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明けましておめでとうございます。
彼女が入学してから緊急集会を開き、そこで全生徒に向けて言われたことだ。
魔物の最高位に立つ災厄。
ましてや、ブラッドキャットはかなり有名なモノである。
S級に関しての資料が少ない中で秘匿とされている書物の中に何体かの情報が書かれていた。
一体目は時幻竜。世界の始まりに誕生した最古の龍。
始まった世界が安定するまで地上に存在したとされていた。かの龍が暴れれば国いや、世界の半分が消失すると記されている。
二体目は死魔大王。悪魔の頂点に君臨する最上級悪魔。
『世界の混沌』で出現した悪魔であり、暴虐を尽くし数千人の魂を食らった災厄の一人とされている。
三体目は琴羽の使い魔として召喚された血塗られた猫。
かのモノの誕生は不明。『世界の混沌』では時幻竜や死魔大王と死闘を繰り広げたと記されているだけだ。
四体目は漆黒。大天使でありながら堕落してしまった堕天使。
『世界の混沌』で聖女に召喚されたのだが、何が起きたかは不明だが三体の死闘の際に堕天使へと変化してしまったという。人間を蹂躙した災厄の一人だ。
五体目は永雪狼王。『世界の混沌』より誕生したフェンリルの王。九千九百九十九体の血肉を食らい、変化した。王として妖狼たちを率いて人間も魔物も関係なしに食い散らかしたと記録には残っている。
他にもS級はいるようだが有名なのはこの五体とされている。
何故、この五体が有名とされているのか。
それは世界の始まりである人類と魔物の大戦『世界の混沌』において世界を滅亡するほどの脅威を与えたモノたちだからだ。
はるか昔に魔物が人間界を支配しようと魔界と人間界を繋げる入口である『世界の狭間』からこちらに攻めて来た。
人間たちは”勇者”や”聖女”と呼ばれる者たちとともに魔物と戦ってきたが、押されていたという。
人類が滅亡するのが濃厚になった時に時幻竜、死魔大王、血塗られた猫の三体による死闘が勃発した。
どういうきっかけで死闘となったのかが分からないがそれに巻き込まれ、約三億人の人間、攻めてきた魔物約五百億が死亡したという。
死闘は続き、いよいよ世界が滅亡する一歩前まで行った際に神が降臨し、戦いは終息した。
これにより、『世界の狭間』は神により永遠に閉じることとなり魔物が自由に人間界に降り立つことが出来なくなった。
これが世界の始まり。子供の時によく聞かされる話である。
この後も大戦は多くあるのだが、S級が降臨したのはこの『世界の混沌』のみである。
その一体が今やこの学園の生徒の使い魔だ。
ただ、使い魔であってもその強さはS級である。”制約”を結んだところで無意味であろう。
彼女がいるからかのモノは何もしないだけでもし、彼女が傷つくことがあったらと思うとゾッとする。
「………頼むから誰も変なことするんじゃねーよ」
そうでないと世界が滅ぶ。
「今日はなんだか、いつもより疲れたな」
自分の部屋に戻り、ぐったりとソファに寝転がった。
宮野のいじめの件は解決したというのになんだか頭が痛い。
疲れがどっと来たのか?今日は早めに寝ようかな。
そうやっていると冬夜が心配そうに声を掛けてくる。
「先生、大丈夫ですか?」
「うーん、ちょっと疲れたかな」
そう答えると冬夜は何故か黙って私をじっと見つめてくる。
「………先生」
「うん?」
私は顔を上げて冬夜を見ると何故か目の前に彼の顔があった。近っ。
どういう状況になっているか分からずにいる私をとても楽しように笑みを浮かべる。
ようは冬夜が私の上に乗っかっているのだとやっと気づく。
「先生。命令してくだされば私が全部”処理”をしますよ?あなたの憂いをすべて消して差し上げましょう」
先ほどの笑みとは打って変わって妖艶に笑みを浮かべて私に囁いてくる。
「あの聖女も、あの虫も、すべてです。貴方が傷つく前に私がやりましょう」
いつの間にか体が動かないことに気づく。
呼吸はできるのに彼から目を逸らすことができない。




