表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
19/49

下火(足元)

夏休み前。気がつけば、ロン毛が背中に達していた。


ロングヘアーには及ばないが、ロン毛と言うにはちょっと長過ぎるせいか、すれ違う人の視線が上から下に抜けていく。


そろそろ切らなきゃならないんだが、夜を考えると正直短くするのも気が引ける。


整える位はしてもいいかと、昔から通ってる近所の床屋へ…。


夕方にお任せなんて口にしたのがまずかったか、床屋のオバチャンやらかしてくれた。


「あれ。なんで今日はバンダナなんて巻いてるの」


「ちょっと短く切りすぎたんだよ」


「どの辺りが?」


「前髪が微妙でな」


「なるほど」


整髪料で上手くごまかされてたけど、ゴムで縛ると綺麗に纏まる代わりに、前髪パッツンの姫カットにされてたんだよ。


明らかな姫カットなのに、出来上がり爽やかなイメージに纏めた床屋のオバチャンが恐ろしいわ。



ただ、校内での整髪料の使用は禁止されてんだよな。


おとなしめの青いグラデーションのバンダナをほっかむりにしてごまかすしかない訳よ。


「ヒッピーがいる」


「誰がヒッピーじゃい」


バンダナした奴なんかロン毛よか少ないから逆に注目あつめてんぞ。

みんな揃って“えぇ~?”って感じで見てくのはやめてくれませんかね。

今話しかけてきたのは、隣の席の鈴原…某。


スポーツ刈りに、背が高く人当たりもいいが、クラスのジャガイモ仲間の一人である。


「…なんだろ。渥美って、そうゆうダサい格好妙に似合うよな」


「失礼な」


もうちょっと言い方ってもんがあるだろ。バンダナも海賊縛りでワイルドだろ?


「とにかく、だせぇし似合わないからやめとけよ」


「へぁっ!?」


ポンポンと肩を叩かれた後、バンダナが後ろに引っ張られた。


「もう、前髪なんかグシャグシャじゃん?」


「ちょ、頭かえせー!?」


「頭とか猟奇だな」


手を伸ばして奪い返した。幸い出掛けに適当に被ったおかげで、前髪はグシャになっていたようで、前髪には気付かなかったようだ。


急いで再び被りなおす。


「…たく、勝手にとんなよ」


「暑苦しいし、後ろ髪巻き込んで結んでた方がよかね?」


「めんどくせぇ」


「俺やるから」


そう言いながら、バンダナの結びの隙間から後ろ髪が生えるように結び直された。


野球帽からポニーテールだしてる女の子いるけどコレはねぇ。

私服ならまだしも、ブレザーの制服にコレは合わない。


いやスカートの女子なら、バンダナ女子とか普通に見ないから個性としてはありか。


「失敗したな」


「そう思うなら手を出すな」


至極真面目なツラで頷くのやめてくれねぇ?


仕方ない。とりま簡単な幅広めな鉢巻きにして前髪隠すにするか。


「さすが、小物の扱いは手慣れてらっしゃる」


「やかましいわ」


シッシッと奴を遠ざける。全く、授業始まる直前にバンダナ外したり縛り直したりひどい目にあったわ。


クラスメートの女子に話しかけられてた海人が、チラチラとこっちを気にしてるし。


別にお前のサポートいらないからな?


イケメンが髪型変えたなら騒ぐ奴居るだろうが、気にされてなければばれやしねえよ。


恥ずかしい気がしたからバンダナしたけど悪目立ちしかしねえ。


バンダナは今日だけにして、スーパーハードで前髪ガチガチに固めてやる。


よし、そうしよう。

なにかが燃えている

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