(6)
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私は耳を疑った。
いても立ってもいられず、花奈子の両肩を鷲掴みにし、正面から顔を見る。
「まさか、膣の中に射精したりはしないよな。外には出してくれるんだろう?」
髪型も替わりコンタクトレンズで茶色の瞳になった花奈子の顔は、特に私のタイプではなかったが、確かに別の女性のように見えて、少し新鮮だった。
見慣れない花奈子が、俯いて弱々しく首を振る。
顎に目立つニキビがあった。白い脂の芯が詰まっている。
マスク生活で肌荒れしているのかもしれない。
「してくれないの。
だから、私、その度にアフターピルを飲んでる。
最初は買い方もわからなくってすごく悩んだし。もう、怖くて怖くて……」
花奈子は私の目を見ることが出来ない。
学生の身分で、避妊をしないとはどういういうことだろう。
私は、きちんと花奈子に対して礼を尽くしていたというのに。
正直な気持ちを花奈子に伝えた。
「私に花奈子の人生に口出しする権利はない。
しかし幼なじみとして、言わせてくれ。
別れるべきだ」
花奈子は再びわっと泣き出し、私に抱きついた。
「慶太だけ、慶太だけが『別れていい』って許してくれる!」と私の名前を何度も呼ぶ。
懐かしい肌の感触だった。
相変わらずの、身体の分厚さだ。
いや、以前よりもさらに嵩が増したかもしれない。
花奈子なら十分あり得ることだ。
ZOZOで買ったばかりのシャツに鼻水がつきそうだったので、私は慌てて彼女を引き剥がす。
今度ははっきりと花奈子が私の顔を見た。
さっきまでと違って、目には光が宿っていた。
きっと、別れる決心がついたに違いない。
私が少しでも彼女の決断の役立てたのなら、よかった。すると、花奈子は続けた。
「だったら慶太が、私と付き合って!」
つづきます!




