ざまあかんかん
花火が上がる。
自治会のだから規模は小さいが真下から見れば、多少歪でも綺麗なものだが。
「音うるさ…」
それから隣が、手を握ろうとするが控えろ。
「奏」
「いま耳塞ぐのに忙しい」
雰囲気に流されるのを期待するなら、子供騙しの花火じゃなくてもっと派手な花火にしておけ。
「それから、何度も言うが女子の代用にするのはヤメロ!」
「でもほら。いまはまわりに奏しかいないんだしさ」
まわりに女の子いたら手当たり次第に手を握るとでも?
「まったく、出掛けに言えばそれなりに小物もってきたのに」
「小物?」
「扇子とかスタンガン」
「スタ…」
まあ、本物じゃなくてガチャガチャで出るような電子ライターの火種レベルの奴。
「女子じゃないんだから、あんまり変な事してくれば警戒くらいしたくなる」
「…ぐっ」
相手が女子なら喜ぶんだろうけど、これがオレだと親友の頭がおかしくなったように感じられてな。
下手に関係もつと、性欲の捌け口にされてポイされそうだし、親友ではなくなるからな。
「真面目な話。本当にちゃんとした女の子と付き合った方がいいよ」
やりたい事とか、こっち向いてたら出来ない事ばかりだぞ。
学校帰りに手を繋いで歩きたいとか、ガチで純情系女の子向けイベントじゃねえか。
「なんで?」
不思議そうに。海人は、本当に不思議そうに聞き返してくる。
「奏が他の男にNTRれでもしたらと思うと、余所見してられない」
「何がNTRだ。お前も含め、男と朝チュンだけはないわ」
目覚めも脳も男だからな。
「まぁ、不毛なだけだからこの話はやめとこうよ」
「それ。まとめたふりして、あやふやにしてるだけだからな」
「ホントに今は、彼女とか面倒だからいらないんだってば」
「ふ~ん?」
最近こんな話ばっかしてんのは、お前がみだりに体に接触してくるからなんだぞ?
ムッツリでもないから、なにがホントの狙いなのやら。
「まぁ。それなら、夜遊び出来る男友達つくって遊んでこい。今日みたいなノリで、夜まで歩きまわされるのは正直ウゼェ」
「ウゼェッとまで!?」
訓練かなんかのつもりかも知れないが、夕方前に家に帰りたいのは、服を着替えるためだ。
なんか食いたくなって、夜中にフラッとコンビニ行ったりなんかもしてたりするんだぞ?
まぁ、出かけられない訳じゃなくて、控えてるだけよマジで。
夜の外出は普通に危ないからな…。
海人と遊んでるときは、明るい間に買い溜めしてくるから、わざわざ出歩く必要無いしな。
高校生らしい遊びがしたいなら、先輩とかに遊びに連れて行って貰うのが一番なんだろうけど、接点がないから体験できないのね。
部活入ってたら、多少なりとも縁ができそうなんだけど…。
「ん~。先輩後輩とかのやりとりはしてみたいし、なんか部活でも入ってみるか?」
結局帰宅部のままじゃなんもかわらんのよ。
「…それは絶対ヤダわ」
即答。
「お前が着替え中に如多したら部員からのリ〇カンまっしぐらだ」
「着替えねぇよ。運動部じゃなくて文化部とかも色々あるだろうが」
何必死な顔でろくでもない状況思いついてんだ。
「男女が普通に活動してる部活じゃなきゃ行かねーよ」
ーどうせ先輩と呼ぶなら女性がいい。




