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その後は宮野と一緒に試験を受けることはなかったが他の子たちが実技とかで一緒になった際にハプニングが連発したらしい。
飛行魔法の実技では彼女の周りにいた子たちの道具が勝手に浮いたり、植物学では細心の注意がいるマンドラゴラが急に泣き出したり、占星学では何故か水晶に罅がはいってしまったりしたりなどなどハプニングが起きているようだ。
「ついさっきの実技大変だったよー」
「宮野さんの所為にするわけではないけど、なんだかおかしいよ」
「筆記試験では何事もないんだよ?でも実技で……………」
「宮野が何かしてるんじゃないか?」
「でもそれだと先生たちが気づくって」
とひそひそと話をする生徒たち。
一体何が起きているんだ?
状況かいまいち分らないまま、最終日を迎えた。
筆記試験は無事部終了し、最後の実技へと向かう。
「えっと、最後は魔薬学か」
「実技となりますと調合でしょうか?」
「そうだと思う」
冬夜とそんな話をしながら試験会場へと歩いていた。
時間はまだあるし、余裕で辿り着ける。
「―――――先生、こちらの道を行きましょう」
「え、でもそっちって遠回りになるよ?」
隣で歩いていた冬夜が不意に止まって私も同じく止まったら、急にそんなことを言い出した。
「………先生。私、この一週間の間、先生の邪魔にならないように隅でずっと見守っていたのですよ?ブラッシングもなでなでもあーんもすべて、す・べ・てっ!!我慢をしていたのですよ?先生欠乏症で死にそうになっていたのですよ?添い寝ぐらいでしか先生と触れ合う時間がなかったというのに先生は私のこのような我が儘も許してくださらないのですね。ひどいお人だっ!!!」
なんか急にノンストップで喋り出したぞ、この猫。
しかも、座り込んでその長い身体を半ば倒しながら口元に手を添えてふるふると震え始めたぞ。
なんだろう、こう……………、浮気をしたのね!酷い人!!と昼ドラ的な人妻の雰囲気を醸し出しているんだが。
やはり前から言っているがこの猫は変だ。
「先生、どうしてもこの私の願いさえ聞き入れてくれないのならいっそのこと、しょぶ」
「分かった!分かったから!!こんなところで刀を出すなっ!!!!」
どこから出してきたかか分からないなんか見たことのある日本刀を差し出してきたので慌てて止めた。
何々!?どうした!?この猫、今日は一段と変だぞ!?
困惑しながらも彼の要望に応える。すると、さっきまでのが嘘だったかのようにいつも通りの綺麗な笑みを浮かべた彼が立っていた。
……………あれ、なんだろう。さっきまでのが幻覚だったのかなって思えるほどに彼がいつも通りになっている。
「さあさあ、参りましょう。先生」
「う、うん」
再び歩き始めた私の隣で冬夜はちらりと後ろを見るとそこには何人かの生徒が隠れているのが見えた。
「(あの娘の信者か。隠れているのがバレバレだ)」
くだらないと心の中で嘲笑しながら、自分たちが通るのを今か今かと待っている愚かな虫たちのことなどあっさりと思考から捨て去り彼女の元で微笑むのであった。
最終試験の魔薬学の工房についた。
時間には間に合ったようだが、何故か宮野が私の姿を見て目を丸くしていた。
どうして、そんな表情を浮かべるかが謎だったが声を掛けることなく工房へ移動となった。
試験官は石橋先生だった。
「試験の内容は浄化のポーションを調合してもらう。各テーブルにある薬草などを使用し、制限時間二時間以内に完成させること。では、始め」
その言葉で皆、テーブルにある薬草の確認をし始める。
勿論、私も確認をし浄化のポーションに必要な薬草などを順番に置き始めて底の深い大きな竈に火をつける。よく童話とかで魔女が怪しい薬を作る竈を想像してもらえると早いか。
釜戸に入っている水が沸々と沸騰してきたら浄化のポーションの調合を始める。
ちなみに浄化のポーションは呪い、毒、麻痺などの異常状態を回復できる物で世この界ではよく使われている便利なポーションだ。
順番を間違えないようにと量を間違えないようにしないといけないから慎重に入れていく。
マナの雫、天使草、マジックビーンズ、精霊蜥蜴の尻尾、天蜂の蜂蜜の量を量って入れて混ぜていく。
最初は毒々しい紫色であるがゆっくとかき混ぜていくとどんどんと薄紫色に変化していき、ポーションが完成する。
後は小瓶にいれて試験はクリアになる。
そう思って油断したのが間違いだった。




