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はじまる奴からの解放戦線


「奏のけちー」


「ケチじゃない」


あれから少しもしないうちに美幸が帰ってきたので助かった。

今は美幸が沸かしたばかりの風呂に入ってるのでふてくされてる。


イケメンの膨れっ面は全然可愛くない。思い出をつくりたいなら彼女作ってそっちで頼め。


とりあえずでも、今まで男として普通っぽく育ってきたオレにはホントに女の子の真似事は無理。


でなきゃ、朝は可愛いブラつけて早朝から布団をリフトアップする生活してるってーの。


ブラつけた男子高校生のお目覚めシーンはお望みか?


いくら気心しれた相手だとしても見られたら生きてけない。描写的にも今時の深夜番組のほうがまだ節度があると思う。

「昔から、女の子としては生きたくないとは言ってるんだから諦めろ」


「それを奏とやるから楽しいとおもうんだよぉ」


だらしないから、テーブルに頬つけてしゃべるな。


「キャッキャウフフしたいなら来週半ばに自宅に女の子誘えよ」


台風来てるからうまく行けば停電カミナリ様の天丼までいけんじゃね?


「じゃあ。久しぶりに来週泊ってけよ」


「黙れ外道。なにいきなり俺様かましてんだお前。オレじゃあるまいしキャラクター迷走してんじゃねえ」


そもそも、中学生あたりからお前がウチに入り浸ってるから、お前の部屋に入った覚えねぇ。

「え゛?」


「ん?」


なんか驚いてるがどうした。


「もしかして忘れてる?」


「なにが」


「いや、だってほら。来週の帰りはイチルもウチに来るだろ」


「…あ゛」


オレのお泊まり拒否ったあれの話かよ。この話の流れで言われたら普通思いつかない。


普通に忘れてたけど…。


「…まぁ、その場合イチルは家に泊めないけどね」


「イチル君が泊まりで遊びに来る前提を覆してどうする」


別にあれよ。海人にオレ以外に仲良い奴が出来てくれるだけでもいいんだからな?


そう、彼女じゃなくてもいい。

「…でも、コッチに来て何するんだ? 」


基本的にこのあたりは、何にも遊ぶ所ないんだぞ?


「ゲームとか?」


すごく寂しい答えが帰ってきた。港町で美味しいものないか聞いたらカツ丼と答えられた気分。


「…それはどうなんだろ」


「あとは、イチルが幸村さんに譲って貰ったDVD持ってくるって」


「え、マジで?」


幸村さんて言えば、エロDVDだよな?


「補導されたくないからエロはないよ」


根性なしめ。


「俺達も同罪になるからやめてもらった」


まじか。確かに捕まりたくはないが、同罪になるのか?


「変なの持たせたら、タオルでま手錠隠したイチルと刑事がガサしにくるんじゃないかと思うし」


それは流石に警察の手際良すぎないかな。


「…仕方ないから、ウチからVR運ぶか」


「美幸ちゃん怒らない?」


「やりこんでるのは、三崎ちゃん達だから大丈夫」


美幸はあんまりインしてないみたいだからね…。


しかも、ソフトで中身変えるタイプじゃなくてあのVRしか出来ないんだよ。


美幸はアクション不得意分野だから、三崎ちゃん達居なかったらお蔵入りしてる勢いだ。


「まぁ、普通にゲームするよりいいか」


「初心者向けエリアなら安心だからねぇ」


まぁ、パンデミックイベント以降は初期みたいに端末設置しなくても浅いダンジョンは発生するようになったみたいだしな。

システムは未だによくわからないが、隕石の回収だけは継続してる。


巨大ダンジョンは、各小部屋にある大昔に落ちた巨大隕石の破片を回収してるらしいしな。


小部屋は隕石から発生したモンスターが作るらしいから、知らない間に部屋が増えていくりしい。


隕石の数も決まってないから、とことん無限ループしてるらしい。


三崎ちゃんらは縄張りと決めた近くの駆除に忙しくしているが、普通はアイテムを集めて大きな欠けらを求めながら移動し、その過程で仲間と出会い深交を深めていくらしい。


やりこみ要素はあるが、コレといった目的はない系だね。


まあ、ダンジョンの地下都市には上級者向けに団体戦が出来るコロシアムも存在するみたいなんだけど概要は不明。


まず。そこにたどり着ける気がしないから気にしてないだけだけどな。


「やっぱり他のゲームでいいや」


廃人の三崎ちゃんちが壊れてたらやだし、海人の家にはマリカあるからあれで遊べばいいや。

コントローラーもアレだから普通のゲームで遊べばいいや。


「奏がいいならそれでいいよ」


「りょ」


ゲームは海人のに決定。


あのVRは初心者だと町案内の役にたつくらいしかなんないからいいよな?


「それじゃ、お風呂入って来てよ」


-まだ諦めてなかったんかい

青春は粘りと根性

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