週末は花火大会
夏休みに入れば、毎週どこかで花火が上がっているもんだ。山のでほとんどが見えないだけで花火が上がる音は聞こえる。
そうした音に気を取られつつ、スイカを半円形に切りわける。
「はい味見味見」
「なんで俺が持った奴で味見しようとするのかな…」
「てへぺろっ?」
海人の分から甘い所をちょいとだけかすめ取って味見するの毎年恒例。
毎年、海人の一個目はど真ん中に小さくない歯形が残してゆきます。
因みに、去年は居合わせた女子三人も参加したため貪っり尽くされた皮が海人のその年最初のスイカとなってたね。
今年は二人だから流石にやんないけどな毎年泣きそうな顔してたわ。
「んん、コレ甘いね」
「本当、美味いな」
二人で、カシュカシュと歯形をつけながら貪る。
「今の音でかかったから三尺玉かな」
「よく響くな~」
おう、三人娘は花火大会見に言ったよ。春香ちゃんのお父さんが車出してくれて乗り合いで会場近くで見てくるらしいよ。
四分の一カットの398スイカを分け合いながら夕涼みしてんだが、ご飯作らなくていいかもな。
窓を開けると蚊がはいるから、網戸閉めてあるけど、花火の音が良く響く。
隣の市の花火大会だけど、風向きがいいのかな。
ベランダから見えないのが勿体ない。
「スイカ食べたらちょっと公園まで見に行かないか?」
公園なで立ちん坊して見てる人いるからな。ちょっとくらいならいいかもしれないが…。
「悪くはないけど、アタリなんだから味わってたべようぜ?」
いや、こっそり買ってきた割に大当たりでシャクシャクと甘いんだよ。
「…このタイミングで美味いの引くのって運だよな」
「ふっふっふ。これも日頃の行いって奴だよ」
トウモロコシも茹でてるから慌てる事はない。
煮すぎるとお湯に味が移って甘くなくなちゃうから早めに上げて来よう。
「茹でてるトウモロコシもってこうか」
「いいな。焼き鳥もとかも買って浴衣に着替えてこう」
コンビニの焼き鳥か。デカいけど雰囲気づくりにはいいな。
でも、浴衣はありえねぇお?
「公園に浴衣はないって、焼きそばでも作ってやろうか?」
出店の一歩ちゃんをちらつかせて笑っていると、刹那で奴がヤサグれた。
「……ちっ。うちはシャツにジャージのインスタント女子はお呼びじゃないんだよ」
ストローをタバコみたいににふかし。舌打ちのうえに悪態!
「…お前はオレに何を求めてる」
「そりゃあもちろん。おれの可愛いおよめさん」
セリフは棒読みなのにオレのアゴに手を添えキメ顔。
オレの体にかつてない震えが走った。
「………………………………………………………………………………………そっか。エアコンまだ入ってたのかな」
鳥肌をさすりなが後ずさる。
「おーい、ドン引きやめてよ冗談なんだから」
「いや、なんか棒読みがヤバかった」
「瞳孔が開いてもどらない!?」
寒いわ。暑いのに寒いわ。
こんなに、悪寒が走ったの初めてだ。
「せめて、棒読みじゃなかったら良かったのにね?」
「アドバイスかなんかわからない事言うのやめて」
いや、ホントに勿体ないと思うよ?せっかくイケメンぽくキメてみたのがオレなのが特に。
「いや。でも、普段からイケメンらしくしてれば決まるんじゃないか?」
「ガラじゃないんだって、気取った所で相手にされないんだから意味ないんだよ」
そのリアクションも、女の子ならほっとかないんだろうねぇ。オレには、ダメージ与えただけだが、チョロイン集めるにはいいんじゃねえか?
ただ、オレの前提が男だから、少なからず奴にもダメージ入ってるみたいだから悶えてるなぁ。
言って後悔するくらいならいわなきゃいいのにな。
第三球投げた!ライト線大きく打ち上げたっ!風に押し負けファールになりました。
強風で有名な野球場ではよくありました。




