傍らにいつも
「ただいまぁ」
「お邪魔します」
「「お帰りなさい」」
「んふふひ」
リビングついたら二秒でダウン。
結局、騒ぎすぎだと周りから白い目で見られるし、混雑は酷くなるわでとんでもないめにあった。
…そして、普通に家の中までについてきた海人。
リビングには相変わらずオブジェのような女帝とアマゾネス。
そして、ポテチを貪る美幸。
夏休み初日からお泊まりセット持参してきたが、延々とゲームしてたんだろう。
ちょっと顔がテカリ気味な気がするが、ゲームを最中の二人に言う事でもあるまい。
「美幸、ご飯どうしてた」
「コンビニと…」
指で示した先には、ゴミ箱から溢れそうなポテチの袋。
つまりコンビニオンリーだった訳だ?
「ううん。ポテチは薬局行って三人で大人買いしてきた」
台所の一角には、ポテチが入ってるとおぼしき未開封のダンボールが一つと既に畳んだ空箱一個。
流石にこれはマズいんじゃないか?
「あんまポテチばっか食べてると吹き出物できちゃうぞ?」
「………」
ガサガサとポテチの口を縛る美幸と、常になく脂っこいような二人が固まっている。
「今日は、サラダと豆腐でいいな」
昨日まで食堂のラーメンや定食だったから、オレとしてはアッサリしたので済ませたいな。
「せめて魚とかない」
「どうだろ。アジなら冷凍庫にあったハズだけど」
そして当たり前のように口を挟んでくる海人。
一年間の夕飯のほとんどを、ウチで済ましてるから今更なけど、一緒に買い物行くときに、無言で自分の食べたい物押し込むのやめてほしい。
その分の材料費だしてくれてるが、知らない間に追加されてて財布の中身が足りなくて焦ったりする事たまにあるんだからな。
「じゃあ、あったらお願い」
「りょうかい」
お昼は焼きそばで済ませてたからオレも焼魚食べたいな。
「んー、人数分あるから焼くね」
「ありがとう」
「「「………」」」
ただの焼き魚なのに凄い嬉しそうだな。反対に美幸達はあまり魚好きじゃないのか無言のまま。
いや、お腹を気にしてるから、食べたら太るかどうか悩んでるのか?
仕方ない。悪のポテチは我々正義のヒーローが必ず退治してやろう。
「海人も食べる?」
「…どうせなら一個もらっちゃおうかな」
「おう、食べろ食べろ」
二人でポテチを開いて食べ始めてみたんだが、誰も文句言わないでやんの。
せめて何か反応欲しい。
まぁ。しかし。なんだ。
こう言っちゃなんだが…。
―オレの自由はドコにある?
海人と学校行って帰ってきて。海人とご飯食べて、日曜日は大概いて出掛ける時も海人がいる。
アルバイトさきもVRゲームの中も隣に海人。
寝る時と風呂…いや、風呂入る時間も大体いる。
もしかしなくても、寝る時以外に隣に海人が居ない時間ってないぞ?
自由って何?当たり前過ぎて気がつかなかったが、男でも女でも隣に海人がいる。
「明日はちょっとゆっくりしたいかな…」
「…わかった」
バツが悪そうな感じで海人が応えたが、別に今日の事責めてる訳じゃないからな。
基本的に、三人娘が居るとそれだけで騒がしいから、海人一人こなくなった所で、部屋でゆっくり出来る訳もない。
「そうだね。明日は奏の部屋で夏休みの宿題でもやるか」
―違うそうじゃない。
そう、何も伝わらない




