勇者の集う酒場
「グフフフ……いい勇者がいっぱいです」
酒場のカウンターで食事をする勇者たち。街の酒場にはいろいろな場所から人が集まり、さまざまな情報が得られる。
お酒をつぐマスターのすぐ側で、一匹の鳥は勇者を品定めしながらトマトジュースを飲み酔っぱらっていた。
「コッコちゃん!」
「……!」
突然自分の名前を呼ばれたので鳥は驚く。
背中に真っ白い翼が生えた、ふっくらとしたお腹の目立つ、最初にあったときのコックルだ。
「コッコちゃん、お願いがあるの!
あなたの力で私たち二人を魔王の塔へ連れて行って」
コックルはしかめ面で首を横にふった。
「嫌でげす」
「え?」
「俺の力を使うなら報酬を払うです」
コックルがそこらへんに落ちていた紙に、自分の羽を一本抜き、インクで桁がアホほど多い金額を書いた。二人にはそんなお金などどこにもなかった。
「わかった。
旅が終わったら、魔王の塔のお宝を全部あなたにあげる」
凛はレイヴンにかけられたコートを脱ぎ、制服と自分の姿をコックルに見せつけた。
「魔王だと!?」
周りの勇者たちが凛をみてどよめく。
非常にまずい。
勇者たちは凛の姿を見ると、重たい剣を振り回し、凛に歯向かってくる。
「そのお宝ごと俺たちが頂こうか!」
反射的にレイヴンが腰にある剣を抜き、勇者に立ち向かう。カシャンと刃と刃が重なり、勇者の振りかざした剣は反動で手からすり抜けた。
「この子に手を出すな!」
レイヴンがそういい放つと、酒場から笑い声が消えた。苛立ちを覚えた勇者たちが凛をかばうレイヴンを逃げないように囲った。比況なことに彼らはそのま手に持った武器を一斉に凛とレイヴンに突き刺した。
もうだめだと思った瞬間、眩しい光の中へ包まれる。
「お宝は全部俺のものです」
コックルは瞬時に宙に円を描き、二人は光に包まれへ消えていった。




