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7-12


同系魔法は緊急時とかでしか使用を禁止されているのにこんなところで使用でもしたらどうなるか分かったものじゃない!!


当然、反対する私に冬夜はさらにこう言ってきた。

「しかし、先生。実際問題、空間遮断の魔法を唱えるには時間がかかります。これ以上の時間のロスは先生としてもよろしくはありませんでしょう?でしたら、破壊することの方が簡単で直ぐに脱出できますよ?」

「ゔっ、確かに」

そう言われて反論の言葉は出てこなかった。

空間遮断から脱出するもう一つの方法として内側から魔法で破壊するのがあるのだが、これはあくまでも閉じ込められた方が使用者よりも強者だった場合に使用が出来るものだ。

破壊するのは簡単だろうが、周囲の影響も及ぼしかねないのだ。

ただし、今の状況を考えるといつまでもここにいるわけにもいかないし、冬夜の言う通り破壊しての脱出が手っ取り早い。


「い、いや、でもそれなら私の魔法で」


「見た限り先生の魔法だけでは破れそうにありませんよ?私の魔法で破っていいですけど……………、力加減を誤って」

ここら一体を更地にしてもよろしいのでしたらと何故か許可を乞うてきたんだけど?この猫。




「……………きょ、許可しないわっ!!!分かった、分かったよ!同系魔法を使用しましょう!!」




同系魔法は互いに向き合った状態で魔法を唱える。

危険も考慮して二人の周りに結界を張り、できるだけ、本当の本当にできるだけ周囲に影響が及ぼさないぐらいの魔法を詠唱することを話した。



「火属性魔法だと周りに木があれば燃え上がりますし、風魔法も同様ですね」


「……………冬夜、水の攻撃魔法を詠唱してくれる?」


「水ですか?……………ああ、成程。承知しました」



私の意図が分かったように了承した冬夜が水魔法を唱え始める。


「"水泡針(ウォーターニードル) "」


何もない空間から魔法陣が展開された。

陣の中からはあふれ出る水が宙を舞い、無数の鋭い槍へと形状を変化させた。

……………槍じゃない?あれ、冬夜さんや。貴方、水魔法の初歩的な攻撃魔法を唱えていたと思うのですが??

"水泡針(ウォーターニードル) "じゃなくて"水槍(ウォーターランス)"じゃないかな?

一般的な攻撃魔法のはずなのにこんなに複数生成できるはずないんですけど?


「先生、ご用意はできました」


「あ、ああ。うん」


あくまでも"水泡針(ウォーターニードル) "で通るつもりかこの猫は。

追及することを諦めて風魔法を詠唱する。


「"風魔咆哮《ウィンドマジックブレス》"」


ぶわっと風が吹き荒れる。

宙に舞う無数の"水槍(ウォーターランス)"を包むように吹くと、どんどん氷へと変化していく。

同系魔法を使用したことにより、元の氷魔法を詠唱するよりも強力な魔法へと進化したのだ。



「……………”放て”」



私の言葉と共に鋭利な槍へと変化した魔法がまるで弾丸のように無数の方向へと飛んでいき、飛んで行った先は空や地面、森だが、まるでガラスでも貼ってあったかのように表面に突き刺さっていく。

ガシャン!と大きな音を立てて突き刺さる槍。刺さった場所から亀裂がどんどんと広がっていく。

修復の暇がないように亀裂が広がり、パリンっと甲高い音を立てて崩れ落ちる。

崩れ落ちた先に広がるのはマラソンコースの目印がある景色が広がっていた。


戻ってこれたんだ。

周囲を見回して、特に変わっていないことにほっと息をついた。

もしこれで木々が折れていたり、地面が抉られていたらどうしようかと思ったけど異常がなくてよかった。


「先生、急ぎましょう。この距離からだと時間的にギリギリになるかと」


「ええ!?」


よく分かるなこの猫。

慌てて走り出す私だった。

そんな私は気づかなかった。冬夜がとある方向に視線を向けていることに。


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