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6-13

そして、テスト二日目。

筆記の方は何も問題なく終わったが、午後の実技試験になり偶然なのか宮野と一緒になってしまった。

相変わらずぎっとこちらを睨んでくる。

一緒に実技試験を受ける子たちが心配そうにこちらを見てくる。

うゔ、なんだか申し訳なく思ってしまう。

そのまま試験会場に移動をする。そこには試験官としてファミア先生が立っていた。

全員が席に着くのを確認すると試験内容が告げられる。

「では、これより変身魔法の実技を始めます。全員のテーブルにはグラスが置いてあります。それに変身魔法を掛けてもらい羽根にしてもらいます。始めの合図をしますので各自、自身のタイミングで魔法を掛けてください。制限時間は一時間です」

変身魔法はまあ、文字通り対象となるものを自在に別のものに変身させる魔法のことである。ただし、スケールのデカいものに変身させるには膨大な魔力が必要となってくる。例えば、蜥蜴をドラゴンにや金魚から鯨などなど。後はこの世界に存在しない物に変身させることはできないこと。

そして、この魔法で重要となってくるのは頭の中で変身させたいものを正確に思い浮かべることである。曖昧なままでこの魔法を使用すると変形したり、別なものに変身してしまうからイメージトレーニング(イメトレ)が大切だ。



「では、始め」



先生の声に皆が一斉に呪文を掛ける。

この実技はかなり優しい方である。

だって、羽根なんてすぐに思い浮かぶものだし、変身魔法自体かなり初歩的な魔法だったりする。応用としては苦くて飲めないポーションに魔法を掛けてあら不思議、イチゴミルク味に大変身させることだってできるのだ。ただ、その場合は味のみの変身になるからかなり繊細さが必要になってくるのだけど。


「"トレンス・ビラ"」


呪文を唱えるとキラキラとしたエフェクトがグラスに振りかかり、瞬く間に白い羽に変身した。

うん、これで試験はクリアだ。

余った時間は翌日に控えているテストの範囲を頭の中で復習しよう。

ほっと息を着いたその時。


「きゃあ!?」


女子の悲鳴とともにグラスが割れる音が響き渡る。

驚いて咄嗟に後ろを見るとそこには。


「コケエェェェエエエエエエエエ!!!」

ニワトリがいた。


しかも興奮しているのかバサバサと羽をはためかせて近くにいた生徒たちのグラスを壊していく。

変身魔法を失敗したのがすぐに分かった。

でも、一体誰が?

いや、そんなことよりあのニワトリをどうにかしないと他の生徒にも被害が及ぶ。

そう考えているとふっと誰かの声が響き渡る。


「"トレンス・ビラ"」


ニワトリは瞬く間に羽根に変わった。

そっと隣を見るとそこにはファミア先生が立っていた。

「……………宮野さん。貴方はこの試験を終了とします」

その言葉に誰もが宮野を見るが彼女自身、呆然として何が起きたか分かってないようだった。

先生はグラスが割られた生徒たちの元に行くとその割れたグラスの破片たちに変身魔法を掛けて元に戻し、テーブルに置いていく。

「まだ時間はあります。再開してください」

まるで何事もなかったように告げると生徒たちも我に返り呪文を唱えていく。

か、カッコいいっ!!こういう女性に憧れるのよね。

「………遠城さん、前を見なさい」

あ、ずっと後ろ見てたんだった。

慌てて前に向き直り時間になるまで大人しくしていた。

そして私は気づかなかった。後ろから私に敵意剥き出しで睨んでいる宮野の姿があったことを。

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