攻城戦の前 2 -ミミ、ハイデンベルグ、そしてニコライ-
「連隊を返せ」
クリトンに呼び出されたティアーガ大佐、本名ミミは、いきなりの言葉に憤りを覚えるどころか、呆然と立ち尽くした。
「それは、どういった?」
「連隊はその役目を終えた。ゆえに解散する」
言葉の意味を理解したミミは怒りを抑えて、その小さい体を精一杯大きく見せるかのように大またでクリトンに詰め寄った。
「何故!?納得のいく説明を求める。敵に強力な攻撃手段が残されていると推測される今こそ我ら連隊がその役目を果たせるというのに!!」
クリトンの眼前に来て、両手を振り上げて机をたたきつけた。
連隊は私が作り上げたもの。
将軍、貴方に命じられて、副官と夜を徹して議論を交わして将校を選び抜き、何度も兵の入れ替えをした。そのたびに使いたくはない階級の力とコネを振りかざして批判を封じ込めた。連隊を完成させることこそ我が命と理解して、その後のキャリアを無視して、いろいろなところに恨みを買って何とか理想の部隊を作り上げた。だというのに、命じた本人が何を言うのか!!
「確かに、貴官の言うとおりだ。敵は強力な奥の手を有していて、我らはそれが何であるか掴めていない。ならば、最強の盾を準備すべきだ」
「それを解っていながら、何故?!」
クリトンは机の上で手を組んだ。そして、まっすぐミミの目を見つめていった。
「防げなければどうするね?最強の盾を突破されたならば?我らの盾は既に見せた。しかし、奴らの軍行動にはなんら支障がないらしい。捕虜を尋問したが、彼らは得た情報どおりに行動していて、指揮官からの命令も変わるところが無い。つまり、貴官の連隊は通用しないということだ」
ミミは唇をかんで、クリトンを睨み付けた。
だから、何だというのだ?
連隊を解散する理由にはならない。私の連隊は最強の盾。使いようはいくらでもある。
「大隊ごとに運用する。もとより、その運用法は準計画として伝えてあったはずだ」
「でも!」
あれは私の連隊なんだ。
「各大隊長は貴官らが選び抜いたものたちだ。どこに編入されても、その部隊で命を果たしてくれると私は確信している。それとも貴官は大隊長たちを信頼してはいないのか?そんなことはないだろう」
もう、どうしようも無いのだとミミは悟った。
赤毛を振り乱して暴れまわってやろうかという思いを必死にこらえた。
そんなことをすれば、みんなの連隊の名に傷がつくから。
「では、私はどうすれば?ずいぶん無理を通しましたから、あちこちに恨みを買っています。今から国に帰り、知らない男に股を開いて世継ぎでも作れと?」
ミミの母は他国の出であった。その外貌など関係なく、家柄と強い魔力を買われて輿入れした。しかし、ケルサスはその伝統ゆえに他国出の者には厳しい土地であったから、母は次第に体調を崩すようになった。そして、ミミと弟を生んで役目を果たしたと安心したのか、母は弟を生んだその年に亡くなった。母の血を色濃く受け継いだミミは、長女ということもあって大切に扱われたものの、ケルサスに馴染めずに家を飛び出した。そして叔父のつてを頼って軍に入り、ここに至った。
「捨て鉢になるな。これほどの連隊を作り上げたのだ。昇進しさえすれ、追いだされることなどありえん」
自分をここまで引き上げてくれたのはクリトン将軍。どうやら自分の叔父に借りがあるとかで何かと目をかけてくれた。抜群の成績で士官教育を終えたとはいえ、二十を僅かに過ぎたばかりの自分が連隊を預かるまでの出世のスピードは、いかに名家の出といえ、横紙破りもはなはだしかった。
「では、将軍。貴方の愛人にでもしてくれるのですか?この国に私の居場所はありませんよ」
クリトンは思わず噴出すと、心底おかしそうに膝を叩いた。
憮然とするミミを前にして、失礼ながらも息も絶え絶えに、ひとしきり笑いころげた。
