第七章 夏だ!海だ!合宿だぁ!
最終試験のあの日から数週間が経った。
私の体調も見事に回復をし、教師たちから宮野との謝罪の場を設けてくれた。
促されるように謝ってくれたが、まだ目には憎悪の感情が見えた。
だが、私は事態を大事にしたくなくて謝罪を受け入れた。
それでも、噂というのは広がっていて宮野に対して当たりが強くなってしまった。
―遠城さんを”悪しきモノ”だって言いふらしているようだよ?
―ええっ、聖女の資質があるからってやりすぎじゃない?
―なんか、最終試験の時に遠城さんを叩いたって聞いたけど?
―え、マジかよ!?こわっ
―ねえねえ、なんか宮野さんの取り巻きの子たちってなんかおかしくない?
―分かる。なんか、信者とか自分たちで言っているようだし。先生たちに報告したほうがいいかな?
と噂に疎い私の耳にも入ってくるレベルで広がっている。
そんな噂が広がってしまった為、宮野やその友達達は遠巻きにされているようだ。
「と、遠城さん!おはようございます!」
「星野さん、おはよう。今日は一限一緒だね」
「は、はいっ。とても楽しみですわっ!!」
なんだか、顔が真っ赤になっている星野さん。
どうしたんだろう。夏だから暑いのかな?でも、冷房がかかっているから涼しいはずだけど…………………。
試験が終わり、やっと日常が戻ってきた。
戻ってきたと思ったんだけど……、背後からチクチクとまるで針を刺すかのような視線が感じられる。
ちらりと後ろを見るとそこにはやはり宮野がこちらを睨んでいた。しかも、その隣に座っている宮野の友達だろう生徒もこちらを睨んでいる。
うゔ、何でこうなったんだ?
私は平平凡凡に学生生活を過ごしたいだけなのに厄介ごとに巻き込まれたなぁ。
はあと心の中で溜息をつきながら、席に座る。
本当によくわからない。
天使がなんで私を”悪しきモノ”と言ったのかも、彼女が何であそこまで私に憎悪の感情を向けてくるのか分からない。
私が知らないうちに何かやってしまった?
いや、そもそも接触しているのは授業中だけだし、席も離れているから接触しているかって言うと怪しい。
まあ、先生達も今後はもっと指導していくと言っていたしその内収まるだろう。
そう軽く思っていた私が浅はかだったと後悔するのは今の私が知る由もなかった……。
「うわぁ、やっぱり琴羽が一位じゃん」
「しかも、実技もほぼ満点」
「流石だね。遠城さん」
「皆と勉強した成果が出ているだけだよ」
中間テストの解答用紙が返却されるとともに順位が掲示される。
私の名前が一位の隣に書かれていた。
点数は志乃が言った通りにほぼ満点だった。ケアレスミスや減点部分があったから今度から気を付けないとな。
そんなことを考えながら皆の順位を探していた。
二位のところに高堂君と永澤君の名前を見つけた。
他の子たちも見つかって補習を回避したことにほっと胸を撫で下ろしていた。
「……君と順位が一緒になるのがこの上なく不快だね」
「言ってくれるじゃん。この腹黒優等生」
何故か高得点を取ったというのに二人揃って睨み合って火花が散っている。
「赤点回避できたぁ、よかったぁぁあああ」
「琴羽の要点チェックリストが役に立ったよ。マジで神様仏様琴羽様、ありがとう」
何故か薫たちは私に向かって両手と合わせて拝んでいた。
他にも教えた子たちからお礼と何故かこちらも拝んでいく。
え、流行っていることなの?これ。
「でも、これで皆と合宿に行けるね!」
「うん、超楽しみ!!」
「しかも、コテージに皆で泊まるんでしょ!」
きゃあきゃあと楽しそうに話している二人が可愛くってのほほんとその様子を見ていた。




