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紅い月が昇る
友達だったはずの魔獣から敵だと言われて凛はとてもショックだった。レイヴンは包帯の変わりに自分のマフラーを側の川で濡らして、凛の火傷の傷口に巻きつける。薬草などやすものの薬では治せず、また治癒魔法は本業ではない。
「怒ってますか……?」
「……怒っている。……自分の体に傷をつけてまで魔王などと、魔王城に行きたいなどと嘘をつくなんて……」
凛は弱々しい息づかいで少しずつ、言葉を話す。
ブラウスの中から懐中時計を取り出すと、文字盤の針を確認する。もう少しで二つの針が合わさりそうだった。
(この世界の魔獣のみんなは無事で良かった。これなら私も……)
「勇者様。一番最初に話をした通り。
塔に登れば元の世界に戻れます。
……。
野獣たちが眠っている今の時刻なら、そっと階段を登って行けます。紅い月が欠ける前に急いで……」
「……? ……? 一緒に行くんだろう……?」
「私はここで待ってます。レイヴンさん」




