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魔王は勇者の心を虜にする。  作者: mayme
6、迫る恐怖
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私の大切な魔王様

 

 だいぶ塔を上ったところで、ナーガが息を切らしその場に倒れこむ。ナーガの顔からは血の気がなく真っ青だった。それもそのはずだろう。ナーガの靴はボロボロになり、はみ出した足から無理をして裸足で走っていたのか、血が溢れていた。足を引きずるナーガ。いつもいる場所より空気が薄いのだろう。息も絶え絶えで苦しそうだ。


「レイヴンさん……。魔王様……。私はここまでのようです……」


「ナーガ!」


 凛は次々に仲間が倒れるのを見て、泣きじゃくっていた。


「ダメよ……ナーガ……一緒に上まで登りましょう」


「上まで登っても私は……」


 ナーガは凛の顔を見て、にっこりと微笑む。


「もうすぐ塔の頂上に付くと言うのに、私がここで、魔王様の足手まといになるわけにはいきませんわ。だって魔王様は私の大切な……。


……大切なお(・)友(・)だ(・)ち(・)ですもの」



 レイヴンは目を閉じて、凛の手を引っ張った。

 凛はナーガのそばから動こうとしない。


「私だって最初から、ナーガは友達だよ?」


 レイヴンはナーガと凛を無理矢理引き裂く。


「もう時間がないんだ。凛……」


 動かない凛を抱き抱えると階段を一気にかけ上がる。



 レイヴンは胸ポケットから懐中時計を取りだし、開けて見ると二本の針はぴったりと合わさっていた。


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