4 リナーア
リナーアの記憶があるからなのか、無事に家に着くことができた。
(と言っても、馬車だったから……道はリナーアも知らないみたいだけど……)
馬車から降りると、広い庭に大きな家が立っていた。
(広っ)
……博物館に間違えてきた?
と思えるくらいに広かった。
体の習慣からなのか、全く違和感を感じない。
家に帰ると「おかえりなさい!」とリナーアのお母さん? らしき人と、メイドや執事さん? たちが迎えに来ていた。
「ただいま戻りました。お母様」
考えるよりも先に口が動く。
「戻ったか」
「はい、お父様」
という風に口が答えるので、どう返せばいいのか、間違うようなことはない。
そして、相手……リナーアのお母さんとお父さんも疑問に思わなかったようだ。
***
ボフッと、ベットに倒れ込む。
(つ、つかれた………)
行儀なんて気にしてやれない。
(全部自分でやってた私にとって、お風呂を手伝ってもらうとか、マッサージしてもらうとか、慣れないんだってーーー!!)
リナーアの習慣があるからといって、流石にこれは堪えた。
まあ、推しもやっているという点では興味深いが……
そこまで莉奈が疲れた理由は、慣れないからだけではない。
(あの親……リナーアを愛していない……)
そう気づいたのは晩ご飯のときだ。
帰ったときも、出迎えたから、愛情をリナーアにたっぷりと注いでいるかと思えば、全く見ていない。
『そういえば、今日は学園はどうだった?』
『楽しかったです』
『そう、よかったわ。制服は小さくなってない?』
『はい、大丈夫です』
リナーアの記憶から、これは二日前にも同じことを聞いていた。
そのあと、またリナーアに声を掛けるのかと思えば、違うのだ。
『あなた、新しいドレスを買いたいのですけど……』
『またか……』
……あの目を、私は知ってる。
あれは、義務をやっているだけ、自分は子供を愛していますよ。と他の人から見られるように。
本当は、子供に何も興味がないくせに。
それに、リナーアも気づいていたから、ユリウスを追いかけていたのだろう。
自分を見て欲しくて。誰かに愛されたくて。
ユリウスだったのは、美貌と自分よりも位の高い公爵家、手に入れば、きっと他の人からも愛されると思ったから。
(まあ……親に虐待されてないだけ、ましか……。また昔と同じように耐えればいい……)
いつもリラックスして推しカプを見ているような体勢でベットにダイブした私はふかふかのベットに意識を引き込まれそうになる。
しかし、推しが足りない。
動いていたし、生きていた推しカプは最高だったけど、眺める用にもほしい。
いつの間にか、私は意識を手放した。
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