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スライムになった私が拾った体を使って好きに生きる話  作者: あやちん
<二章> ミーアと冒険者ギルド

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〘二十九話〙ミーア、ぷにょ活用に頭を絞る

 お頭を氷漬けにしたあと、静まり返った水車小屋に戻って色々物色したり試行錯誤していました。


 そうしたらどうでしょう外が騒がしくなってきて、何だろと思ってスライム目玉で偵察してみたら別の建屋にいたらしい野盗のみなさんが騒ぎ出してました。


 あらあら、他にもいましたのね。

 ちょっと少ないな~とは思ってはいたんですけど、あの場に居なかったってことは下っ端のみなさんなのかしらん?


 他の建屋まで全く気にしてませんでした。

 失敗失敗。


 まぁ()()()()()()ので、後はどうとでもしたらいいと思います。


 あれだけ騒がせましたし、そのうちオルガも結界がないことに気付いて動き出すでしょう。


 残ったみなさん、お互い頑張ってくださいね。




***



 夜が明けてきました。


 昨晩はとっても頑張ってお仕事こなしました!

 ブラック企業もびっくりの就労状態です。


 元おじさんもさすがに夜通し働いたことはなかったです。だれか特別手当くれませんか?


 いや、思い返してもホント色々大変な作業でした――。





 お頭さん、いっぱい貯め込んでました。

 どこにと言えばお約束ともいえる場所。


 絶対どこかにあると踏んでスライム体を駆使して探したら、やっぱりあった隠し部屋というやつです。

 外で騒いでた下っ端さんたちも知らなかったようで、大騒ぎのみなさんをよそに、私はコッソリ必死に物色しましたとも。


 貴金属を筆頭に、金貨、銀貨、たくさんのお金が、木箱や皮袋に詰めこんでありました。武器や防具の類も、無造作に壁に立てかけてあったり、棚に放り出されたまま置いてあったりしました。


 2Sが出来てないですね!


(製造業などでおなじみ、2Sとは! 整理(SEIRI)整頓(SEITON)の頭文字、S二つからつけた呼称のことであります)


 私はそれをさらにぶっ散らかして、物色しまくりました!

 急がないといつかは人が来ちゃいますからね。気にしてなんかいられません、はい。


 ああ、ラノベお約束の魔法の収納カバンとか、袋とかないのでしょうか?


 絶対あると思うんですよね。

 だって魔法とか普通にあるのに、収納無いとかおかしいですよね?(願望と切望)



 見つけられませんでした。

 きっと私の探し方が悪いだけ……。


 だがしかし!

 私はあきらめない美幼女スライムです。このまま尻尾巻いて逃げるなんてもっての外なのです。

 私は手荷物たっぷり持っての旅なんかしたくないのです。



 何か手があるはずです。

 あるに違いないです。


 そう、万能スライム体に出来ないことなんかない!


 ……はずです。


 そう思うにはそれなりの理由があるのです。

 

 と言うのもこのスライム体、不思議なほど体積というか質量というか、体の大きさがすっごく変幻自在に変わっちゃうんですよね。

 消え失せてしまうスライム体はいったいどこにいっちゃうのだろうと、かねてから不思議に思ってはいたんですが……、出来てることなので深く考えることもありませんでした。


 伸ばせばどれだけでも伸びちゃうし、無い時は無いで存在のかけらもありゃしない。


 ミーアの頭の中や、体だけじゃ収まり切れるわけもなく、マジでま~ったく辻褄合わない存在だよね、私って……。


 どこに消えてるんでしょう、スライム体。


 そんなことから、スライム体が消えていく先にほかの物だって放り込めるのでは? なんて思う私は頭冴え冴えで我ながら凄いスライム脳だと思います。


 まずはお試しでちょっと物を取り込んでみようと考えました。


 食べ物とかは溶かして吸収なので、物体をそのままの形で体内に取り込むなんてことはしたことないんですよね。


 取り込みやすいところで、手のひらにぷにょをむにゅっと広げて出し、手近にあった銅貨っぽいのをを一枚落としました。溶かさないようにしないとね。


 じーー。


「うーん……、そこにずっとあるし」


 だめです、失敗。

 銅貨はじっとしてぷにょの中で見えてます。まぁ動いたら怖いですが。


 それなら、こうすればどうでしょう?

