7-5
そして、待ちに待った合宿当日。
「海だ!」
「山だ!!」
「キャンプだぁぁあああああ!!!」
「こらぁ!!大声で叫ぶなぁ!遊ぼうとするなぁぁぁあああ!!!」
学園が用意したバスに乗って二時間の移動の末、到着した合宿先でテンションが上がり砂浜に駆けていく生徒達。
それを注意に走る先生達。
そして、それを第三者目線から見ている私達。
「元気だな、あいつら」
「まあ、合宿だしね」
「皆、楽しそう」
バスから降りて海を見た瞬間何人かの生徒たちが駆けて行ってそれに便乗するように他の生徒達を駆けていく中で永澤君、高堂君、そして私は傍観していた。
そんな中、冬夜はというと………。
「先生。夏服姿も可愛らしいっ!!!!」
「あ、ありがとう」
半袖のワイシャツにベスト、そしてスカートという夏服バージョンはゲームで死ぬほど見てきたがやはり可愛い。ただ、私的にはこの制服を自分が着ていることが少し複雑だ。
そんな私の心情など知ることのない冬夜が何処から取り出してきたのか分からない一眼レフで私を撮りまくっている。
どういう状況よ、これ。
しかも、肌が焼けるといけませんのでこれをと日傘を渡してきた感じ用意周到すぎるなぁとは思っていたけどさ。写真を撮りまくるのは本当に意味が分からない。
そんな彼の今日の服装は何故か迷彩服。
俊敏な動きをしているくせに汗一つも流していないから、やはり魔物なんだなとこの状況を理解したくなくて現実逃避をしてしまう。
そうして、やっと状況が落ち着いて先生達から改めて今後に関してのスケジュールが言い渡される。
「では、泊まるコテージのカギを渡します。泊まるコテージにも班が分かれていますので端末で確認するように。荷物を置いてスケジュール通りに一時限目の実技を行いますので準備して三十分後にここに集合しましょう。遅れないようにね」
そして、もう一つの注意事項を話し始める。
「知っての通り、ここにはダンジョンがあります。入り口は立ち入り禁止になっていますが、まだ発見されていない入り口もありますのでダンジョンの付近には近寄らないように」
では、一旦解散と言われて端末に送られた班分けを見てみる。
「…………………」
班分け……、なんだよね?あれ、目がおかしくなったかな?
私、一人なんだけど………。
「ええええええ!!琴羽とは別になるの!!!?」
そんなに驚かなくてもいいんじゃないかな、薫さんや。
大声をあげるから他の子たちもなんだなんだと気になってこちらに視線を向けてくる。
「先生達から冬夜を外で待機させるのは外に影響を及ぼす可能性があるからってことで別になったの」
あの後、先生に声を掛けられて説明をされた。
S級の魔力によって外部に影響を及ぼす可能性もあり、その他にも威圧感により周りの生徒達が委縮してしまい、睡眠の妨げになってしまうので別々にしてしまった。
すっっっごく申し訳なさそうに言う先生の顔を思い出してしまう。
「まあ、当然だろうね」
「学寮も遠城さん、一人部屋だし」
「ええー、つまらないぃ」
不満げに声を上げる二人だったが、理由が理由だけに納得をしていた。
周りにいた子たちも中等部からいるからS級についてはよく理解をしてくれている。
「でも、部屋が別々なだけで皆と行動はできるから楽しみだよ」
はにかみながらそう言うと何故か創術部の全員と周りにいた子たちが突然、顔を覆い隠す。
あれ、この光景。前にも見たことがあるような……。
「不意打ちで来るのズルくない?」
「これが天然の人たらしスマイル」
「ファンに殺される」
「ふぉぉぉぉおおおお」
「真っ正面からの笑顔が眩しい」
皆してよく分からないことを言い出し始めた。
しかも、周囲の子たちも似たようなことを言ってくる。
なんで、笑顔ありがとうございますなんて言われるの?




