触ってみる?
正直、海人はハイスペックと言う訳じゃない。
オレ同様に部活は入ってないが、身体能力は体格に見当たった物だし、勉強は上位には絡まないが全く問題ないレベル。
まぁ、オレら三朝先高校と言う平凡なレベルの普通高校だから…。
え、初めて高校名が出たって?
気にしたらいけない。
とりあえず。リビングの三人ソファーの隅に座る海人が、キラキラしていたら、オレだって、友人なんかしていない。
でも、モテるのはオレと何が違う。
そう思いながら、ゆったりな二人用ソファーに寝そべる。
「え、昼寝でもするのか?」
「なんか、もう朝から騒がしかったからゆっくりしたいけどなぁ」
いや、広い方に座るの普通だからな。とにかく、距離感が近すぎて疲れちゃったんだなコイツ。
わからなくもないけど、羨ましいと思うよ。
「つかず離れず離れずじゃないけど、ガンガン来る子はあんまり…」贅沢だ。
「大した事ないのわかってるし、先輩みたいに過剰な期待されて、ガッカリされるのは本当にツラくてさ」
ああ、中学ん時一回あったからな。
中学で一番の美少女と噂の先輩で、相手に完璧を求める性格だっけな。
付き合ってから海人が割と普通で飽きて卒業式の後、いきなり振られたんだよな。
「あの子達くらいの距離感でいてくれるのが一番いいよ」
「…ふむ」
妹を譲れと申すなら、家族会議で、ドラフト一位指名してやるが…。
「お望みなら、美幸と二人っきりなれるよう手配するが?」
「それは勘弁してほしいかな」
「美幸がお風呂に入ってる間にお前呼んで、出会い頭にジュースを頭から被せてから真っ裸で風呂に二人を閉じ込めるプランとかどうよ」
「もしもし、美幸ちゃん?」
「ちょーーーーっ!?」
てか、なんで海人に携帯?!そもそも美幸持ってないよ!?
「冗談だよ。本気じゃないだろうし」
「なんで携帯持ってんの」
しかもスマ魔法とやらを。
「ああ、プリペイド式三万くらいした」
「たっか??」
「電話だけのならもっと一万くらいで安かったよ」
「たっか!?」
一万ひとつきの小遣い超えてます。
基本的に経費(笑)は別。
「触ってみる?」
「く、誘惑には負けないっ!?」「そんな難しいもんじゃなかっし」
ああ、黒くて平たくて固くて逞しい。
「エロサイトってどうやってみんの?」
「一番にそれか。年齢制限かかってるから無理だよ」
「じゃあいいわ」
海人にスマホを返し、VRじゃないゲーム機の支度を始める。
「奏も持ちたいと思わない?」
「けっ。未成年には、奇跡も魔法もないんだよ」
「プリペイドなら、使用制限ありから支払いで困る事ないみたいよ」
「イトーカフェの夜間バイトでも始めろってか」
アニメ・イトーの二階店舗がフロアー募集してたけど、時間帯が女子なんだよな。
共働きで、頼めば買ってくれるかも知れないが、体質のせいで迷惑かけてるから、言い出しにくいよ。
妹のが有望株だから、そっちにお金かけてもらいたい(変な期待はされたくない)よな。
卒業後も就職先に困りそうだ。サラリーマンには、なれないだろう。
裏方アルバイトか、経営者にでもなるしかない。
ハッキリ美人なら、モデルだのなんのあるらしいんだが、そこは男前過ぎて無理だ。
「携帯はともかく、アルバイトかぁ」
親戚と言うか、本家筋で海の家をやる食べ物屋が一軒。夏のバイトを募集してくれている。
曾祖父が同じ体質だったので、本家筋なら理解力もあると言うもの。
いっちょ流れに乗ろうかいね。




