182.甲と乙が語るもの
甲類焼酎は連続式蒸留、乙類焼酎(本格焼酎)は蒸留方法が単式蒸留。で、これから需要が増えるのは甲類かなかしら?レモンサワーが美味しくなる季節ですが、その前にちょっと真面目なお話をしてみたいと思います。
甲乙丙丁……御年配の皆様ならよくご存知のこの言葉、日本で 広く知られる様になったのは明治時代、1873年に公布された徴兵令によるもので二十歳以上の男子は三年間の兵役が義務化され、それに伴う徴兵検査で軍隊に入れる体格かどうかを調べた結果、体格や健康状態によって以下の様な等級がつけられました。
■徴兵検査の等級
甲種:体格・健康ともに最優秀 → 最前線の兵士
乙種:少し劣るが軍務可能
丙種:兵役にはやや不向き
丁種:兵役免除
……つまり
甲=一番強い体格
丁=兵役に向かない
という意味で、当時の男子はこの中のどの等級に振り分けられるかで一喜一憂していた様です。等級にさえ拘らなければほぼ徴兵検査不合格という事は無かったみたいですが、不合格になる場合はやっぱり有って丁種になる主な理由は当時の規定でだいたい以下の様な場合でした。
① 身体的な問題
身長が極端に低い、体重が極端に軽い(栄養失調など)、手足の欠損や大きな変形、視力・聴力が著しく悪い、重い内臓疾患。
② 病気、結核
てんかん、重い心臓病、慢性の感染症、精神疾患。
③ 発育不良
極端な虚弱体質、重度の栄養不足。
④ 精神面の問題
知的障害、重い精神病。
このような場合は丁種として軍隊への入隊は許可されませんでした。実際には多かった理由は『結核』『栄養不足による発育不良』だったそうで、特に昭和初期までは日本人の体格が今より小さくて身長不足での不合格って場合もかなり有ったんですって。余談ですが有名人でも丁種だった人がいらっしゃいまして、例えば作家の太宰治は丁種と判定されてしまいました。結核と薬物依存の疑いが有ったみたいですね。あと、宮沢賢治は病弱で体格も弱く、徴兵検査では兵役不適格、梶井基次郎は持病の肺結核のため、坂口安吾は体格や健康面の理由で兵役には行っていません。
少し事情が違いますけど三島由紀夫は徴兵検査は合格しましたが軍医の誤診(肺結核と判断されてしまったため)で入隊直前に不採用になりるのとほぼ同時期に大日本帝国時代が終了してしまったため兵役に就くことはありませんでした。なんか、この頃から彼は劇的な運命を持ち合わせてたんですね。
さて、話を現代に戻しまして、現代の甲乙丙丁と申しますと、特に甲・乙がとても頻繁に使われ意味を持っている様に感じます。甲乙つけ難いとか、甲案・乙案とか、甲が売る側で乙が買う側とか。残念ながら丙丁は絶滅危惧種に近くなってて一般的には聞かなくなってしまいましたねぇ。
そして、私の中の甲と乙、それは『焼酎』ですよ焼酎。有るじゃないですか、甲類と乙類の焼酎。焼酎の分類は日本の酒税法による区分で大ざっくり言うと『造り方の違い』で分けられています。甲類焼酎は連続式蒸留(何度も蒸留する)で作られてクセが少なく、ほぼ無味無臭。アルコール度数は36度未満で原料は糖蜜などなんですが味はほぼ残りません。すっきりしてて、チューハイ・サワーなんかに適しているのが特徴でしょうか。
で、甲類はレモン搾って炭酸割りが何時ものやり方だった私ですが、へたり込みそうなくらい疲れ果ててたある日、面倒くさいから偶々冷蔵庫の中に有ったローソン様のペットボトル入り『アールグレイ』で割ってみたんですよ、したらばこれかめちゃめちゃ美味しくて香りも素敵でそこからどっぷりハマってしまいました。各コンビ様のアールグレイを試してみたんですが私のお勧めはやっぱりローソン様です。あと、めんどくさがり屋さんでない皆様には勿論、茶葉から紅茶を入れて焼酎と氷をたっぷり入れたグラスに熱いまま注ぐと香りが立って美味しいですのでお勧めします。
一方、乙類焼酎(本格焼酎)は蒸留方法が単式蒸留(1回蒸留)そして原料の風味が結構残ってアルコール度数は45度以下。
代表的な原料として芋、麦、米、黒糖、そばなんかが有りまして、香りや味がかなり個性的です。ロック・お湯割り向きなんですが私、最近麦焼酎を烏龍茶で割るのにハマってます。炭酸割り派が多い中、水割りにするのが好きだったんですが、ミネラルウォーターを切らしてしまい、しょうがないんで烏龍茶で割ってみたらこれが偶然にも美味しくてそれ以来、水割りよりも烏龍茶割りがレギュラーになってしまいました。これもまたお勧めですし、コストパフォーマンスもかなり良いので是非一度お試しくださいませ。
憲法改正論議が何となくですが煙を立て始めてる気がします。その中心が9条だと思います。
日本国憲法第9条(戦争放棄)
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
日本国憲法は基本的に太平洋戦争終結後、GHQが作って押しつけたと言われてますが、この9条に関してアイデアの源は当時の首相『幣原喜重郎』だと言う説が有るんです。彼が占領軍司令官ダグラス・マッカーサーに日本は戦争を永久に放棄する憲法にしたいと提案したという証言も残ってるって言われてはいるんですが、史実として事実かどうか決着はついていないそうです。
ただ、私、この9条って何だかとても清々しくて凛としてて美しくて、もしホントに幣原喜重郎の原案だとしたら当時の人達は本気でもう嫌だって思ってたんじゃないかしら。当時の方々がこの世を去ってその意思が薄まっていく中、世界が大きく動き出し若い著名人達が武装論を語りだした昨今、極端な話、憲法が改正されて徴兵令復活なんて事にならなきゃ良いなって思ってしまう今日この頃を私は焼酎で誤魔化してしまいます。それで言い訳ないことは重々承知してるつもりなんですけどね。この前、アメリカ大統領を納得させたのはこの9条だったんじゃないかって気がしてなりません。
何事も起こらないことを心から願います。そして、学校の社会の先生にお願い、平安時代や戦国時代も良いけど、戦前から今迄の日本の歴史をもう少し詳しく子供達に教えて頂ければと思います。これって日本の未来にとって一番大切な事だと私は本気で思っています。日本が何時迄も安心して焼酎が呑める国で有ります様にと祈りながら。




