7-13
「ええ!?く、空間遮断されていたっ!!?」
「マジかよ」
マラソンが終わりお昼ご飯用の食材を集めていた際に起きたことを夏ちゃんと永澤君に話した。
先生にも話そうと思ったけど証拠もないし、やめといたほうがいいと冬夜の助言もあり話してはいない。
「うん。なんとか空間を破壊して出てこれたんだけどね」
「破壊って……、あんた、体は大丈夫なの!?」
ぎょっとした目を瞠って問い詰めてくる夏ちゃんに驚いて後退りをする。
「だ、大丈夫。そんなに魔力量を使ったわけではないから」
「そんな訳ないじゃないっ!!だって、破壊するためにどれだけの魔力量を使うと思ってんのよ!!」
がしっと私の両肩を掴み、凝視してくる。
「……………もしかして、琴羽ちゃん。ブラッドキャットと同系魔法を使用した?」
その言葉についギクッと肩を震わせてしまった。
「…………………………琴羽、あ、あんた」
私の反応を見て、答えが分かった夏ちゃんがわなわなと震えてさっきまでとは打って変わって青ざめた顔で問いかけてくる。
「さ、さ、更地にしたわけじゃないわよね??」
「当たり前だよ!!!私たちを何だと思っているの?!」
酷い問い掛けだ。
そんなことがないように水と風の同系魔法にしたのにっ。
「いや、琴羽のことだから大丈夫だと思ったけど…、ね、ほら最初の同系魔法の結果を聞いているこっちにしたら更地にしたんじゃ!?って思うじゃん」
………………………それには反論がございません。
そうだった。やらかしているからそう思うのもしょうがないよね。
「最小限で破壊したし、周辺を確認しても異常はなかったから大丈夫だと思う」
「だろうね。そうじゃなきゃ、今頃大事になっているよ」
永澤君が呆れたようにそう言ってくる。
「でも、誰が空間遮断なんて使ったのかしら?」
「…………………確証はないけど宮野の取り巻き達じゃね?」
そう言ってちらっとある方向に視線を向ける。
そちらを見てみると木に上手く隠れているつもりだったのか一ノ瀬と松村がこちらを見ていた。まるで監視をしているようだ。
「琴羽ちゃんがゴールする前にあいつらが慌ててきて宮野になんか謝っていたのを見たからなんかやらかしたかと思っていたんだよね」
どんな話をしていたかは分からないけどさ。つか、あいつら。こっち見てないで食材とか探せよなと毒を吐く永澤君。
「……………琴羽、一人にならないように。私や永澤、ブラッドキャットの傍にいるようにいいわね」
「う、うん」
再度がしっと両肩を掴んできた夏ちゃんの顔が迫力ありすぎる。
その後は何事もないわけではなかったが平和的に一日目が終了した。
ロッジに戻るとなんだか周囲にあった雑草とか小石とかが無くなって綺麗になっている。
「おかえりなさいませ。お風呂の用意が出来ていますよ」
先に帰っていた冬夜が出迎えてくれる。
「ただいま、冬夜。なんだか、ロッジ周りが綺麗になっているね」
「ああ、それは先生が快適過ごせるように掃除をしておきました。害虫が来ないようにしておきましたのでゆっくりと休めますよ」
冬夜が微笑みながらそう答える。
おお、それは助かる。蠅とか普通に入ってきたりすると厄介だからな。
そして、お風呂に入り、いつものように予習をしてから就寝する為にベットの中に入る。
「おやすみなさいませ」
「うん。冬夜も早く寝てね?そのカメラ、閉じて」
何でこっちにカメラを向けているのかな?気になって眠れないじゃないか。
「これは先生の寝顔特集用の………、ごほん。いえ、先生の健康維持の為の物ですよ」
「今、寝顔特集って言ったよね?」
聞きづてならない単語が出てきたんだけど??
そんな私に冬夜はまあまあと宥めるかのように寝かしつける。
いや、やっぱり聞かないといけないんだけど??あ、こら。いつもお世話になっているアロマを焚くな。添い寝しながらぽんぽんしないで……………、スヤスヤ。
私は見事に冬夜の寝かしつけに敗北をしたのであった。




