海人はそれでいいと言う
―女の子って、なんで一緒のお風呂や布団に入りたがるんだろうね?
男は、同性と狭いお風呂や布団に入りたいとか思わないのに、なんでなんだろな。
みんながみんなって訳じゃないんだろうが、触りたがるのが意味わからん。
是非お兄さんの時に来てくれないかな。
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お泊まり明けて、翌日の朝とも昼とも言い難い10時。
「こんにちわー。差し入れ持ってきたよ」
海人が差し入れを手にやってきた。
「さっすが海人さん気が利く~」
「…ここら辺の気の使い方が、カナ兄さんと違うのよね」
「かな兄お皿。コップもちょうだい」
「はいはい」
1・5Lのペットボトルのコーラに、近所のケーキ屋から買ってきたらしきホールケーキ。
小さいサイズとは言え、コンビニでないチーズケーキをホールで…大人か?
「こんな高い物…」
よく買う気になれたなとは口に出さない。
「あはは、気にしないで後こっちは帰る時まで冷蔵庫入れといて」
「了解」
海人から、カップ物らしき固い物の入った有名菓子店の紙袋を渡されたので、冷蔵庫にしまう。
紙袋を見て、美幸がやたらとソワソワし始めたんだが、お前の物じゃないからな?
「美幸、黙って食べたら弁償だからな」
「…べ、別に気にしてないしっ!」
プリンが有名な店だったな。
おねだり猫ちゃんコッチおいで?
「海人、これオレも食べたいかも貰っていい」
「え…だっダメぇ?!」
美幸は声が裏返るくらい動揺し、海人がなぜか揺れている。
「一応、美幸ちゃんとの約束だから勘弁して…」
「まぁ、発覚した時点で手遅れだがな」
ソファーに座っていた少女二人が。猛禽の如き眼で此方を見ている。
ハゲ鷹に餌与えてはいけませんな。
さて、ケーキを切り分けますか。
「ケーキ切るよ」
「あ、オジサン達はどうしよう」
五等分であたま使うとこなのに、七等分にせよと申すか。
「友達同士の集まりだし、父さん達は何もいわないよ」
思うところあるかもだが、大人は敢えて口には出さん。
とりあえず、十等分に切り分ける事にした。
「…なんでそんな小さく?」
海人が聞いてきたが、カロリー高いし、五等分より切り分けが楽だからと答えた。
「二個ずつ食えばいいじゃん」
なんかみんなガッカリしてるけど、均等に分けだじゃないか。
オレは一個だけ食べて、夕飯後の楽しみにとっとこうかと思うので、皆の見てる前で無言でタッパーに仕舞う。
「ああ、何してるのかと思ったら、タッパーに仕舞うのか」
「…なんかすっごい嬉しそうです」
「カナ“姉さん”が、甘い物好きですからね」
一日に、男女で二度も食べる機会何か無いし、女の時のが甘いもんが旨く感じるから、ちょっと楽しみにしとこっと。
「姉じゃない。お兄ちゃんだ」
美幸の頭をはたいておくのも忘れない。
下手に姉扱いさせると、風呂に引き込もうとしたり、体触ろうとするから、兄妹の線引きを疎かにできない。
「美幸ちゃん、あんま奏を刺激しないでもらえるかな」
「イエス!ボス!」
美幸が、イケメンの笑顔におののいている。
―おののいている。
こうゆうの見ると、つくづく女じゃなくて良かったと思うわ。イケメン慣れしてない女だったら被爆してるね。
男に向けたら、胡散臭い笑顔と表現されるんだが…。
「人前で妹を襲うなよ?」
「襲ってないよ!?」
所詮イケメンはイケメン。
平凡男子の敵だね。オレも平凡ではないと思いたいが、海人の隣に立てば、みな久しくモブ顔よ。
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「じゃあ、私たち買い物行ってくるから!!」
「はいよ。行ってらっしゃい」
昼前、三人娘が矢の如き勢いでチャリで走り出した。
「相変わらず騒がしいね」
「みんな美少女のハズなんだかな」
落ち着くにはまだまだ子供って所かね?
「奏は、騒いでる時も落ち着いてるよな」
オレ?
「落ち着いてるんじゃなくて、冷静にしてるだけ?」
いや、驚くとか焦る必要がある用事とかもないしな。
「美少女に囲まれた休日とかリア充じゃん」
「妹とその友達の世話をするのを、リア充とは言われたくない」
下手したら自宅よりダラケてるかもと本人達が言ってたからな。
「…あれか、チャラ男的にはアリか」
「高校生が中学生に手を出すのはどうかと思うよ」
「わかってはいるが…」
夜のお付き合いと言うと、やましい響きがあるが、一緒に寝た事なんか数え切れない。
「いや、虚しくなるだけだからやめようよ」
「そうだな。虚しいだけだ」
チャラ男もイメチェンしなきゃか…。
総スカンされっし。次は、どんな風にしようかね。とりあえず、海人の周りを女の子で固めるのは、悪手みたいだし、真面目キャラも違うしな。
「そういや、海人の方の進展はどうよ」
「…みんな可愛いとは思うよ」
相変わらずのイケメン台詞だな。
「一緒に遊んでて、楽しいとは思うけど、みんな小さいからお付き合いまでは考えられないかな」
「“おっぱい”基準かよ」
「ああ、“おっぱい”だ」
なんで其処で男前の顔してんの。
「せめて、女の奏を超えてくれないと話にならない」
男の胸見て呟く外道。
「おっぱいデカい子なんていたかな…」
「オナ中は除外ね」
「シコ…同中か?」
「…シコって」
「忘れろ」
同じ中学は除外って、昔みんな断ったからだろうが、アクセントおかしくなかったか?いや、お前ナニ中もへんになるが、一瞬オナにー中かと思った自分の頭が憎い。
だいたい、あの現状を作り上げた本人としては、今更新メンバー紹介とか出来ねえよ。
サップを角界に招致するようなもんじゃね?
一石を投じる所か血の雨が降りそう。
「なんだろう。最終的にオレがみんなに刺される未来しか見えない」
「いや、そこまで深刻な話しじゃないと思うよ」
最近は、彼女らを好きな男子を交えて男子五人以上で遊ぶようにして、気を逸らすようにしてるとか…。
「彼女らに、他の女に声かけてもらったりしてるから、休み中は思いのほか大所帯になったり…」
お前ら、レイドパーティーかよ。
打倒休日ボッチ?
てか、海人が先に他との関わり増やしてるし、オレがボッチになってんじゃん。
「そんな訳で、俺が参加しなくてもいい感じ?」
むしろ、それに混じらなかった事を後悔してますが、海人がチャラ男に見えてきた。
きっと、海人の方が素質あるよ。
「お前が手薄じゃいみないだろが」
「可愛い女の子はいいけど、ベタベタされるのは好きじゃないから」
女の子からの攻略の仕方が間違ってて、関係保つのが嫌になっちゃった!?
膝着いていいすかね。