「そんなに可笑しいですか?」
はすかいに睨み付けるミミを手で制して、クリトンは息を整えた。
「それだけの覚悟があるのならば十分だ」
「そうですか。で、誰に抱かれればいいのですか?あの嫌らしい参謀長殿ですか?申し訳ありませんが、あの男は御免です。殺してしまいます」
残念ながらミミは美しかった。
背は小さく、発育は悪かったが、母譲りの美貌に加えて優雅な身のこなしが妙に男受けしたのだ。
「お前の叔父上が、お前を必要としている」
「へ?」
「彼が従軍しているのは知っているな。その部隊に・・・」
「いやいやいやいや。そんなこと聞いていません。なんで居るのですか?あの人はマルブでおとなしくしているはずでしょう?」
「そうか、なるほど、知らなかったか・・・」
下唇をなでて、クリトンはミミを見つめた。
「私の口からは言えんが、これは連隊を授かる以上に重要な任務だ。むしろ私が変わりたいくらいだが、お前でなければ勤まらん。魔石を自在に操り、あらゆる状況に対処出来るお前にしかな」
ミミは幼い頃に顔を合わして以来、手紙でしか言葉をかわしたことの無い気難しい叔父の顔を思い浮かべた。
若草色の甲冑に身を包み、いつも皮肉を顔に貼り付けて、世界中に不満を持っているかのような雰囲気を持っていた。
幼いミミに対してアーティファ信教の小難しい説教を説いて、それで小さな姪に何か大きいことをしたかのように頷いていた。そんなふうに、まるで人擦れしていない風に見えて、じつは全てコントロールしていた。手玉にとって、心の底で楽しんでいた。
ミミは胸の前で腕を組んで、クリトンの膝元に縋るように身を投げ出した。
「どうか、ご容赦を!!」
「どうにも、ならんよ」
****
かつてハイデンベルグの一族がケルサス王から授かった城は既に敵の手に渡り、はためいていた祖国の旗は踏みにじられ、今では敵の旗が掲げられていた。
背を丸めた翼竜が月を踏みしめているその旗は、かつて大陸の中央部いたとされるヤーヘンの王族がマーテルの庇護を受けていた民族よりも高い地位にいたことを表す。北部の草原に追われ、さらにそこでもマーテルを信仰するケルサスに国土を押さえられていたヤーヘンは、ここに国土回復の悲願成就の証を打ち立てたことになる。
それがまさか、自分の代で、しかも落ちた城をこの目で見るはめになろうとは。
ハイデンベルグ辺境伯は手当てを受けながら、落ちた城をただ眺めていた。
上がる黒煙は、戦闘で死亡した配下の者たちの遺体を焼いているのだろうか。ただ無造作に炎の中に投げ入れられる部下たちを思い唇を噛んだ。
煙はどこまでも高く、逃れるように、そして吸い込まれるように空へと上がっていく。
城下の者達はどうしているであろうか、けれど無事を神に願うのは厚かましいことだろう。
祈るよりも、嘆くよりも、剣を手に取り戦ってこそ王国兵、と教えていたのは自分だったから。
ハイデンベルグは手に力をいれようとして、激しい痛みに顔をしかめた。
「なんと、無様な・・・」
どうして、私は。
城と運命を共にしようとした彼を、部下達は命を賭して城から救い出した。
もし共に来ないならば自分たちもまたここで果てると言う騎士達をハイデンベルグは見棄てることは出来なかった。
それに、城の内部の結界、兵器の有無を正確に記憶しているのは彼だけであったから、死ぬわけにはいかなかった。もっとも、そんな理屈など救い出された後で気付いたことであった。
彼は頑固で分からず屋であったが、良き領主であったから、そのときは純粋に部下と彼らの家族を思った故であった。
「もう少し、距離を取るべきであったな」
「何かおっしゃいまして?」
枕元に立ち、かなだらいの湯を交換していたグラナトゥム公国第二公女レオーネ姫が振り向いた。
「いえ、何でもありませぬ」
