無い、靴も『たかげた』なんて言うものを作ってもらったし、武器も『おうぎ』と『じゃのめがさ』なんて物も作ってくれた、呪文を唱えなくても魔法が使える凄い武器だ。

兄さんは強いけど、普段は弱い兄さんに成るらしい。だから私が兄さんを守らなきゃいけない。

もっと魔法を覚えて、兄さんの敵を全部倒せるようになって、もっと兄さんに頼られたい、必要とされたい、だからもっと沢山の魔法を覚えたい。

そうすれば、きっと兄さんは喜んでくれるから。


更新は五日ほど開くと思われます

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