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「恐らくあの聖女の使い魔の所為でしょう。性質で逆に溢れてしまったと思います」
神聖の性質。魔物を近寄らせないのが特性ではあるが、それが逆に敵を集めてしまい囲まれたのだと冬夜が言う。
「あの聖女はまだ使い魔の使い方が分かっていません。現にほら、一人脱落をしてしまいました」
と画面を見ていないのにすらすらと実況する彼に呆気を取られる。
確かにチームの一人が脱落してしまった。しかも、ゴブリンではなく天使の攻撃に巻き込まれるような形でだ。
模擬ダンジョンだから脱落すれば傷は治癒されるのだが、大けがをしたら少し残ってしまう。だから、保健委員が待機をしていつでも魔法を掛けられるようにしているのだ。
「天使の攻撃の範囲が広い所為で上手くチームワークが取れてないんだ」
「そのようです。あのむ……、使い魔は結界だけでも張らせていればよいものを」
こぽこぽと紅茶を淹れる彼だったが今、天使のこと虫って言おうとしたな。言い直したけど。
「知識不足、経験不足もあるでしょう」
私の前にあるテーブルに紅茶が入ったカップを置く。
「今日用意したのはハイビスカスティーです。疲労回復に丁度良いと思いまして」
「あ、ありがとう」
どこから出してきたんだ?まあ、ありがたいんだけど。
甘酸っぱい紅茶が疲れを癒してくれる。
「先生と比べるのも烏滸がましいですが、魔物の特性、チームのバランス、魔法使用の選択などやはり幼稚ですね」
ど、毒舌だな。今日は特に。
「今年の優勝は先生のチームで決まりのようですね。ほら、終わりましたよ?」
ついっと中継を見ていると宮野のチームが脱落した。
魔力切れによる棄権って書いてある。
「魔力の使い方も赤子のようですね」
それはそれとして、紅茶のお代わりはいかがですか?と綺麗な笑みを浮かべて言う彼。
いや、本当に何か恨みでもあるのか?
休憩をしながらぬぼーと観戦をしていると生徒会役員が呼んできて表彰式を行うので戻ってきてほしいと言われた。
あ、終わったんだ。
そして、会場に戻ると高堂君達が待っていた。
「よう。琴羽ちゃん、休めたか?」
「おかげさまで。二人ともありがとう」
「大したことはしていないよ」
と話していると整列するように言われた。
中心に表彰台が設置されており、その上にはこの学園の理事長である人物が立っていた。
白金匡俊。魔法界では名の知れた名家の当主。
三十代後半なのにすらっとした細身の体格、ご本人がクォーターでプラチナブロンドの短髪で端正な顔立ちで紳士的な男性だ。
ゲーム上ではサブキャラだがかなりのファンがいたはずだ。
「皆さん、ダンジョン攻略お疲れ様です。これより表彰式を執り行います」
藤峰生徒会長より表彰が始まる。
「まず一年の部からです。第三位前原チーム、タイムは2時間56分。第二位立川チーム、タイムは1時間38分。そして、第一位」
………そういえば、私。タイムのことを聞いてなかった。
「遠城チーム、タイムは51分20秒!」
わぁと歓声が響き渡る。
………え、まじか。
ダンジョン内って通常の時間より遅くなることがただあるのだけど、それを踏まえてもそんなタイムになるのか??
いや、ショートカットしたのはしたけどさ。え、本当に一位!?
「だろーな」
「遠城さんの判断が早くて助かったよ。流石、リーダー」
と二人にポンと両肩に手を乗せてくる。
表彰台に登り、賞状を渡される。
こういうのって私緊張してドジをやらかするから集中しちゃうんだよね。
よし、問題ないな。