硬さを残した笑みを浮かべるレオーネ姫からハイデンベルグは視線を外した。
攻め込まれた際、彼は毒の魔術を受けていた。幸い毒は解析されて死の危機は脱したが、この戦にはもう参加できるような状態ではなかった。城の攻略のためと志願して戦場に残ったものの、こうして傷病兵として世話になっていることは、辺境でヤーヘンや亜人達相手に戦ってきた彼にとっては屈辱に他ならなかった。
そのせいか、世話をしにきた看護婦を怒鳴り、止めに入った部下たちにも暴言を吐いてしまった。そんな自分に嫌気が差して、また機嫌が悪くなった。
しかし、二、三日たったある夜中、痛みに目を開けると、白銀の女が彼を見下ろしていた。ぬれた布で額に流れる汗を拭いていた。
何処までも蒼い瞳にうっすらと笑みを浮かべて、窓から差し込む月光に照らされる白銀の髪は、吹きこむ風にたなびいて、つややかに淡く光っていた。
それはまるで、城下に広がる草原で、寝転び見上げた夜空に流れる星の川のようであった。
かすかに開けられた唇から、祈りの言葉が聞こえて、彼はまどろみの中で涙を流した。
妻に先立たれ、息子夫婦は先の内乱で鬼籍に入った。
残されたのは、自分と三人の孫だけ。
その孫を連れて、護衛もつけずに夜、草原へ出かけたのだ。
どうしても、そこから見る、星の川を見せてやりたくて。
ハイデンベルグは自分が冥界への入り口に立っているのだと思った。
そして、そうであるならば、自分は妻たちの待つイデアの世界に、天国に行くのだと思った。
命を落としたものは冥界にて裁きを受ける。許された者の下には豊饒神マイヤが、許されざる者の下には大狼サイレスが、それぞれ訪れるという。
そうであるならば、自分は許されたのだ。
そう思った。
-なんと、心地よい-
彼は額を拭く女の手を取り、ただ、ありがとうと繰り返した。
ほかになんと言えばいいのか、その場にふさわしい言葉を、無骨な彼は持っていなかったから。
美しいなどというありきたりな言葉では表現できない一種の奇跡がそこにあった。
その後、彼は再び眠りに落ちた。
銀の女の手を握りながら、それは戦場にはふさわしくない、深くて安らかなものだった。
次の日、目を覚ますと、銀色の髪を広げて、枕元で椅子に腰掛けたまま女が眠っていた。
夢ではなかったのか・・・。
ハイデンベルグは彼女の髪を撫でた。孫にいつもそうしたように、限りない慈しみを持って。
「おや!お目覚めですね」
ぎくりとして声がしたほうをみると、一人のメイドが大またで音を立ててやってくるところだった。
「姫様、起きてください!ご飯を食べるのです!もうとっくにお日様は昇っているのですよ!」
勢いよく、銀の女-しかしハイデンベルグはその名を知っていた-は起き上がると、大きな目をしばたいて、あたりを見わたした。
目があうと、女はおびえた様子で立ち上がり、頭を下げた。
「おはようございます。ハイデンベルグ辺境伯。あ、あの、私は・・・」
「良い朝ですな。昨夜はお見苦しいところをお見せしました。レオーネ姫」
銀の髪に蒼い瞳、そんな物を持つのはこの世界に他にはいない。
この戦に従軍しているのだと、枕元で聞いていた。
-魔術が使えないというのに、勇敢ですね-
部下が皮肉げに言ったとき、自分も鼻で笑い、戦場を見に来たお姫様の護衛のためにどれだけ兵が無駄になるのかと計算して、怒りを覚えた。
けれど。
「あ、ご紹介いたします。こちらは私の身の回りの世話と本陣の給養員をしているオルディナです」
紹介されたメイドは、先ほどの騒がしさをどこにやったのか、完璧な仕草でハイデンベルグに礼をした。
(さすがはグラナトゥム、教育が行き届いているようだ)
「そして、こちらが・・・」
「カイ、レオーネ様の使い魔です」
「―――」
ハイデンベルグは、息を詰まらせた。
どうして自分はこの青年の存在に気づかなかったのだ?
