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そして、数十分後。
ようやく落ち着いて話ができるようになった。
拘束が解かれた男性が椅子に座り、その反対側に私が座って他は各々ソファーとかに座って男性の方を見る。
勿論冬夜は私の後ろに控えている。
「えっと、つまり江ノ島先生。私たちに魔植物を助けるために知恵を貸してほしいということでよろしいんでしょうか?」
すると、男性はこくりと頷く。
癖っ毛の茶髪にワイシャツにズボン、白衣を着てていかにも理系の先生って格好をしている。
彼は江ノ島英明。
植物学担当であの魔植物暴走事件での植物を管理していたのもこの先生である。
まあ、あの事件も管理は完璧の中で起きたことだから不意の事故とされて、処理されたようだけどその後が大変なことが発生したようだ。
まとめると、宮野の使い魔である天使に燃やされた魔植物は植物の中枢を担う役割であった。簡単に言うと他の植物たちに栄養を分割に分け与える植物で、それを失った今、植物が十分な養分を摂取が出来ずに今にも枯れそうになっているという。
しかも、その植物たちが全部魔植物であり管理が難しくあの植物がいたからこそ管理が出来たというのだ。
ちなみに魔植物っていうのはまあ、簡単に言うとポーション作成に必要な植物のことである。
薬草とは違い魔植物には自身に魔力があり、それにより周囲からの魔力を吸収することで成長、生息する。なのでマグマ地帯であろうとも南極などの極寒地帯であろうとも生きていけるのが魔植物の特性である。
ただ、植物によっては魔力量の幅があり自身の魔力を補うために人を襲うモノも少なくはない。あの暴走した植物はかなり魔力量の多い植物の分類になる。
「でも、それは先生の魔法でどうにかなるのでは?植物だって取り寄せすれば」
と私が話していると遮るように先生がこう言ってくる。
「遠城さんの言う通りだよ。僕だって魔法を掛けたんだよ?でも、何故か植物たちに効果がなくてぇ、しかも植物が取り寄せまでに一ヶ月かかるんだよぉ」
魔力量が多く、ましてや魔植物たちに栄養と魔力を分け与える中枢の役割を補えるモノはかなり価値が高いのだ。
それゆえに彼が言っていた一ヶ月後には届くというのはかなり最短な日にちである。
悪ければ数年かかるような代物だからだ。
「このままじゃあ、全部枯れてしまうし。僕クビになっっちゃうよぉ」
どうすればいいんだぁと机に頭を伏せて泣き出す先生。
てか、これって生徒に聞かせるものじゃなくないか?
他の先生に相談すればいいのでは?
と心の中で突っ込んでしまう私。
「……ねえ、琴羽。ちょっと可哀想だし、手伝えることないのかな?」
そっと私に近寄ってきて耳元で話し出す薫ちゃん。
うん、薫ちゃん。先生に対して可哀想って言っちゃいけないよ?
私もちょっと思ったけどね。
「そうだね。僕らで出来ることぐらいあるかもだし」
「もし、どうにもできないようだったらレベット先生に相談しに行こう」
と相談に乗ろうと言ってくる。
「……まあ、とりあえず様子を見てからにしましょうか」
「あ、ありがとう!!」
感謝するよと涙を流しながら頭を下げてくる先生。
それでいいのか、先生よ。
「ってことで冬夜はここでお留守番ね」
「先生!私を置いて行かれるのですね!?」
あれ、これってデジャブ?
植物園に移動した一同。冬夜にはなんとか説得をしてお留守番を任せた。
辿り着いた先に広がるのは様々な植物たちが植えてあり、中央には大きな円状の花壇があるがそこには植物はない。
周囲を見渡してみれば、見た目からはそんなに弱っているようには見えない植物ばかりだったが観察してみると魔力量がかなり少ない。やはり、枯れる一歩手前のようだ。




