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好きなんだからいいじゃない  作者: 優蘭ミコ
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186.食べてみたいな養殖の雲丹

養殖物って天然物に比べてちょっと下に見られることが多いですが、雲丹に関してはそれが当てはまらない場合が有るみたいです。味も値段も天然物を超えてる時が有るそうですよ、一度食べてみたいなぁ。

 私の近所で見かけなくなってめちゃめちゃ焦ってるのが『筋子』なんですよ。これが無いと納豆筋子が出来なくて、日本酒が美味しく飲めないんです。そしてもう一つが『雲丹うに』なんですがこれは無きゃ無いでまぁ良いんですけど、でもでも鮮魚売り場にあの黄色い奴が鎮座してないのってなんだか寂しいものが有りません?鮮魚売り場のショーケースの中を見て感じる彩って、赤・黒・白な気がしませんか。まぁ、もう少しある事は有るんですが、その中に黄色が有ると物凄く目立つじゃないですか、そして彩のバランスが物凄く良くなる気がするんです。ワンポイントって大切だって感じるんですが皆様いかがでござましょうか。


 雲丹の身が黄色やオレンジ色をしているのは、エサである海藻に含まれる『カロテノイド』という天然の色素が体内に蓄積されるためですって。海藻って緑じゃねって思われるかもしれませんがそれは海藻が生きているときの色と熱を加えた後の色という面白い違いがあります。特に若布(わかめ)は緑色の色素-クロロフィル-と赤茶色の色素-フコキサンチン-の両方が含まれてて生の状態ではこれらが混ざって茶色く見えますが、お湯に通すと赤茶色の色素が熱で壊れる又は変質して黄色っぽくなり、隠れていた緑色が鮮やかに浮き出てくるんだそうな。もっとも、それ以上にカロテノイドの量が多くて結果的に雲丹の身は黄色やオレンジ色になるんですよ。見た目で判断してはいけませんね。


 ここ最近、雲丹の養殖が盛んになってて特に『再生養殖』と言って海水温上昇などで雲丹が大量発生する事例が増えてるんですが、この雲丹は身がスカスカでほぼ空の状態なんですって。この雲丹を回収して養殖して中身が入った状態にする養殖の仕方が盛んになってるんだそうな。これを行うと『磯焼け』と言う雲丹が海藻を食べ尽くして海底が砂漠化する現象を防げるんですってよ。海の再生とビジネスを両立させる、こういう商売、なんかいいなぁ。更にこの時に使うエサは『キャベツ』が多いそうな。これはスーパーマーケットなんかから出た、剝がして捨てちゃう外側の葉っぱを回収して使うんだそうで、これまた環境問題に切り込んでるなって気がしますね。


 で、このキャベツの剥がした葉っぱを使うと良い事いっぱい有るんですよ。まず、雲丹の身の色が鮮やかになるんですって。キャベツの外側の葉っぱって、芯に比べてカルテノイドの含有量が多くて与え続けると鮮やかな黄色になるんだそうで、その黄色は天然物に全く引けを取らない鮮やかさ、味の方も甘み成分グリシンがめちゃ増えると同時に苦み成分が減少するので、驚くほど甘くてフルーティーな味わいになるんだそうな。だ、もんだから天然雲丹よりも取引価格が高くなると言う一石二鳥三鳥四鳥位の効果が有るんだそうですよ。こういうSDG’Sは大歓迎なんですけどね。それにしても一度食べてみたいな、養殖物の雲丹。勿論、冷酒付きでね。


 でも、天然物の雲丹だって美味しくない訳じゃないですよね。天然物の良さは産地によって味が違うところにあるんじゃないかしら。これは食べてる物の差でこうなるのは上に書いてきたネタからなんとなく分かってもらえるんじゃないかしら。北海道・東北エリアの物は冷たい海で育つ良質な昆布(利尻昆布、羅臼昆布など)が豊富で、それを食べることでウニの旨みが極限まで高まります。バフンウニなんかが有名ですよね。本州・九州エリアはクリーミーで深いコクが特徴的で、カジメ、アラメ、ワカメ、ホンダワラといった、その海域に自生する海藻をエサにしています。そして意外な事実なんですが、雲丹の漁獲高世界一なのは『チリ』なんだそうで世界のウニ漁獲量の半分以上を占める最大の産地なんですってよ、これは知りませんでした。回転寿司なんかで使われてる物にチリ産の雲丹が多いそうですよ。


 チリは非常に長い海岸線と南極から流れてくる冷たい「ペルー海流(フンボルト海流)」によって支えられてててそこに暮らす雲丹達は主にレッソニア(Lessonia)やマクロシスティス(Macrocystis)といった巨大な褐藻類かっそうるい(ケルプ)を食べて育っているそうでガツンと来る濃厚な磯の香りと、力強い旨みが特徴なんだそうです。なんか日本人の味覚によく合いそうな気がしますね。でも、チリ産の雲丹に合わせるとしたら私は白ワインが良いんじゃないかって思うんですよ。きりっと冷やして程よい酸味が感じられる白ワインは独特のクセを和らげて旨みだけを強調してくれる様に感じるんですが皆様どう思われますでしょうか、今度回転寿司に行ったら試してみようかな、その前に雲丹の産地を聞いてからにしないとですね。


 とろしとした舌触りの後にふわりと広がる磯の香りと風味は雲丹独特の味わいです。少なくとも、今のところは絶滅したりはしなさそうですので、あまり気を使わずに楽しめそうな気がします。しかしながらこのお味もインバウンドの皆様に広がりつつあって、アジア圏だけでなく、世界中で消費される様になれば話は変わってきますよね。雲丹の事は日本人の『ひ・み・つ』にしておく訳には行かないものでしょうか、そうすれば資源枯渇なんて気にしなくても良いんですけどね。でも、雲丹は高い、だからそう頻繁に口に出来るものではない、だからそんな心配するなって言われればそれはそれで、そうだよねって納得してしまうのは、私のお財布の中身が常に枯渇状態だからなのでひょうか……


 貧乏は世界を救う…ホントか?

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