死角にいたわけではない。
部屋の隅に、視界には収まっていたはずなのに。
グラナトゥムの近衛の制服に身を包み、サーベルを下げ、レオーネを見守るように立っている。特異なのは髪と目の色、そして顔立ち。はるか東洋の若者のようであった。
東洋人?
そこでハイデンベルグは思い至った。間者の知らせで、レオーネがどうやら使い魔を召還したこと、そしてそれがあるまじき者であったことを。
どうして詳しい情報が得られないのか、疑問に思っていたのだが無理も無い。
この男は、ずば抜けている。
「俺は黒騎士と呼ばれるものらしいです。以後、お見知りおきのほどを」
「カイさん、それは機密ですから・・・。」
「そういえば、そうでしたね」
使い魔は悪びれた様子もなく、薄い銀色の兜を被った。
そして、頭を軽く下げた青年にハイデンベルグは何も言わずにただ頷いて見せた。
余裕からではなかった。何も、解らなかったからだった。
もう老境に差し掛かったハイデンベルグは多くの騎士、魔術士、そして黒騎士を眼にしていた。しかし、目の前の青年がどれ程のものか、いや、何であるかも。
(なるほどな)
ケルサス王国を支えるグラナトゥム公国。その血統はケルサス本国よりも古く、神聖で神秘。第一公女の次期女王レナータはケルサス最高の魔術士と評され、その美しさは宝玉のよう。それに引き換え、第二公女は美しさこそ群を抜いているものの、魔術を扱えない役立たずと噂されていた。どうして王国の中でも一、二を争う名門グラナトゥムにそのような娘がと、国中の耳目を集め、物笑いの種となった。
ハイデンベルグも聞き及んでは信じず、城に招かれて目にし、本当だと知った。そして落胆した。彼女なぞ居ないものとみなした。
(それが、どうだ)
なるほど、彼女に魔力が無いのは、あれを召還するためであったのだ。あんなものを手にしてしまえば、魔力の過多など、瑣末な問題であるだろう。
ハイデンベルグは、三人を見た。
ぎこちない微笑を浮かべるレオーネの後ろで、黒騎士と名乗ったそれがハイデンベルグを見ていた。
そして、屈託無く笑うメイドが、ああ、これもか。
思わず苦笑してしまった。
彼らが、意図的に自分にその力の一端を見せているのは明らかだった。
しかし、微笑みと、兜の中にあるものを読みとることなど、ただの人間のハイデンベルグには不可能だった。
だから、心に従うしかなかった。
戦場でいつもそうだったように。
微笑んだハイデンベルグは、レオーネに手を差し伸べた。
「もし、よろしければ、また来てくださいますか。手負いの年寄りの相手なぞつまらないでしょうが。面映いですが、貴女が、私には必要なのです」
きょとんとした後、レオーネはほころぶような笑みを見せた。
「はい!私でよろしければ」
背後の二人の気配が、自分は正しい行いをしたのだと言っていた。
けれど、そんなことよりも、彼女の笑顔を見たことで、ハイデンベルグは自らの行く末を見定めた。
彼女に会えたことには意味があるはずだと、この戦場で美しい姫君を庇護するのだと誓った。
誰がなんと言おうと。
それが、自分を容易く凌駕するものであっても。
「では、姫様のテントをこの脇に移しましょう!そのほうがいいのです!伯爵のお世話は私も一緒にするのです。カイ、いいですね!」
ため息をついた青年、カイが手の平を振った。
あっけにとられるハイデンベルグの脇をすり抜けるようにして、メイドが小走りに出て行き、天幕の外にいたのであろう、部下が入ってきた。
「では、私達はお暇します」
スカートのすそをつまみ、姫の蒼い瞳が伏せられて、白銀の髪がその背から垂れた。
