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翌日、いつも通り授業を受けていた。
テストも兼ねて範囲の重要な部分の再度確認とかもしてもらっている。
まあ、例外もあるのだが。
「それでは授業を始める」
「石橋センセー、自習にしませんかぁ?」
とある女子生徒がそう問いかけるが。
「必要ない」
ぴしゃりと言い返し、授業が始まった。
不満の声がするがそれも一切無視をして授業をするこの先生こそ、最後の攻略キャラの石橋玲人だ。
担当は魔薬学で常にスパルタで有名な教師だ。
ゲームの中でも冬夜に次ぐ人気を誇っていたな。
黒髪でロングストレート、端正な顔に色白の肌。長身で白いワイシャツにズボンと言ったシンプルな格好だが似合ってしまう。
イケメンではあるがスパルタすぎるのであまり好ましくは思われていないのも多い。
テストでは辛口で満点を取ったことが誰もいないのだとか、授業で分からなかった部分を聞きに行くとそんなことも分からないのかと言われて泣いた生徒も少なくはないのだとか。
ある意味で有名人な教師である。
まあ、ゲームでも冬夜の次に好感度が上がりにくいって攻略サイトで見たっけ。
「では、次の問題を………。遠城」
「はい」
そして、絶対に私へ問題を当ててくるところが謎なんですが?
しかも結構難問を出してくるから厄介なんだけど。え、嫌われているのか?こんな分かりやすい嫌がらせをしてくるのか?
「カラカコウの羽、ブッロクスの牙、氷河バチの蜜、デンマル草で作られる薬は何だ?」
「えっと、炎症を抑える薬です。医療でよく使われる薬品です」
「正解だ。では、氷河バチの蜜を採取する際に気を付けることは?」
「凍傷です。氷河バチの巣は極寒の地に作るため、攻撃もそうですがそこへ行くための諸準備を忘れてはならないことです」
「………正解だ。では、次の項目に入る」
なんで教科書に載っていない問題を振ってくるのかが本当に不明だ。
今やっているのって異常状態を治療するための調合の仕方を話していたよね?
なんで炎症を抑える薬の調合とその注意事項を訊いてくるの?
どこにも載ってないですけど?しかも、その薬の調合って医療関係の書物を読んでないと分からないからね?たまたま、読んでいたから答えられたけどさ。
なんでなんでを連発しているのだが、本当に何で私目をつけられているんだ??
訳分からないよ………。
「今日も当てられてたね。遠城さん」
「まじで話は本当だったんだ。琴羽が石橋先生に目をつけられているって」
「なんでなの?」
「私も知りたい」
食堂のテーブルに突っ伏して、はあと深いため息をついた。
「しかも、難問ばかり訊いてくるから他の先生に相談したら?」
「いや、嫌がらせされているっていう確証がないから相談したって無駄だと思って」
「とは言ってもさ。毎回毎回、難問出されるって嫌がらせじゃないの?というか、全問正解しているって本当?」
志乃が訊いてくる。
「たまたま、読んでいた参考書から出ていたりしたから運がいいんだよ」
「………これは遠城さんを凄いと思うべきなのか、石橋先生を疑うべきか」
ポツリと呟くように口を開いた草壁君に何のこと?と首を傾げてしまう。
分かってないのは私だけで皆は頭を抱えてしまっている。
とそんな一同の元に一人の訪問者が。
「あ、あの遠城さん」
声を掛けられた。そちらを見ると同級生の男子生徒が立っていた。
「ちょっと聞きたいことがあって」
言いづらそうに言ってくる様子に何か違和感を感じるが何かな?と返答すると彼の口から思いもよらぬ返答が返ってきた。
「遠城さん、”愛”のことをいじめないでほしいんだ」
………………………………………………………はい?




