TSを知る一人2
注文したのが運ばれてくると、鈴木市留は「また今度」といいながら席に戻っていった。
海人のレイドの一員でもあるらしくて、時間できたら一緒にカラオケでもいこうとかいってたけどな。
「で、海人はどんな奴か知ってる?」
「学校で何回か奏に紹介してほしいいって話しかけられてる。グループ分け違ったけどカラオケも行った。こんな繋がりがあるとは思わなかったから、危ない奴かと思って流してたんだ」
「確かにその言い方じゃそうなるわよね」
はづみ姉さんも同意してくれてるが、同性を仲介して同性を紹介して欲しいと言われたら確かにそうだよな。
「真面目でいいこなんだけど、距離があるから部活も入れないし、友達ができないから一人暮らしするか悩んでるみたいで…」
「そうなんですか?学校じゃ女の子に人気あるし、休み時間も誰かと話しかけられてたからそんな感じはしませんでしたけど」
はずみさんたら、近所の子の気にしちゃって、世話焼きおばちゃんになりそうだな。
「距離云々はともかく、集まりある時はクラスの誰かと一緒にいるみたいだし気にし過ぎじゃないですか?」
進学校でもない普通高校なのに、なんでそんな遠くを選択しちゃったんだろね?
「お父さんが、奏の家から通えそうな学校をピンポイントで予想したらしいんだけど…」
日暮れ前帰宅だから必然的に近場ですけど偏差値でバレバレかよ。でも、流石に他に理由あるんじよないかな。
モテ過ぎて、誰も知り合いのいない学校行きたかったとか、失恋の果てのヤケクソとか。
小説ならありだけど、リアルじゃ近くに通うよな…。
「まぁ、なんにしても、そんな理由だなんて知らないから集まりがある時は、あえて奏に声をかけないようにしたんだよな」
なるほど、大人数で遊んでたりした時に呼ばれなかったのは奴がいたおかげかありがとう。ふた月ももたなかったけど、今年のゴールデンウイーク自宅でのんびり過ごしやすかったです。
「普通は何事かと思うよ」
「手際が悪いし、女の子相手ならなおさらね」
ですか、オレは昔から男のままです。女の子だった記憶ないぞ。
「…内面じゃなくて見た目の話より」
学校で、まわりにイケメン増えると存在が霞んできそうだから、それはそれでOK。
「でも、なんでそんな遠回りな事したんだろ。 直接オレのところに来れば終わる話なんだよな」
「気になる人に話しかけるのが恥ずかしいとか言ってたな」
「………あの子一体なにをしてるの」
はづみ姉さんがさっきからこめかみを抑えてるのは偏頭痛のせいだろう。
盛大な誤解を生む発言してたんだね。もうゲイかなんかかと思うしかないよ。
この三年は、幸村さん家族がウチにきてたから、こっちに来る必要なかった訳だし。そんな前に遊んだ相手に話しかけるのって勇気いるよな。
幼なじみでもなくほぼ他人。
まぁ、分からなくはないけど海人が躊躇ってたのも十分わかるわ。
「やあ、いらっしゃい」
「おじさん、ごちそうさまでした」
「ラーメンおいしかったです。ごちそうさました」
「カナちゃんのコレかい?隅におけないね」
如何にもラーメン屋な出で立ちでおじさんがやってきた丸っこいのは食べ物やさんの宿命か?
海人見ながら小指立てないでください。
「「幼なじみです」」
「キミも幼なじみでいいんだ!?」
「それがいいんです」
「ええ…っ」
はづみさんも驚いてるほど海人も否定。うん、だから海人が良くわからん。
「俺には奏しか友達と呼べる相手がいません」
それオレにも被弾するからやめてくれないかな?
まぁ、手の空いたおじさんと話てる間に居なくなってたくらいだし、彼の事はそこまで気にしなくていいのだと思おう。
アルバイトで来てると話したから用があれば向こうから来るだろしな。
なにわともあれ、男女が二人見知らぬ屋根の一つ下。
「そうゆう訳で監視に来ました」
寝床に、赤い寝間着のはづみさん乱入。
むしろ、この面子だとはづみさんの身が危ない気がしませんか?
「わかったわ。それなら海人くんを廊下にだしましょう」
「え?俺そんな扱いですかっ!?」
「カナちゃんとガールズトークするのに男の子は邪魔よ」
意外に理不尽だった。
てか、ガールズトークなんかしません。
「今から少しでも騒いだら二人とも追い出します」
「「…ちっ」」
何か言い出すより早く布団被って寝る体制とったら二人から舌打ちされた。
ボソボソと二人で何やら夜中まで話し込んでたみたいだった。
まぁ、すぐ寝ちゃったから良くわからないが、あんな出会いだった割に意外に馬が合うみたい。
良かったな海人。念願の女子大生と出会えたじゃないか。
お淑やかとは行かないが、ギャルギャルしくないサバサバした女性が良かったんだよな。
はづみさん正にソレだよ。応援するよ?
とりあえず、明日の為に今日は寝た。