三人が出て行ったことを確認して部下が口を開いた。
「あの方がレオーネ姫ですか。確かにお美しい方ですが、なんと申し上げますか、どこか気味の悪いところが・・・」
しかし、その後は続かなかった。てっきり賛同を得られると思っていた部下の言葉は、ハイデンベルグの刺すような眼光に遮られた。
「口を慎まんか!なんと目が利かぬ奴であろうか!!」
私は誰に剣を預けたのか。
ケルサス王のほかにはいない。
しかし、あれほどの神秘を宿した姫君と支える何者か。
姫になにかあれば、国滅ぶ。
馬鹿らしいが、確実にそう思えるのだ。
ならば、この老いさらばえた身、姫に捧げて見せる。
国ために、いや自分のために。
我が神、マーテルよ。
我が剣に、もう一度、戦場を駆ける力を。
****
「ニコライ、受け取れ」
クリトン将軍が投げて寄越したものを取り、手を広げた。
「これは・・・」
「大佐の階級章だ。理由はわかるな?本当は准将の位をくれてやりたかったが、さすがに目立ちすぎる。だが、貴官ならばすぐに手に入るだろう」
「し、しかし、このようなものをこのような形で・・・」
「今の参謀長は国から押し付けられたものだ。貴官はあの者がこの戦で役に立つと思うのか?無能に可愛い兵たちの命の緒を握らせることなどできはしない」
「私よりも任官の早かったものがおります。ぜひその者に。私には務まりません」
「その者らからの推薦もあってのことだ。それとも、貴官は先の内戦のことを気にしているのか?」
ニコライが身を固くするのを見て、クリトンは机の上で手を組んだ。
「あの娘に、サラ・マンスフィールド、フラーダリーの娘に会ったそうだな」
「はっ!」
「あの娘は不幸な娘だ。しかし、それは貴官の責任ではない。この国の貴族すべての責任であり、貴官が背負い込む必要は無いのだ。・・・いいから、聞け。例えあの娘が貴官を責め、罵ろうが、貴官はただ軍務に従っただけなのだ。軍務における責任は、指揮官が負うべきであることは理解しているだろう?」
そうだ、それは理解している。しかし、磔にされた女の奈落のような瞳が、首の無い少年の、見えるはずの無い涙が、今でも頭をかき乱すんですよ、将軍。
俺が求めていたのは、出世ではない。
罰だ。
それを追って懸命に働いてきたら、あろうことか大佐なんかに、参謀長になってしまおうとしている。
この国の一大事に戦況を左右するような立場になって良いはずがないのに。
「この軍は若い。しかも、状況が切迫している。お前のように経験と素質がある若者を遊ばせている余裕はないのだ」
「しかし、王が許さないでしょう」
マンスフィールドを守れなかったことを王は悔いている。王だけではなくカルブルヌスに、グラナトゥム、彼らもまた決してフラーダリーを罪に落とした者らを許すことは無いだろう。
「王からの許しは得ている。上手くやれ、だそうだ」
「・・・」
「分っておろうが、我らが王は優しいお方ではない。それどころか厳しいお方だ。敵となれば、一族を根絶やしにすることすらためらわん。しかし、若き頃より軍務に携わっておいでだ。貴官の働きを詳しく知っておいでであった。分るか?王は貴官を見ていたのだ。そして、お前は生きていて、出世を遂げている。王のお心を察しろ」
クリトンは椅子を回して、背後に掛かった王国の軍旗を見た。
「我らが軍をコントロールしろ。その先に勝利がある。それを積み上げて、証明して見せろ。罪にまみれた己の存在意義と奪った命のかけがえの無さを。それまで貴官の罪は許されることは無いのだ」




