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夏をなめるな

コンビニで、ソーダとフランクを買い公園に来た。


「風向きこっち側だね…」


ダイレクトスモーキー。花火の煙で思いっきり霞んで見えやがる。


「それじゃ帰ろっか?」


「せっかくきたし!見えなくはないからっ!?」


何の慰めにもならない事を言ってるが、ベンチでカップルがいちゃついてる最中に来ちゃたんで、早めに帰ってあげたほうがいいような気がする。


てか、服の乱れとかあったみたいだし、やる気になってたとこスイマセン。


「リア充なんかに気を使う必要はない」


それはどうなんだろう。


リア充爆発しろとはよく言うが、邪魔をするのは…。


『やん…ちょっと人がいるんだから』

『バカだな。人目が気になるなら、ちょっとあっちでデトックスさに行こうか』


『ばかぁW』


トイレの裏手に消えていくバカップル。


おい何ゆえに行動が加熱した?

「「………」」


海人も微妙な顔をしている。


「見られると燃えるとはきくけど…どう思う」


「オレに聞きますかね?」


いや、それでも流石に冗談っしょ?


『…ハァあっ』


『おほぉぉっ』


-致しやちゃいました?


「帰るぞ奏ぇぇっ!?」


「合点承知ぃぃっ!!」


食べる間もなく、荷物とオレの手を取り走り出す海人。


大変な変態かも知れないが、“変態が出たー”と叫びながら走るのはやりすぎだと思うぞ。あの人らが、淫行罪で捕まったらどうすんのよ。


そもそも、併走するオレが恥ずかしい。


すっげー楽しそうなだし。この状況を楽しんでいるとか…。



はい。息切れ息切れ!


「ここまで来れば大丈夫だ」


「…そうか…よ」


膝つきたい、座り込みたい。

お前が叫んでなけりゃこんなに走る必要なかったんだよ?

普通にしてたら絶対に追っかけて来ないだろう人が追いかけてくるかもしれない状況を作るなよ。


なんでやった?


「でもたまに大声だして走るとドキドキしない?」


「偶にヤることにしては悪質すぎるわ」


友人として賛同できないよ。


そして、掴んだままの手をはなせ。

呼吸と整えたくなるくらい走らされるとは思わなかった。

腕振れないから走りにくかったったらありゃしない。


ただ引かれるままに走ったオレは頑張った。ちょー頑張った。

もう帰りたい。


川沿いに結構走ったけどどの辺りまできた。見慣れた住宅地と目印になりそうなのはホテルの派手なネオン…。


ラブホとか言う建物だ。


「オレは引き返すよっ!!」


「気付かれたっ!?雨さえ降ればぁっ!!」


おもくそ街に一件しかないラブホ目指してたのか!! てか、雲一つないのに雨なんか降るわけないだろうに何を考えてた。


「…仕方ない歩いて帰ろう」


「よくわからんが、最近お前がちょっと怖くなってきたよ」


「…思いつきって大事だと思うけどね」


それが発明家なら確かだけど、その場の勢いに任せても後悔しかしないパターンって多いぞ。

「まぁ、そもそも財布の中身が小銭しかないから入れる訳がないんだけどね?」


「…それもどうかと思う。なんであんな所目指して走らされたよ」


「イケるんじゃないかと思った」


「ナイと思います」


それだけはナイ。てか、何ゆえにそんな思考に汚され始めたんだ。


雨宿りにラブホって、エロゲかちょっとエッチな恋愛漫画くらいしかそんなシチュエーション出てこないぞ?


「帰ったら久しぶりにVRでもやるか~」


「何しらじらしい」


とりあえず、“何か”したから気は済んだんですね?



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