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とりあえず、皆が落ち着いたところでコテージに荷物を置いて、集合場所に戻った。
時間にはまだ余裕はあったけど殆どの子たちが集まっていた。
「琴羽、よろしくね」
夏ちゃんが声を掛けてくる。
「うん、よろしく」
「にしても、この班分けも意外よね」
端末を見ながら班のメンバーを確認していた。
「夏ちゃん、その二人のこと知っている?」
彼女にそう問いかけると眉をひそめながら返答が返ってくる。
「宮野とよくいるメンツの二人ね。てか、琴羽と一緒にするってどういう考えでそうしたのかが意味分んない」
もし、あいつらが何か変なことを言ってきたら私に言ってねと言ってくるあたり、やはり姉御肌だなと感じてしまう。
「そんな奴らはまだ来ないね」
「永澤、あんたが時間通りに行動するなんて珍しいわね」
雹でも降るのかしらと茶化す夏ちゃんに苦虫を嚙み潰したような顔をした永澤君が返答する。
「どっかの優等生の所為で時間通りに来たんだよ。琴羽ちゃんに迷惑掛けたら許さないって」
「ああ、確か一緒のコテージだったわね」
と話をしていると時間ギリギリになって宮野たちが現れた。
「………………?」
少し、違和感を感じた。
どうとは具体的に言えないけど、なんだかズボンの裾とか靴に泥がついているのが目に付いてしまった。
コテージ周辺は森があるけど荷物を置いてくるだけなのになんでそんなに汚れているのだろうか。
周りの子たちのも見ても汚れている子はいないし少し気になるな。
「時間となりました。これより、一時限目の実習に入ります」
先生の声が聞こえ、ただ単に敏感になっているせいかと流し授業に集中しようとシフトチェンジした。
それが後に自分の身に振りかかる出来事の下準備だったなど今の彼女が知り得ないことである。
「一時限目が薬草採取って地味よね」
「本当、本当。水中訓練でもするかと思ったよ」
「二人とも、真面目にやらないと終わらないよ」
江ノ島先生が担当の授業でこの地域での薬草採取が一時限目の実習となった。
リストを渡されて各チームごとに集めてくるというものだ。
ただし、リストにはその植物の名前のみしか書いていなく、どのような形をしているのか生息場所はどこかなどは書かれていなく、チームごとに調べて探す。
「えっと、リンカンラ草は日差しに強い植物だから砂浜の近くに生えている植物で、ベル花はベルみたいな音を鳴らすから見つけやすいよ。リーリボン草は全体的に黄色で草がリボンみたいに結ばれていてね。それから……」
「マジで琴羽が歩く植物図鑑に見えてきたんだけど?」
夏ちゃんがドン引きしながら薬草を採取してくれる。
え、なんでそんなにドン引きされるのよ。
リストの見つけやすいモノからどんどん探し当てている私達。
と言っても探しているのは私と夏ちゃんと永澤君のみ。
他の二人はというと………。
「………あいつら、これ実習だってこと忘れてるんじゃないわよね?」
その二人がいる方を見るとそこには宮野のチームがいておしゃべりをしていた。
他にも違うチームの子たちが集まっているのが見える。
「ていうか、宮野たち全然集めてないじゃん。どうすんのよ」
そう、これはあくまでも合宿であって遊びではない。
実習ごとに試験が与えられるのだ。それをこなさないと減点される。
まずチームごとに200ポイント与えられ、試験で減点となるとポイントが減っていき0になってしまうと夏休み期間中での補習対象となるのだ。
また、減点されても実習内での態度や学習意欲などで追加点が入ってくるのでそれを踏まえて生徒は真剣に取り組むように仕組みが出来ている。
「まあ、あっちはあっちでやればいいじゃん?俺たちはさっさとリストの薬草探そう」
ほい、リストにある薬草取ってきたと渡してくる永澤君。
「そうだね。てか、あの二人もこっちのチームなのに全く協力する気ゼロじゃん」
じろっと今でも宮野とおしゃべりをするチームメイトを睨みつける。
「本当にね。まあ、俺たちはちゃんと注意をして、一緒に協力しようって言ったのにもかかわらずああしているんだから、ほっとくしかないって」
「本当。琴羽が提案したのにあんな態度、失礼じゃない?」
「まあまあ、夏ちゃん。私の為にそんなに怒ってくれてうれしいけど、私気にしてないから」
ぷんすかと眉をひそめる夏ちゃんをなだめる。




