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病室
「凛、凛!!」
誰かが叫んでいる声が聞こえる。
目を開けると私は病院のベッドで眠っていた。
そこには母親、父親と、見知らぬ男の人姿があった。
母親の説明によると学校に向かう途中、横断歩道の信号は赤なのに、私はなぜだか急に飛び出して右折してきたトラックに飛び込んだらしい。
トラックを運転していた、ここにいる男性は直前で車のブレーキを踏んだ。私はびっくりして気を失い、病院に運ばれたが特に命に支障はない。
その時滑ったのか、腕からは大量に血が出て、枝から落ちた桜の花びらを血で染めてしまった。
男性は警察から事情聴取をされた後、心配して会社を休み、私が目を覚ますまで、病院の廊下の寒い待合室の椅子で一人、待っていたそうだ。
凛が無事だと知ると、男性は部屋に入り泣き崩れた。
母親は体格のよい怖そうな男性が子供のように泣いていたので、怖い思いをさせてすまなかったと逆に慰めた。
「……すみません、少しでいいので
お嬢さんと話をさせて下さいませんか……?」
男性からの突然のお願いだったが、両親は聞き入れた。
病室に凛と男性、二人を残してパタンとドアが閉まる。




