もっと夏らしく
話をしてる間にお泊まりまで決定。
―海人の家にね。
ウチは、若い娘のがいるし却下。
しかも、オレは帰宅させると…。
オレも混ぜろよー。
「男二人で女一人が通用するとでも?」
「カナちゃんは、やめた方がいいよ」
なんだ?秘蔵のDVDでもミルキーか?あっまぁぁぁいっ!
「おまわりさんコイツです」
「ボクは無実だっ!?」
「いいわけは署で聞こう」
「お前らホント仲良いなっ!?」
騒ぎながら市留は海人に連れ去られた。
え、オレ留守番?
客は居ないけど結果的に仲間外れにするとか、存外にやるな二人とも。
「ねぇキミいま一人?」
「は?まぁ一人ですが?」
どこから来たのか短い金髪に日焼けした細マッチョな大学生が来ていた。
三人か、ボランティアの監視員とは様子が違うし、通りすがりのチャラ男だな?元祖チャラ男だ。イケメン顔でもないし普通だがチャラ男が二人だ。
「ご注文は?」
「そうだなー。お持ち帰りとかできる?」
「出来ますよ」
「んじゃ、焼きそば三つ。キミの愛もお持ち帰りで」
基本的にプラパックに割り箸だから出来るのだが、後ろの奴は終始ニヤニヤ笑いしてるしからかわれてるな?
よし。上着を脱いで、滴る汗で味付けしてやろうか。
「「「…ぇ」」」
「男かよ。てか子供じゃねぇか」
「いや、それはそれで」
「ねぇよバカ」
鉄板に顎と肘から飛び散る汗。なにやら掴み合いを始めるチャラ男達。
最後は、ウル〇クマンよろしく“アチャーアチャー”叫びながら手掴みでパックに詰める。
―フルコンプリート。
「手掴みの愛を込めた焼きそば三人前どうぞっァチッチ」
料理は勢いと火力だぜ。
油跳ねは、呻きを上げながら耐えるのさ。
「あ、はい」
「…体張りすぎだろ」
「やり過ぎじゃね?」
目を丸くし、背中を丸めながら去る三人。なぜだか背中が煤けて見えるぜ。
知らない人ならなんでも出来る!いくどー!
「また の お 越し をっ!」
コマ〇チから、腰に手を当て心持ちサイドバイセップスな牛乳のみポーズで手を振りながら三人をお見送り。
「「濃いよ…」」
「…中学生かな(/////ぽっ)…」
自爆覚悟のギャグ受けず。
食べる前から味を判断するか、薄味がよかったなら言ってほしかった。
遠くにボランティアの大学生女子に話しかけられるあの二人が見えた。
勘違いすんな。女子大生・女子高生は、女子大女子高の生徒限定だ。
最近、女子の大学生高校生を勘違いするやついるからな。
さて、二人が戻ってきた。今日のバイトも何事もなく終わりそうだ。
「モテないオレは、ホームセンターに、藁と五寸釘っておいてあるのかな?と思いながら真面目に次の客を待ってたよ 」
「「怖っ」」
おう、おかえりなせぇ。聞こえるように言ったからな。それを恐れてくれるならオレ幸いよ。
とりあえず、チャラ男達が居る時に戻らなかった時点で役に立たないとわかったからな。
他人の力をアテにするのは止めて一人で困難は切り抜けよう。普通ならナンパに気づいて戻って来るとかあるのにな。
男の時だから何も言わないが、女子の時なら失望してる。
―いや今もだが。
頼りになるかと思ったのが間違いだったんだと理解したよ。
うんうん、最初にそーいうのがわかって良かったぜ。
ノリで乗り切ろう。
「そう言えば、なんでパーカー脱いでるんだ」
「ああ、さっきチャラ男達に連れ去られる勢いでナンパされた」
「はっ?!」
まぁ、客だからナンパとは限らないけどな。
「あそこで俯いてる人々な」
「人々って」
「なんで俺が居ない間に…」
そりゃあ。ナンパなら邪魔が居ない間にするもんだからだ。明らかに店番してる奴をナンパするかはさて置いて、あれは冷やかしついでの冗談みたいなもんだろうしな。
仕方なく、探りに来たと言うべきか…。
この浜、女の子まるでいないからなぁ…。
「ああ、この辺りの女の子は海入らないよ。地区で管理してるプール行くように言われてるからね」
「「なに」」
学校近くにある公営プールなら女の子が?
「因みに、男子更衣室どころか男子トイレすらナイ」
女尊男卑此処に極めり。
本来はあるが、今年は新しい更衣室を作るために男子更衣室を潰してしまったんだと。
因みに、工事は遅れてるのは幽霊騒動があったからとの噂らしい。
―そんなとこ使いたくない行きたくない。
オレなら、道路で着替えるから平気だよ。
常に海パン履いてるから着替えのタオルも更衣室もいらないか。
少年の熱い(試行錯誤の)夏(迷走)が伝わっているだろうか




