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188.お子様ランチと経済情勢の関係と

そういえば私、お子様ランチって食べた記憶ないなぁ。大人になっちゃったからもう注文できないよねぇ……お子様ランチって意外とコスト高なんだそうですよ。

 このメニューを私は頂いたことが無くて、おそらく人生においても口にすることはないんだと思います。と、言うか、ファミレスなんかて注文することができない訳ではないんでしょうけど、オトナとしての自制心と葛藤が自主的にこばんでしまうでしょう、そう『お子様ランチ』この歳で頼むには、鋼の様な勇気が必要だと思います。


 で、お子様ランチはお店によって注文できる年齢制限が儲けられてる場合が多いですね。その理由をざっくり纏めると、けっこう現実的な理由で、子ども向けに量・味付けを調整しているおもちゃ付きなどで原価が高い家族連れ向けサービスとして公平性を保つためって言うのが主な理由みたいです。それに、子供向けの味付けになってて大人が食べると物足りなさを感じる可能性があるんです。子供の味覚はまだ経験値が浅いのであまり幅広い味を知らないのでその分刺激に弱くて、単純に甘いとかしょっぱいと言う単純な味しか受け入れません。


 しかし、シェフ達は考えました、そんなレンジの狭い子供の味覚の世界でも美味しいと感じる味付けを。一言でいうと『やさしくて、分かりやすくて、失敗しにくい味』。つまり、唐辛子・スパイスはほぼ使わない胡椒も控えめな低刺激で塩味は穏やか、しょっぱすぎない程度なんですが薄すぎてはダメ、苦味・酸味は控えめにしてピーマンやゴーヤは避ける。酢もツンとしない程度に抑える。そして極めつけはほんのり甘みでバランスを取ること。そしてこれが一番大切な要素なんですが『何味かすぐ分かる』シンプルさ。これが一番大切なんですって。そして完成したお子様ランチの構成はハンバーグ(甘めソース)ナポリタン(ケチャップ味)オムライス(やさしい卵+ケチャップ)エビフライ(タルタルでまろやか)という事になったんだそうな。こうやって理詰めで考えるとお子様ランチって結構理に適ってて子供が夢中になるのも分かる気がしますよね。


 そして、面白い事に、大人がめちゃめちゃ疲れてるとき、これと同じ味を欲することが多いんですって。『やさしい+甘み+分かりやすい味』結局人間って子供でも大人でも突き詰めるとこの手の味が大好きで、これが味覚の基本になってるんじゃないかって考えたりも致します。激辛が好きとか濃厚な豚骨風味が好きとか大人になると色々な味の好みが現れますが、その根底には分かり易さがあるのかも知れません。ただ、この分かり易さを欲したとき、精神的にも肉体的にもかなり疲れてる可能性がありますから、そういう時には素直にまず休むのが大切かも知れません。私が若い頃は24時間戦うのが美徳でしたがそれやると、歳取ってから困ったことになりますから、若い頃の無茶はほどほどにした方が良いと思いますよ。ま、そんなこと気にしないのが若さゆえの過ちというやつなのなんですけどね。


 1930年12月1日、日本橋三越本店の食堂部主任・安藤太郎が考案したのはスパゲティ、コロッケ、ハム、サンドイッチ、ボンボン、ご飯 などを少しずつ盛った特別プレート。メニューの名前は『御子様洋食』これがお子様ランチの出発点で翌1931年に上野松坂屋が同様のワンプレートを 『お子様ランチ』と命名して販売。このネーミングが全国に広まって一般名として定着したというのが定説になっています。安藤太郎の思想は、世界恐慌で暗い世相の中、子どもに明るい夢をという願いから御子様洋食を発想したんだそうですが、対して上野松坂屋のすぐ近くには 上野公園・上野動園があり、春のお花見シーズンは特に親子連れで大混雑。そのため、デパートの大食堂にも自然と子どもが多く訪れていたそうで、せっかく子どもがたくさん来るのだから、喜ぶ料理を作ろうという発想から生まれたのがお子様ランチなんですって。


 双方共に子供が喜ぶメニューという発想から出発してるんですが、その根底は微妙にずれてる気がします。日本橋三越本店の場合は、暗い雰囲気を吹き飛ばそう、上野松坂屋の場合だと明るさにさらに磨きをかけようと言うのがコンセプト。世界恐慌は1929年から1939年まで続いたと言われてて御子様洋食とお子様ランチがデビューしたのは比較的その初期の頃で不景気が急速に深刻化していった時期でした。特にアメリカでは1930年12月に最初の大規模な銀行恐慌が発生し、景気悪化が加速したんですが、そんな時代背景にあっても日本人は桜を愛でる心の余裕は持ち合わせていたのですね。お子様ランチと言うメニュー名が現代まで残ったのはその希望を大切にする心に響いたのかも知れませんね。


 で、お子様ランチが世界に広まり始めているらしく、子供連れのインバウンド客がこぞって日本のファミリーレストランに出向いている様です。海外では子供向けのメニューってあんまり力入ってなくて、大人のメニューを何点かチョイスして適当に皿に盛りつけたKids Mealは存在するけど日本のお子様ランチみたいに見た目に楽しく子供の味覚に合わせたものと言うのは存在しない様です。だから、例えば列車や飛行機、動物を模《かたど》ったお皿に華やかに盛り付けられたワンプレートが出てくると子供達は興味津々目を輝かせるんだそうです。


 だから帰国後もあのレストランで食べたあれが食べたいって駄々をこねる子供達も多いんだそうでその対応に御両親が頭を悩ませるんだとか。海外、特に欧米では子供がレストランで子供が騒ぐと追加料金を課す店が実際に存在するんだそうで、ヘタすると50ドルとか取られることが有るそうす。更に14歳未満の夕方以降の入店禁止を導入した店が話題になったことが有ったり、個人店が『子どもは入れません』と掲示したり、赤ちゃん連れに『片付け代』として追加料金を請求したお店もあったんだそうです。これじゃぁ少子高齢化は永久に解消しない気がするんだけどなぁ……。


 大人様ランチと言うのも存在するんだそうで、代替お子様ランチ同様の構成でちゃんと大人向けの味付けがしてあるもの。これ、一度食べてみたい気がします。そんでもってビールも一緒に注文しちゃうのって、それじゃぁお子様ランチ体験にならないでしょって、怒られそうですね。

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