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【音魔法使い】の魔紋  作者: フリューげリュ
異世界の日常
6/30

1話【変な日、そして転生】

ここから過去編、とゆうか本編とゆうか、が始まります。

この話もすぐ時系列的に並ぶと思うのでゆっくり見て貰えると嬉しいです。

僕は反発が嫌いだ、社会に出れば幾らでも見かけるけど、見ていて気持ちのいいものじゃない。

ギスギスした空気は気持ち悪いし、コンディションも下がる、モチベーションももちろん下がる。

いい事なしだけど、大人はそうゆうのが好きだ。

いつもギスギスした職場が、僕の今の世界だった。

残業はダメらしい、仕事は家でやるものなのだと最初の方に教えられた。

何言ってんだ?と思ったけど口には出せなかったな。

残業よりこっちのが問題になりそうだが良いんだろうか?

まあいいんだろうな、こうゆう環境だかは反発したいのも分からなくは無い。

特に僕は都合のいいやつだから、よく仕事が回ってくる。

楽しくは無い、薄給じゃないのが唯一の救いだろう。

まあ持ち帰った仕事分は加算されてないから本来もう少し高いはずなんだけど、もう気にするのも疲れた。

定時上がりで電車に乗ると、少し混んでいた。

田舎でも都会でもない中途半端に栄えた街を2つに分けるように引かれた路上の線路。

そこを通る時、少し遠くを見るんだ。

遠く山が見えて、少し落ち着くから。

家まで40分ほど、やることも無くなり手持ち無沙汰になるとスマホを取り出す。

なろうを読んで、頃合で降りて、家まで歩いてソファーで寝る。

深夜に起きたら持ち帰った仕事をして、もう一度目覚ましの時間まで寝る。

あまり寝た感じのしないまま出社、缶コーヒーは微糖を買って駅から会社までの短い距離を極力楽しむんだ。

これが僕の日常で、ここからが僕の非日常。


「あれ、人がいない、、」


周りを見回して、ふと違和感を感じた。

都会じゃないと言っても8時を少し回った時間帯だ、人がいないことに少し違和感を感じてしまう。

出社は8時半だ、ここからだと8時10分には着く、少しコンビニに寄ってみよう。


「誰もいない、、店員もだ、おかしいな、、」


誰もいなかった。

少し前まで誰かいた形跡がある。

レジに小銭が置いてあった。

お会計してたんだと思う、お釣りを受け取らずに帰った?

それにしたって置きっぱなしにはしないと思う、少し違和感が残る。


「、、なんだこれ、?」


ふとコンビニの床が歪んで見えた、左側だけ。

不思議な感覚だ、左目をつぶると普通の床が見える。

けど左目だけで見ると床が歪んで見えて、、

思いついて強めに床を蹴ってみる。

波紋みたいなのが足を中心に広がった。


「なんだこれ、どうなってる、?」


僕は混乱したままコンビニを飛び出す。

左で見てる景色があまりにも気色悪いから右目だけが頼りだ。

走って、走って、気付けば会社に着いていた。

見上げて、電気が着いてないことを確認する。

いつもは着いている電気が消えている、今考えるとコンビニも電気が着いていたかは曖昧だ。

ビフに近づき、手動のドアを押してみる。


「ダメか、」


開かなかった。


『異世界!地球の皆さん!!!お元気ですか!!!私は⬛︎⬛︎⬛︎◾︎⬛︎⬛︎と申します! あ、聞き取れませんかね、? すみませんこの世界の発音でリーチェ、と言います!よろしいですか〜???』


声が聞こえた、耳が聞いてる感じじゃない。

感覚的に気付く、この声は左目を通して響いていた。

不思議と痛くは無い、ただ気持ち悪い。

左目を開けてみると、波に包まれた湾曲した世界の中、ただ正常な姿で立つ、子供がいた。

すぐに分かる、これは異常な事だと。

右目には見えないんだ、僕の左目を通してしか見えない、唯一歪まない存在、それだけで僕の頭は思考を停止しそうになる。


『今回君たちに集まってもらったのは他でもない! 僕のおねがいを聞いてもらうためなんだ!!』


異常に異常を上塗りして正常に見せかけているような少年が、話を続けていることに気付く。

疑問に思う、君たち、?

疑問に思って周りを見回して気づいた、さっきまでは居なかった人、人、人、数えるのが嫌になるようなたくさんの人が、そこに居た。

みんな驚いてる、そりゃ驚くよな、と思う。

なろうとかだとこうゆう不思議な体験で真っ先に突っかかるやつが居るんだけど、現実こんな状況でそんなことの出来る肝の座ったやつは幸いにも居ないらしかった。


『率直に言おう、君たちにダンジョンの運営を頼みたい!!』


少年が、またよく分からないことを言う。

いや、何となくは分かるけど、え、?

どうゆう事だ、ダンジョン、? それは、ダンジョンマスターみたいなあれか、?

それにしたって、異世界ってことだよな、?

非現実な場所で、非現実な何かが、非現実な事を言っている。

頭がパンクしそうになるのを何とか抑えて、とりあえず周りを見回してみる。

僕の隣には小さな女の子がいた。

可愛いピンクのリボンを付けたツインテールの女の子、こんな子までいるのかと思う。

女の子は混乱していた、何も分からないだろうなと思う。

なまじ変な知識がある分少しは冷静でいられているのを理解していたぶん、女の子のことを気の毒に思った。


『詳しい説明は追い追いしていくとして、まずは見てもらおうと思う!僕の世界を!』


少年がそう言うと同時に、意識が揺らぐのを感じた。

景色は変わらない、王道展開だと足元に世界の映像なんかが流れるんだけど、どうもそうゆう感じでは無い。

見て欲しいと言ってなかったか、?

いや、まさかな、、


『さあ!これから君たちが行くのは剣と魔力のファンタジー世界さ! 僕の母なる世界、愛してやまない世界、だからこそ、このままダンジョンが生まれ続けるのを見ている訳には行かない世界なんだ。 さあ!見てきておくれ!僕の世界を! そして決めて欲しい!ダンションマスターとなり、ダンジョンを沈めることで世界を安定させる、恐怖から解放され、なんの憂いもなく、人々が過ごせる世界!そんな世界!そんな未来を!作ろうとゆう決断を!して欲しいんだ!ここから僕が次に干渉するのはダンジョンコアに君たちが触れた時だと思う!どうか望んで欲しいんだ、平和を!恐怖の象徴が、希望の象徴になるように、その先にはきっと、彼らが生まれることの無い、平和な世界が、あるはずなんだ、、』


ははっ、そうゆう感じね。

少し高揚するのが分かる、楽しんでいるんだ、僕は。

やっと分かった、僕は今を楽しんでいる。

くどい説明は無い、自分の目で見極めろ?

結構な事じゃないか、どうせ時間を食い潰すだけの人生、もう悔いは無い。

うん、そうだ、楽しもう。

僕は、薄れゆく意識の中で、確かにそんなことを思った、そのはずだ。

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