↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王は勇者の心を虜にする。  作者: mayme
4、三人目の勇者
PR
24/45

魔王は勇者の心を虜にする



 大浴場のドアの前まで行ってもレイヴンの姿は見えない。


「凛ちゃーん、凛ちゃーん!」


 脱衣場までは入れないので、ドアの前で凛の名前を呼ぶ。すると、ドアの向こうで凛の返事が聞こえた。足音が近づいてくるのがわかる。まさか……まさかと思い、セーレは両手で顔を覆っていた。指と指の間からチラッと凛の顔を見る。……バスローブを着ていた。安心したような、ガッカリしたような。


「凛ちゃん、これナーガさんに持っていけって言われて……洗濯したばかりの新しい洋服……」


 自分の過剰反応に顔を赤くして目を反らすセーレ。


「ありがとう、セーレさん!」


 なぜだか、凛から呼ばれた名前が頭の中で木霊する。そうか、この魔王様(こ)は素直で純粋なのか。


 ドアの前で凛が着替えるのを待っていると、洋服に着替えた凛が出てきた。先程まで着ていた黒いドレスとは違い、黒いワンピースの上に首まで隠れる暖かそうなフード付きのポンチョを羽織っている。


「湯冷めするといけないからな、そこにあったからついでに持ってきた」


 ポンチョには猫のような黒い耳がついている。


「……ワタシ、遊ばれてますか?」


「少し……」


 セーレは唇に手をあて、まじまじと凛の姿を観察していた。


「セーレさん、動物好きですよね……?」


 セーレは自分のポケットから何やら手袋を取り出すと凛の手につける。


「ちょっと手を握ったり開いたりしてみて」


 凛が手の平を見ると何やら黒い手袋にピンクの肉球が付いてある。黙り混んだ凛は下を向く。


「この手から魔法とか出るのか?」

 

 凛の手袋の肉球をぷにぷにと押すセーレ。


「やっぱり、遊ばれていますか?」


「いや……だいぶ……」


 後ろからその光景を見ていた魔獣が目を光らせ、凛を抱き抱えた。


「魔王様(りん)で遊ぶな」


 魔獣は猫耳のポンチョをかぶった凛を抱き抱えたまま、自室のドアを開けたーー……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。