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「C:富士山」を探せ! 時事問題のプロパガンダ分析  作者: カキヒト・シラズ


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三菱UFJ銀 ブランド失墜の衝撃

初出:令和6年11月28日


 三菱UFJ銀行の行員が練馬支店と玉川支店の貸金庫から資産を窃取しました。

 被害にあった顧客は約60人。被害総額は十数億円程度とみられています。行員はすでに懲戒免職処分となりましたが、現在も詳細は調査中とのことです。


Q:今回の事件をどう思いますか?

A:三菱UFJ銀行だけでなく、日本のすべての金融機関の信頼が失われた

B:三菱UFJ銀行だけの問題で、日本の他の金融機関の信頼は揺るがない


 さて、いかがでしょう。

 私の個人的な意見は限りなくA に近いです。

 三菱UFJ銀行と言えば日本最大手の銀行です。また同行はただ大きいだけでなく、信用度においても――意見は分かれるところではありますが――日本一と言えるでしょう。少なくとも同行は他のメガバンクやゆうちょ銀などと並んで”一流”の信用度を誇っていたのではないでしょうか。

 その”一流”の銀行の不祥事です。

 どこぞの名の知れない地銀や信用金庫ならいざ知らず、天下の”三菱”ブランドのスキャンダル。これは日本の金融機関全体の信用が失われたことを意味します。

 幸い、貸金庫ユーザーは法人や富裕層が多く、一般の普通預金ユーザーは少し関係ない話かもしれません。

 しかしながらよく考えてみれば貸金庫で起きた不祥事が普通預金に起きない保証はありません。そう考えるとおそろしい話です。タンス預金が一番安全な資産管理法なのでしょうか。


1.  都銀、サラ金、メガバンク


 かつてバブル時代、都市銀行、いわゆる都銀と呼ばれる銀行がありました。これは全国展開している大銀行です。これに対し、ローカル地域に展開している銀行が地方銀行、いわゆる地銀です。地銀は現在も存在します。

 この時期、サラリーマン金融、いわゆるサラ金と呼ばれる金融業がありました。

 今日のメガバンクは複数の都銀とサラ金が合併してできたものです(厳密には一部の地銀も)。合併後、都銀とサラ金は消滅しました(ネットの解説で、りそな銀行はメガバンクでなく、都銀だという記述も見つけましたが)。


 かつての都銀は社会的信用が高く、とりわけ三菱銀行や東京銀行の行員はエリート中のエリートといった感がありました。くしくもこの二つのエリート銀行はメガバンクに吸収合併後、現在の三菱UFJ銀行になっています。

 一方、サラ金は今日の街金やヤミ金のイメージです。

 サラ金は反社勢力と癒着していて、借りたら最後、人生が詰んでしまう。これが昭和の日本人の常識でした。

 バブル時代、親がサラ金から借りた金が返せなくなったので、娘が肩代わりに泣く泣くAV女優になったといったという週刊誌の記事を読んだ記憶があります。


 ところで昭和の感覚では、証券会社の社会的信用度は銀行とサラ金の中間といった感じがあります。

 サラ金よりはまともだが銀行よりはいかがわしいといった感じでしょうか。

 バブル時代にいわゆる「〇〇総研」といったシンクタンクを証券会社が子会社に持つようになってから、大手証券会社は少しずつ普通の大学生の人気就職先の一つになっていきましたが、70年代には一流大学を出たけれども全共闘など学生運動のやり過ぎでどこにも就職できなくなった就活生の”人気就職先”が証券会社だったという話を聞いたことがあります。


2. 銀行がいかがわしかった時代


 歴史を紐解いてみると、あらゆる金融業は新しく誕生したときはいかがわしいイメージがあり、時間が経過すると社会的信用度が高くなる性質があるようです。

 日本に銀行制度が出来たのは明治以降で、政府が主導して欧米の銀行制度をまねしたようです。

 さらには共産主義国家のように”護送船団方式”で銀行が倒産しないよう行政が様々な支援や規制をしていました。

 日本人にとって銀行員は公務員同様にお堅い仕事をする人といったイメージがあり、悪いことをする人はいないと思っているのかもしれません。

 しかしながらかつて銀行の発祥時、銀行がいかがわしかった時代があったことをご存じでしょうか。ただしこれは日本ではなく、世界全体の話です。


 19世紀、米国の西部開拓時代、BANKと呼ばれる金融業者がいました。

 BANKの中にはマフィアがいて、人から金を預かると翌日には金を持ったまま馬車で逃走するといった窃盗事件が多発しました。このBANKの日本語訳が銀行です。

 日本とちがい、欧米社会では銀行が社会的信頼を勝ち取るまで、ある程度(100年近く?)時間がかかったようです。


 10年代から店舗を持たない銀行、ネットバンクという新種の金融業が登場しました。

 当時、老舗企業はネットバンクをやっている企業は信用できないので取引しないといった風潮がありました。

 当時はセキュリティーに問題もあったかもしれませんが、メガバンクがネットバンキングサービスを開始した今日、これは時代遅れの感覚でしょう。


 このようにあらゆる金融業はその発祥時にはいかがわしいイメージがあり、時間が経つごとに社会的信用が高まるという傾向にあるようです。



3. まとめとして


 三菱UFJ銀行の不祥事もまた、メガバンクからネットバンクへ金融業のメインストリームが変化する象徴的な事件と考えることもできるかもしれません。

 あるいは専門家や評論家の話をうのみにせず、資産防衛は自分自身で考える時代に突入したということなのかもしれません。


 メガバンクはもともと都銀とサラ金の融合であり、表面的には都銀のスマート感を標榜しながら、その実、サラ金のいかがわしさを内包しているのでは。今回の件はかつての”サラ金魂”が表面化したのでは。こんなふうに妄想するのは私が昭和生まれだからでしょうか。

 いずれにせよ年配者の私としては、金融も含めて時代の変化についていけないと思う今日この頃です。


(つづく)

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