2話【産声と魔力?】
目を覚ますと、身体中を鈍い痛みが包んでいた。
同時に温もりを失ったような喪失感がある。
体はビショビショだ、視線を巡らせようとして、目が開かないことに気付く。
あと、なんだかすごく、、くるしい、!!!
「おっ! おんぎゃあああ〜!!!!!」
僕の口から出たとは思えない甲高い声だ。
それが聞こえると共に、息苦しさは抜けるのさ。
不足していた空気を吸い込む。
満たされていくのを感じながら、初めて耳を傾けてみる。
「元気な赤ちゃんよ! 良かったわねエルンさん!」
声が確かに聞こえた。
言葉は同じ、とゆうわけでは無さそうだが何となく理解できる。
これは多分転生特典みたいなものなんだろう。
耳に膜が張り付いたようでいまいち上手く聞き取れないのがもどかしい。
「ええ、そうね。 元気な子が生まれてよかったわ?」
「まったく淡白なんだから、こうゆう時はもう少し喜ぶものなのよ?」
直感的にわかる、今の淡白な声を返した方が母さんだ。
変わり者なんだな、と思う。
それと同時に母さんのあまりに綺麗な声に耳が満たされる。
こんな声を聞けるなら淡白であることはむしろプラスに働くのかもしれない、父さんがとんだドMとゆう可能性が出てきた瞬間だ。
「そうなの?よく分からないわね。 それより私はもう行っていいのかしら?」
「ああちょっと待ってね!今へその緒切るから」
「分かったわ、早くしてちょうだい」
母さんはこのあと何かしたいことでもあるんだろうか、?
わが子だぞ?
抱き上げていいんだぞ?
まあ声からしてそうゆうタイプにも思えないし、別にいいのだが。
「ハイハイ、わかってますよ〜っと、」
もう1人のよく分からない方が答えながら、何故か僕の腹を抑えているらしい、圧迫感がある。
会話はよく分かってないけど、この状態には覚えがある。
この覚えの中に、母さんと僕が何かを介して繋がっている感覚、これが含まれているので少し血の気が引いてしまった。
「っつ!! んぎゃっ!おんぎゃあっあぁああ!!!」
突如襲いかかる激痛、!!
分かっていても耐えられるものでは無い、腹の皮を切り落とされたのだ。
痛くない方がおかしいだろう。
すぐにお腹を抑えたいのに手が短くてそんなことも出来ない、もどかしい。
泣きわめいていると、不意に抱き上げられる。
わかっている、これは母さんじゃない。
「あらあら痛かったわね、ゴメンなさいねエノワールくん」
「それじゃ、行くわね」
母さんの声、もう行ってしまうのか。
少し残念にも思うが、まあ仕方ないだろう。
「ええ、ちゃんと次会うときは優しくするのよ?」
「善処するわ」
「全くもう、、」
淡白な母さんの返事を聞いて、それで少しだけ、なんでか分からないが安心してしまった。
だからだろう、僕は不意に、本当に不意に眠ってしまったんだ。
赤ん坊とゆうのはこうなるものらしい、意識が眠気を感じる前に眠ってしまう。
ーーーーー
「それじゃあ、エノワールくん。 マシェルちゃんと仲良くね?」
声が聞こえて、目を開ける。
見上げると僕はどこかに置かれる所だった。
そこはフカフカのベットみたいな所で、でも不思議と眠気は襲ってこない。
この感じ、洗ってから寝かされたんだう、体がネバネバしていない。
「んあっ、んああ、、」
ふと隣から声が聞こえる。
見ることは出来ない、まだ首が座っていないのだ。
声の感じから、不思議とその子が女の子だとわかる。
そこで思い出した、さっき僕を寝かせた人が言っていた。
マシェルちゃん、彼女がそうなんだろう。
他に誰かいる気配は無い、そうゆうのにやたらと敏感なのか赤ん坊だ、今ここにいるのは僕とマシェルちゃんだけらしい。
「んあぁ、、」
マシェルちゃんは寝ているらしい、安らかな寝息だ。
可愛い寝息に少しだけ眠気を誘われるけど、少しやってみたい事がある。
我慢してみる、思いの外できるもので我慢できてしまった。
「んえぇあうっ!」
ステータスと言いたかったんだけど、今はダメだな。
もしかしたらそもそもそんな物出てこないのかもしれないが、とはいえ滑舌がはっきりしてきたらもう一度してみたい。
さて、次だ。
魔力を操ってみたい!
そう!魔力だ!
なんせここは魔力のある世界、!! であるならば、!!使ってみたいのが男の子だろう!!
「あうぉ、」
さてと、やって行こう。
実はさっきから体の内側で巡っている力を感じているのだ。
巡っている、と最初に気付いたのはへその緒が切られた時だ。
あの時、母さんから流れ込んでいた力の流れが途切れて、僕の中で回り始めたんだ。
それを感じて、多分これが魔力だろう、と当たりをつけたのが最初であった。
早速始めてみる。
だいたいの力の流れは感覚的にわかる、赤ちゃんならでわの優秀な脳みそに感謝だ。
出来そうなところから始めていこう、
炎とかはもし発動すると大変な事になるからな。
「いんあいおうあ!!!」
身体強化、と言ったつもりだ。
同時に回っていたエネルギーを、少し早めるイメージで使ってみる。
体が少し熱くなるような感覚、同時に少しだけ力が強くなったのを実感する。
足が踏ん張れるのだ。
ベットに足を当てて少しだけ持ち上げてみる、首が座っていないから立つことは出来ないけど、確実に足で踏ん張っていると分かる。
もっと加速させたらどうなるだろう、そんな好奇心に駆られるまま、流れをさらに早く、早く、早くしていき、、
「あぎっ!!!」
不意に意識が飛ぶような激痛を浴びて、僕は失神する。
あとから分かったことだが、これは筋肉痛とゆうやつだった。
筋肉痛は体を鍛えるのに有用だと分かり毎日のようにこんな事をした結果大変なことになるのだが、それはまた別の話である。




