208.絶滅危惧と言うまでではありませんが
アメリカの物価が尋常でないことになってるみたいですが、日本でも値段がなんじゃそら状態になってるもんが有ります。酒のつまみと言えばこれだった筈なのに、今や高級魚になってしまいましたさ……
気象庁の長期予報ですと今年の秋の訪れは遅い、と言い切っておりましたがここ最近涼しいですね。秋、来てる様な気がします。だって、目が痒くてハナミズ止まらないもん。私、春も秋も花粉症がもれ無くついて来るんです。
秋と言えばお祭りの季節。夏祭りも良いですが秋祭りは収穫祭的な位置付けも有って厳かさも相まって独特の雰囲気が有りますよね。ぎらぎらした夏祭りも良いですが秋のお祭りも素敵だと思います。
―—お祭りといえばやっぱし屋台。
店主の煽りとか技はその売り物寄って違う訳で、ここ最近かなり減ってしまいましたが私が子供の頃は『飴細工』の見事な手裁きをかなり長い時間見詰めてて、しかも見た目に対してかなりリーズナブルだったので一緒に出掛けた父親によく買ってもらってました。食べるのが勿体なくてねぇ……このまま飾っておきたいと思ったんですが、そうは行かないですよね。
で、減りつつある……まぁ、おもっきり目に見えて減ってるって言う訳では無いんですがそれでも見かけなくなったなって感じるのが『イカ焼き』の屋台。代わりに『牛串・牛ハラミ串』とか『肉巻きおにぎり』とか『ケバブ』の屋台が増えて来てる様に見えますね。要はシーフードから肉系の屋台に変わりつつあるのかなって思ったりなんか致します。
じゃぁ、なんで焼イカの屋台が減ってるか。それは下の表を見て頂ければ一目瞭然な気がします。
■スルメイカ
2000年前後:30万t超
2010年前後:20万t前後
2020年前後:数万t
2024年ごろ:約2~3万t
■アカイカ
2000年前後:数万t規模
2010年前後:2万t以下
2020年前後:数千t規模
2024年ごろ:かなり少ない
■ヤリイカ
2000年前後:数千~1万t規模
2010年前後:数千~1万t規模
2020年前後:数千t規模
2024年ごろ:数千t規模
■ケンサキイカ
2000年前後:1万t前後~
2010年前後:1万t前後
2020年前後:数千t規模
2024年ごろ:数千t規模
■コウイカ類
2000年前後:数千~1万t規模
2010年前後:数千t規模
2020年前後:数千t規模
2024年ごろ:数千t規模
これは日本のイカの漁獲量の推移なんだけど、焼イカの原材料は主に『スルメイカ』なんですが、その漁獲量が四半世紀前に比べるとなんと1/10まで落ち込んでしまっているのですよ。更に、少ない焼イカの屋台を覗いてみると一杯何と『九百八十円』……お手軽に楽しめる美味しいおつまみだった筈なのに、スルメイカはもはや高級魚、秋田名物『鰰』並みに手に入りにくくなった食べ物になってしまいましたとさ。子供時代はお皿山盛りの鰰を頂くことが出来たんですが、しかも子持ちの物はその卵のぷちぷち食感が心地よくてさぁ、鰰で日本酒、熱燗、頂きたいなぁ。
なんでこんな事になっているかと申しますとやはり温暖化に伴う海水温の上昇が影響してるみたいで水産庁も特にスルメイカを問題視してて、海水温の上昇などによって産卵場や回遊経路、漁場が変化していることに加え、資源量そのものが減少している事を危惧しています。
じゃぁ……養殖してみたら……
と言う発想が出て来る訳で、事実、某大学では『本鮪』を完全養殖して流通ルートに乗せる事に成功してますし、鰻ももう少し時間がかかりそうですが養殖鰻が出回りそうな兆しを見せてるし、痩せた雲丹を人工飼育して出荷する技術はほぼ確立されつつありますしね。
でも、イカはそうは行かなくて、一番のネックは『寿命が一年』しかない。つまり物凄いスピードで成長して産卵してと言う代替わりを繰り返す関係で餌も大量に必要になっちゃって、こいつのコストパフォーマンスを何とかしないと商売にならない。しかも孵化した直後の幼生は非常にデリケートで餌を安定して与えるのが難しい上になんと普通に仲間を食べちゃうことがあるので高密度で飼うのが難しい。そして水温や酸素、水質の変化に敏感で育てること自体が難しい……等等々、問題が山積みで採算ベースに乗せるのは極めて不可能に近いと言う状況に有ります。ですので養殖と言う考えは捨てて資源をいかに守るかって言う方向に向かった方が効率的で未来があると、今のところ言われています。
ま、人間って何考えるか分かりませんものね。人の知恵にAIの情報収集力をプラスしたらひょっとしたら『養殖イカ』を実現してしまうかも知れません。
イカ焼きの原型は江戸時代には既に存在したみたいです。もっとも、記録がそこまで詳しい物が無くて現在のお祭りの屋台で見る醤油を塗った丸ごとのイカ焼きだったのか、輪切りにした奴なのか、それともゲソだけだったのかはっきりと分からないんですが少なくとも三百年以上の歴史がある食べ物ですから私達の代で途切れさせてしまうのはちょっと残念な気がします。私は環境保護にはそれほど熱心じゃなくて、その理由としては裏側で蠢いているどろどろした駆け引きや商売っ気が嫌いって言うのが理由なんですが、それが無くなって純粋に『星のため』に何とかしようって言う活動ならば率先して参加したいと思ってはいます。環境問題で飯食ったり富を貪る奴らが絶滅する事を心から祈ります。
ひょつとして、スルメイカが捕れなくなってるのは、そいつらのせいなんじゃないかしらなんて思ったりも致します。




