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6-6

すっごい間をおいてから発せられた一言。


「前から遠城さんから悪口を言われているとか、物を隠されたりするって言うんだよ」


他にもやられていて、これ以上するようなら先生に言うとも言われた。

……………いやいや!?いじめなんてしてませんよ!!?

体はまだ16歳の女子高生だけど中身は社会人精神が根付いているおばさんだよ!?

そもそも、なんで私がいじめの主犯で疑われているの!?

「ちょっと待って。私、宮野さんをいじめてなんていないよ」

席を立ち彼と対面をして否定をする。

「え……、でも本人がそう言っていたんだ」

なんだか疑うようにこちらを見てくる。なんでだ!!


「……証拠は?」

「え?」

「証拠はあるのかって聞いているんだ。遠城さんが宮野愛をいじめているっていう証拠はあるんだよね?写真、録音等もちろん持ってきて彼女に言っているんだよね?」


それまで口を閉ざしていた高堂君が割って入ってきた。

皆、じろっとその男子生徒を睨みつけていた。

その圧に怖気づいてしまったのかおずおずと後ずさりながらこう返してくる。

「しょ、証拠はないけど彼女がそう言っていたから」

「はぁ?君、証拠もなしに琴羽ちゃんがいじめをしているっていうんだ」

馬鹿じゃないの?と聞こえてきそうなぐらい呆れた目で永澤君が彼を見る。

「それにさー。琴羽は無理だよ、どう見ても」

「そうそう。それに宮野さんって確か放課後って魔法の補習をしているって聞いたし琴羽と会うなんてまず無理じゃないかな?」

放課後は部活で部室にいるし、寮でも別館だしと薫たちが証言をしてくれる。

「それに当の本人はどうしてここにいないの?こういうのって本人が立ち会わないと話がこじれるのに何で第三者の君しかいないんだい?」

眼鏡をグイっと押して問いかけていく草壁君。なんだか、ドラマとかででてくる弁護士に見えてきた。

「そ、それはえっと彼女が遠城さんと会うのが怖いって」

……え、授業中ずっと見てくるのに怖いの??

訳が分からないがとりあえず、彼にはいじめをしていないことを再度伝える。

「もし別の誰からいじめのような行為があるのだったら先生たちに相談した方がいいよ。それと証拠も端末に写真を撮ったりするように伝えて」

「う、うん。分かった」

「ああ、それと君さ。場所を考えて発言したほうがいいよ?」

アドバイスをしていたらまた割り込むように入ってきた。

永澤君がニタァとあくどい笑みを浮かべながら彼に話す。


「ここ食堂。全生徒が使用する場所でそんな話をされたら注目の的になるのは琴羽ちゃんだ。やってもいないことを指摘されて、もし他者がそれを鵜吞みにしてセンセー達に報告していたら大事になるんだぜ?それに琴羽ちゃんにあらぬ疑いをかけられたら…………、後(・)ろ(・)に(・)い(・)る(・)猫も黙ってないよ」


そう言った瞬間、ぞわっと悪寒が走った。

彼の後ろにはいつの間にか冬夜が立っていて、にこりと口は笑っているが目は笑っていない。

そんな冬夜に後ろを立たれている彼は見ると真っ青な顔をし冷や汗をかいていた。

「疑いを持った全員のこと……、どうにかしちまうかもな?」

そう言い終わるとなんてなと先ほどとは打って変わり、ケラケラといたずらが成功した子供のように笑いだす。

「流石に主人の命令なしに動くほど馬鹿じゃないし、問題が解決したんなら大丈夫だって!!冗談だよ」

なあと私に声を掛けてくる。

「う、うん。私も問題が解決するならそれでいいし、今回のことはあまり気にしてないからっ」

そうフォローに入ると彼は涙目になりながら壊れた人形のように頭を下げてくる。

「ぼ、僕もごめんなさい。遠城さんを、う、疑ってしまって、ごめんなさい、ごめんなさい」

「だ、大丈夫だよ。分かったから」

何度も頭を下げてからこの場から逃げるように去っていく彼の後姿を冬夜がじっと見つめていた。


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