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私の大切な魔王様
だいぶ塔を上ったところで、ナーガが息を切らしその場に倒れこむ。ナーガの顔からは血の気がなく真っ青だった。それもそのはずだろう。ナーガの靴はボロボロになり、はみ出した足から無理をして裸足で走っていたのか、血が溢れていた。足を引きずるナーガ。いつもいる場所より空気が薄いのだろう。息も絶え絶えで苦しそうだ。
「レイヴンさん……。魔王様……。私はここまでのようです……」
「ナーガ!」
凛は次々に仲間が倒れるのを見て、泣きじゃくっていた。
「ダメよ……ナーガ……一緒に上まで登りましょう」
「上まで登っても私は……」
ナーガは凛の顔を見て、にっこりと微笑む。
「もうすぐ塔の頂上に付くと言うのに、私がここで、魔王様の足手まといになるわけにはいきませんわ。だって魔王様は私の大切な……。
……大切なお友だちですもの」
レイヴンは目を閉じて、凛の手を引っ張った。
凛はナーガのそばから動こうとしない。
「私だって最初から、ナーガは友達だよ?」
レイヴンはナーガと凛を無理矢理引き裂く。
「もう時間がないんだ。凛……」
動かない凛を抱き抱えると階段を一気にかけ上がる。
レイヴンは胸ポケットから懐中時計を取りだし、開けて見ると二本の針はぴったりと合わさっていた。