 イメージは出していたぷにょを体に戻す感じ。その時ついでに銅貨を連れて行ってもらいましょう。



 じーーーー。



「おっ? おおっ!」



 消えた!


 ぷにょと一緒に、消えました!


 銅貨、どこかに消えちゃいました~!


 って、はて。


 どこにいっちゃったんでしょうかね?


 銅貨ちゃ~ん、出ておいで~。

 ぷにょを出すイメージで銅貨を呼んでみました。呼ぶっていうのも変ですが……。


 う~ん、困った。現れません。

 試しにぷにょをもう一度手のひらに出しましたが銅貨はついてきてません。


 自分の体(スライム)じゃないからでしょうか?

 入りこそしましたが出すことは出来ないみたいです。


 ぬわぁ~、これでは使えな~い!

 銅貨はスライム奈落に吸い込まれて行方不明になってしまいました……。



 自分の体のことなのにさんざん悩んだ末、一つ案を思いつきました。

 めちゃ原始的解決策。


 皮袋に銅貨を入れ、その袋には紐を付けたうえで、再び手のひらのぷにょへ投入してみたのです。要は犬のお散歩のリードみたいなもの。逃がしやしないよ~、ポチ!


 その結果、手のひらには紐が通せるくらいのわずかばかりのぷにょだけが残り、そこから紐が垂れてる様子はとってもシュールで不思議な光景です。


 紐の付け根にぷにょが残った感じで、その先は消えているのです。


 ちなみにぷにょ自身は当然私の意志で移動出来ますが、紐が中にズルズル入っていかないよう注意しなきゃね。


 

 さて、ここからが重要です。

 ドキドキしつつ、紐をいそいそ手繰(たぐ)り寄せてみれば……。



「きっ、きたきたきたーー!」



 皮袋が現れましたっ!


 成功です!


 パチンコ玉サイズのぷにょがむにゅりと広がりつつ、そこから大きな皮袋が出てくるのは違和感半端ないですが。



 ぷにょ凄いです!(ああ、私のことだね)


 ふむむん、ちょっと見た目はいまいちだけど、そんなことはどうでもいいですね。

 これでもって、収納代わりに使うことは可能でしょう!


 ぷにょは自分自身だから身体から離せないのは仕方ないところですが、自分で使う分には大した問題じゃないと思います。


 必要は発明の母と言いますが。

 スライム体の新たな活用方法を見出してしまいました。


 あとは時間があるときにでも、紐なしで出し入れできる方法を考えるとしましょう。そういえば容量も不明だしね。これもまた検証課題です。



 でもね、もう、スライム体(わたし)、まじチート!






 ――とまぁ、そんなことをあの場で検証しつつ、無事アジトのお宝さんをスライム収納に移し替えて、トンズラこいてきたスライム娘です。


 皮袋と紐がそんなになくて、全部持ってこれなかったのが痛恨の極みのミーア十歳です。


 辺りもすっかり明るくなり、街道? 沿いをぽてぽて歩いてオルガに聞いた町を目指しています。


 お腹がすきました。


 オルガとドリスは無事生き延びたでしょうか?


 きっと大丈夫でしょう。

 オルガはとっても強そうでしたし。


 今の私は小さめの背負い袋をしょって、その上にローブ、そうあのローブ、ファンタジーお約束のローブをまとって、ちょっと旅人っぽい恰好になってます。フード付きで髪や顔とかも覆えます。もちろんアジトからぱくり、いえ、もらってきました。


 収穫は金貨四十二枚、銀貨百五十二枚、銅貨四百五十三枚です。

 元技術系サラリーマンは几帳面なのでしっかり数えました。貨幣価値がわからないのであれですが、きっと大金に違いありません!


 もっとあったのですが袋に納まりきりませんでした。残念すぎる……。


 それぞれ紐付きぷにょにして背負い袋に入れてあります。

 体に同化させると不気味な紐だし幼女になってしまうので、それはやめておきました。


 武器は要らないので放置ですが、短剣やナイフは数本いただいておきました。あると便利でしょう、きっと。


 他にも色々ありましたけどキリないので諦めました。



 準備は十分です、たぶん。


 あとは町に向かって歩くだけです。


 そうそう、町の名前はレイナールっていうそうです。これもオルガに教わりました。



 では。


 レイナールの町に向け、頑張っていこう、おー!


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[一言] 強奪幼女( ˘ω˘ )
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