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紅く満ちた満月の夜
塔の最上階の台に寝かされ横になる凛。
真上の窓からは紅い丸い満月が見える。
月の光が二人の姿を照らす。
二人はやっとその場所についたのに言葉を交わそうとしない。
今、口を開けてしまったら、全ての感情が溢れてしまいそうだった。
「レイヴンさん、そんなに死神の血が欲しいならあげるわ……」
先に悲鳴を上げたのは凛だ。
凛はレイヴンの鞘から剣を取るとそっと自分の喉仏に刃先を向ける。
「みんなみんな……いなくなってしまった……」
その剣を持つ小さな手は小刻みに震える。
レイヴンは凛の剣を持つ手に自分の手を重ねた。
首に冷たい刃先があたる。
「……私は……レイヴンさんのことが好きだった……」
その言葉に耳を疑った。
凛から剣を奪い取り、床に投げ捨てる。
「……凛。
これは凛を護るための剣だ。
俺はお前の守護者。
……いや……。
俺もお前のことが好きだ……」
「……!」
「みんなを救える方法が一つだけある。そのために俺はこの場所に来たんだ。
月と太陽が重なる12時ちょうどに
俺たちも前の世界へと交代する。
俺たちは元の世界でもう一度やり直すんだ」
「俺たち?」
「俺は元々この世界の者ではない。お前と同じ、満月の日にこの世界に飲み込まれた」




